OVA『翠星のガルガンティア ～めぐる航路、遥か～』[後編]初日舞台あいさつが4日、東京・新宿バルト9で開かれレド役・石川界人、エイミー役・金元寿子、リーマ役・水瀬いのり、マズル役・櫻井孝宏、村田和也監督が登壇した。
アニメ『翠星のガルガンティア』は監督に村田和也氏、脚本（OVAはストーリー監修）虚淵玄氏、キャラクター原案に鳴子ハナハル氏を迎え、2013年4月から6月にかけてテレビ放送された遠い未来を描いたオリジナルSF冒険活劇。その人気から、主人公・レドたちの半年後の姿を描いた新作OVAが前後編で制作され、昨年9月にはBlu-ray発売に先駆け劇場で前編が公開され話題となった。本作は前編で提示されたリーマの正体などが描かれるなどし、レドの物語が完結となる。
上映後にイベントが開始となり、まずは村田監督から、本作の公開へ、「本当に嬉しいですね。TVシリーズ13本から引き続いて、前後編を作らせて頂いて、ガルガンティア世界が、自分の中でもスタッフの中でも広がっていって、13本に収まりきらない感じがしていたんです。それが、こういう形で、世界の外側を見ていただけるチャンスを得たというのはありがたいことだなと思っています。テレビアニメではあまり艦隊戦というのもなかったので、割とガチで艦隊戦をやれたのも私としてはチャンスを頂けた」と、万感。
これまで謎のベールに包まれていたマズルも本作でついにお披露目となり、櫻井はやっといろいろとしゃべれることを喜びつつ、印象的なのはマズルにとってのラストシーンを挙げ、「完成されたものを観てより深く思ったんですけど、すごく難しかったですし、リーマと…というのがあるので」と、しみじみと噛みしめるように話していた。
イベントは中盤までは真面目な感じで進行していたが、櫻井が「なんとなくキャラクターのポジションとキャストさんのポジションが似ていて」と話し、石川はたとえるなら「慣れ親しんだ異邦人という感じ」という流れとなり会場を沸かせる。
続く石川は、「リーマが可愛くて、（本編中に）あんなに密着できたのは嬉しい事です」とコメントしだすと、水瀬は反応をどうしたらいいかと困惑する一幕も。それを見て、石川は「やばいなぁ。異邦人感が出てる（苦笑）」と、さっそく乗っかりつつ、「チェインバーの端末が反応したシーンがすごい嬉しくて、チェインバーやっぱり好きだなと」と、まとめた。
ほかにも、見どころの1つとして、マズルの使っている言語を、村田監督から英語と発表し「ただしリーマ、レド、エイミーにも分からない、ガルガンティアの住人には分からないものと存在していないといけないので、英語をそのまま使わないように加工しています。頑張れば解読できるかもしれません。世界中のみなさんでやって頂ければ」と、作り手の遊び心で“謎”を盛り込んだ様子を見せたり、「爆発シーンはCGと手描きが混在しています」とも明かしていた。
今後の『翠星のガルガンティア』の展開としてはOVAから2年後が描かれた小説が今夏に発売されるそうだが、2年後のレドはどうなっているかと話題になると、石川は「ステ振り（ステータス振り分け）がどうしているのかによって変わりますよね。筋力に振ったのか、考古学的な知力に振っているのか…。体格が変わると声の出し方も変わるし」とつぶやくと、櫻井は村田監督に、「ちょっと面倒くさいこと言ってますよ。何言い出すんだっ！」と話して観客を沸かせていた。
最後に金元から、「お話としては一息ついたというか、まだまだ（ガルガンティアの世界は）人々が生きている世界ですので小説の2年後というのが楽しみです。心の中でどこかで触れていたいなと思う作品です。これからも応援をよろしくお願いします」と、呼びかける。
「レドの物語が完結ということで、ちょっと役を演じる機会が少なくなると思うと、少し寂しい気持ちもあります」と話していた石川は少し声を上ずらせながら、「はじめから終わりまで関わらせて頂いて、本当に幸せだったなと思います。いまでも第1話のとき、村田監督から『ガルガンティアの住人になってください』と言った時の笑顔が忘れられなくて心に残っています。これだけ作り手の意識の高い作品ですので、応援をして頂いて、何かしら形になればいいなと思っています。僕らと一緒に応援していってくれれば嬉しいなと思っています。みなさんの前にこうやって後編がお届けできたのを嬉しく思っています」と、熱い思いをスピーチしていた。
OVA『翠星のガルガンティア ～めぐる航路、遥か～』[後編]は全国上映中！
