俳優・竹中直人(57)が18日、都内で行われた映画『燃えよドラゴン 製作40周年記念リマスター版』ブルーレイのリリース記念上映会イベントに登場した。
ブルース・リーのモノマネをしたのが芸能界で最初という、竹中直人。永遠の片思いの恋人への思い出を語るように、ときに遠くを見つめながら、ときに情感たっぷりに、ときに涙腺を緩ませながら思い出話を語ったり、顔だけでなく足の運びや独特のポーズでモノマネを披露し盛り上げた。
お馴染みのブルース・リーのテーマ曲に乗って、「この日のために用意した」という、“カンフーファッション”に身を包み、足の運びから顔の表情まで、ブルース・リーになりきって登場した竹中は、「恥ずかしいですね」と照れながら、「18歳のころで、もう40年経ってしまったんですねぇ」と、感慨深げ。
芸能人・竹中直人の誕生にブルース・リーが大きくかかわっている。竹中は、「ポスターに惹かれて観ようと思ったんです。当時は、入れ替え制ではなかったので、何度も繰り返し見れましたから、ずっと劇場にいて20回ぐらいは観ました。シビレまくっちゃいましたね、表情、顔の動き、髪型、眼差し、声、全てに圧倒されたんですよ」と、熱弁をふるう。
そして、この感動を「こんなにすごい俳優がいるんだぜと、友だちに伝える」ために、セリフや表情を全部覚えて仲間に披露した。そして、10人で観に行ったところ、「感動するシーンでも、僕の(モノマネを)最初に見ちゃっているから、(友だちはみんな)笑っちゃうんですよ」と、エピソードを披露。
しかし、これが元でのちに『銀座NOW』という番組の「コメディアン道場」に友だちが応募して出るようになった。そこで、ブルース・リーのモノマネをやったという。「芸能界で最初にブルース・リーのモノマネをやったのは僕ですね。大好きだったので、少しでも近づきたいと、当時は腹筋も割れていたし、ヌンチャクも振り回していた」と、コメディアンとしてブレイク。その後、俳優・監督とマルチな活躍をするきっかけになった。
当然、過去の作品も全部見たそうで、「張りつめた緊張感、肉体が全部、微妙に震える感じで軽い動きが入ってくるんですよ。彼の表情には、哀愁というか悲しみがあるんですよね。この映画の中で、自分の妹が殺されてオハラに復讐するときの顔が一番好きですよ。オハラをやっつけた後の顔。何だこの悲しみに満ちあふれた顔は」と、今、観終わったかのように、熱く語るや、モノマネを入れて、観客を沸かせる。
さらに、「『燃えよドラゴン』だけが本人の声なんですよ。後は吹き替え。『燃えよドラゴン』がアメリカナイズされている。香港時代とは髪型とか違う。東洋人の不気味さ漂わせている。『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』、『ドラゴンへの道』とは違う。『死亡遊戯』は、(ブルース・リーが亡くなった後に)映画にしなきゃいけないということで、吹き替えで作ったから感情移入できなかった。『死亡遊戯』の途中で『燃えよドラゴン』の制作に入ったからね」と、ブルース・リーのことを語りだしたら止まらない。
また、ファンの間では有名な話だが、無名の頃のジャッキー・チェンが、エキストラとして同映画に出演しているが、「ジャッキーとは、『新宿インシデント』(2009年公開の香港・日本合作映画)という映画で共演したんですけど、ブルース・リーの現場はどんな感じだったか聞きました。お茶目だけど、集中力すごかったらしいですよ。ブルース・リーとジャッキーは違うタイプ。ジャッキーは明るく元気な印象ですが、ブルース・リーは暗さや哀愁を秘めた人」と、持論を展開した。
あらためて竹中にとってブルース・リーは、「永遠に消えない存在ですね。声、姿、最高の存在」と言い、「愛した愛し続けたブルース・リーが亡くなって40年、心の中に生きていて。アクション映画大好きになる。最高の映画なので食わず嫌いはヤメテ、こんな俳優がいたんだと、ぜひ知ってほしい」と、アピールした。
ワーナー・ブラザース90周年記念および『燃えよドラゴン』製作40周年、ブルース・リー没後40周年を記念し、「【初回限定生産】燃えよドラゴン 製作40 周年記念リマスター版 ブルーレイ Tシャツ付」を7 月17 日に発売した。麻薬と陰謀が渦巻く要塞島に、ブルース・リーの怒りが炸裂する、ブルース・リー最高傑作といわれる本作。初収録となる特典映像や吹替えなどを収め、日本オリジナル特典を封入した、ファンのための“最後の決定版”の登場。
【初回限定生産】『燃えよドラゴン 製作40 周年記念リマスター版ブルーレイ T シャツ付』(ワーナー・ホーム・ビデオ)は、6980円(税込)で発売中!