野球をテーマにした小説や随筆で知られる作家の赤瀬川隼さんが26日午後10時33分、肺炎のため神奈川県の病院で亡くなったと、27日、NHKが報じた。83歳だった。
赤瀬川さんは三重県生まれで、銀行などに勤めた後、1983年に『球は転々宇宙間』で吉川英治文学新人賞を受賞して、作家としてデビュー。1995年、『白球残映』で直木賞を受賞したほか、戦争で家族を失った少年と戦地から帰還した兄との交流を描いた『一塁手の生還』は、中学校の国語の教科書に掲載されるなど幅広い年代から親しまれた。
赤瀬川さんは、昨年10月に亡くなった作家の赤瀬川原平さんの兄で、ここ数年は体調を崩して、病院で療養していた。