若手ホープの俳優・辻本祐樹(28)、AKB48・佐藤亜美菜(22・チームK)、演歌歌手・松尾雄史(22)の異色トリオをメーンに展開される18日開幕の舞台「WORLD」(脚本・演出:菅野臣太朗)だが、フレッシュな主人公たちのワキを固めているベテラン俳優たちの存在がおもしろい。まさにキャスティングの妙といったところか。
2日、都内で行われた製作発表では、さっそくアクの強い俳優陣がコネタをかましてくれたが、その筆頭が映画監督も務めるなど、マルチな活動を展開している俳優・大鶴義丹(45)だ。
極悪マフィアの幹部役の大鶴は最初こそ「いるだけで気味が悪くなるような雰囲気が出せるように、稽古では(共演陣と)いっさいコミュニケーションをとらずに孤立した感じでやってます」とドスを利かせたが、一方で隣に並んだ子分役の俳優・逸見太郎(40)とは早くも公私にわたって信頼関係を築いている様子。
大鶴は「この2人が”ジュニア”たちというのが不思議で、芝居を離れて、2代目って大変だよね、とか、(2代目ならではの)作戦を練ったり、相談にのったりとか。え、具体的にですか?例えば相続税とか、まぁ、いろいろ・・・」と隣の逸見を観ながらニヤける。
続けて「僕の家は資産ないけど、逸見さんは固定資産税とか大変だと思う」と笑わせたが、「演技以外でもある種、同盟感というか、そういう気持ちでやっております」とうれしそう。
一方の逸見も、アゴにヒゲをたくわえ、大鶴に負けじとコワオモテ姿を披露したが、「義丹さんの後輩役。(大鶴には)稽古を通して仲良くしていただいて、新婚生活をどう進めていけばいいのかアドバイスもらってます!」とおどけながらPR。互いに2代目ならではの絆を育んでいる様子だ。
このほか、「血痕採取とか地味な作業ですが、そこをなんとか派手に魅せたい。若い役者に負けないように、とにかく、自分だけが目立てばいい!(笑)ではなく、舞台はアンサンブルなので、存在感をだしていきたい」とモーレツに意気込んでいた警察鑑識役のモロ諸岡(54)、「うちらはベテランだが、こういう大きな劇場でやるのははじめて。不安と期待のなかでやっている」と神妙に話した刑事役の野村宏伸(48)。
さらに、16年前に殺人事件で逮捕され仮出所した男役の金山一彦(46)は7月に芳本美代子(44)との離婚を発表したしたばかりだが、役作りのため「数ヶ月前から家では一言も話してない。まあ、養育費の話とか聞いてますけどね・・・」と自虐ネタで苦笑いするなど、個性派が勢ぞろい。
最後の大鶴の「いい意味で俳優の世代間闘争を出せていければ」という言葉のとおり、若手、ベテラン、個性派の入り交じったアンサンブルに期待大!
18日に都内・北千住、シアター1010で開幕。