元お笑い芸人で現在は舞台を中心に俳優として活躍する、なすび（38）が17日、都内で映画『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』（監督：リアン・プーリー／配給：KADOKAWA）公開記念 コロンビア×SWITCH特別試写会に国際山岳ガイドの近藤謙司さんと登場した。
同作は世界で初めてエベレストの登頂に成功したふたりの男の最も困難で勇敢な冒険を再現した作品。当時の映像や写真、本人たちのインタビュー、そして『ロード・オブ・ザ・リング』のスタッフの手による8800メートルを超える極限の世界を描き出す本格山岳映画。
2013年、14年と2年連続でエベレストへチャレンジしているなすび。「山登りということを近藤さんに出会うまでは一切したことなかった」と明かし、「なぜエベレストか？」という疑問に「2011年の大震災。僕自身、生まれも育ちも福島。ふるさとを応援するための直接支援をしていたんですけど、少しずつ風化している現状や風評被害を打破できないかなと僕なりに考えて、未知のことに挑戦したんです」ときっかけを語った。
昨年は登頂寸前まで登るも撤退、今年は複数の犠牲者が出た大規模な雪崩事故により断念という結果に終わったなすび。近藤さんは「数百万円という登山料を現地の政府に払わないといけない。グループで行っても個人の負担が600万、700万とかかるので相当大変」と解説。高額な費用をなすびは資金はクラウドファインディングで集めたという。
しかし、2回目のチャレンジとなった今年は「十数人が亡くなった」（近藤さん）という事故を受け中止の決断を下した。なすびは「消えてなくなりたいぐらい悔しい思い、残念な思いをした。2、3日ベースキャンプに滞在して気持ちの整理をつけた」と無念さをにじませた。
なすびは「帰国して福島の山を登ったら『なすびくん頑張ったね。応援してたよ』と声をかけてもらった」と元気をもらったことを話し、「“二度と行けないな”という思いがあったんですけど、前向きな気持ちになりつつある」と3度目のはるか高い頂きを見つめた。
『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』は6月28日角川シネマ有楽町、ヒューマントランスシネマ渋谷ほか全国公開。
