グラビアアイドルの“あいちゃん”こと篠崎愛(21)が所属する4人組女性アイドルグループ『AeLL.』(エール)が出演する映画『たいむすりっぷメガネ』(監督:永江二朗/配給:株式会社キャンター)の初日舞台あいさつが10日、都内で行われた。同メンバーの篠崎を始め、リーダーの“えりす”こと西恵利香(24)、“しじょー”こと石條遥梨(しじょう はるな、20)、“もんちぃ”こと鷹那空実(たかな くみ、19)と永江監督が登壇した。
同映画には、40名のAeLL.のファンが、エキストラとして参加したが、篠崎は、「ファンの方との戦闘シーンの時に、股間を凄い力で蹴っちゃって……」と、テレながら告白。その男性が観覧しにきていたため、改めて謝罪した。また、泊まった民宿のトイレで幽霊に話しかけていた恐怖体験を語った。
映画『パンツの穴 THE MOVIE 童貞喪失ラプソディ』(2011年公開)に次いで、2本目の主演作となった篠崎は、「めちゃくちゃ嬉しいです。本当にタイトなスケジュールのなか、みんなで頑張ったので、こうやってたくさんの方に観ていただけるのは本当に嬉しいです、ありがとうございます」と、会場に集まった多くのファンに感謝の言葉を述べた。
リーダーの西は、「AeLL.全員出演させていただいた作品なので、私たちも思い入れのある作品に仕上がった。皆さんに好きになっていただけたら」と、想いを語ると、石條と鷹那も同じあいさつをして笑わせるなど、AeLL.らしいゆる~い雰囲気で舞台あいさつがスタート。
2011年10月2日に開村したAeLL.メンバーとファンが力を合わせて耕作放棄地を開墾し、農業体験をする「AeLL.村」プロジェクトの地である山梨県南アルプス市が舞台となっており、90%以上が同地で撮影された。
篠崎は、「いつも『AeLL.村』の活動で南アルプス市にはお世話になっているんですけど、自分たちが耕した土地で、走り回ったり、戦闘シーンを撮るとは思っていなかったので不思議な気持ちでした」と、感慨深げ。
ところが西は、「普段、『AeLL.村』にしかいかなかったぐらい、他のところを通ってなかったので、下に降りると街なんだな」と、ぶっちゃけトーク。これに篠崎が、「畑のイメージしかなかったので」とフォローを入れるも、西は、「ちゃんとしてるな山梨と思いました」と言うと、「マスコミの方、いい感じに書いてください」と、マスコミにフォローを頼むぶっちゃけぶり。
石條も、「『AeLL.村』から出てみたら、ちゃんとメガネ屋さんもあって、すごい良かったなぁと思いました」と、ノリを引っ張ると、プロデューサーが、「メガネ屋さんは、ちゃんとロケハンして決めましたから」というと、「いいメガネ屋さんでした」と、返す。
鷹那は、「いつも『AeLL.村』に行くと、バタバタと動くことが多いんですけど、のんびりした山梨を体験できたと思います」と、篠崎とは正反対のことを言うと、「(空実は、)いい感じでスケジュールが組まれてた」と、特別待遇(?)を疑われる。監督がスケジュールを組んだというと、メンバーから「鷹那さん推し?」と突っ込まれていた。
そんな南アルプスロケの想い出は、篠崎がメガネをかけ忘れてシーンを撮影。楽屋に戻って机の上のメガネを見るまで誰も気付かなくて、撮り直しというのが何度かあったという。西との体育館でやりあうシーンや、篠崎が走っているシーンがそうだということで、映画を観るときには、要注目だ。
西は、体育館で木刀を待っているシーンで、スケバン風メイクを施したところ、共演者から「凄く似合うね」と言われたそうで、「恥ずかしいというかショックで……」と言うと、篠崎が、「いや、前々から似合うとは思っていたんだけどね。受け入れたがらないじゃない(笑)? 受け入れないけど、(スケバン)そのものよ」と、あっさりと肯定。
すると、西は集まった報道陣に対して、「(ここのコメントは)書かない下さいね!そのまんまよ。普段はマジメな女の子」と、慌てふためきながら“スケバンキャラ”のイメージ定着を必死に否定していた。
石條は、「愛ちゃんとの最後の大切なシーンで、噛み倒して過ぎて、夜中の3時までかかってしまって…迷惑かけました」というと、篠崎が、「私のことしか撮っていなくて、石條さんは撮られていないのに、噛むというね(笑い)。台本見りゃいいじゃんと思ったんだけど」と、いうと、それを引き取って、石條が、「そこだけ、変なプロ意識働いちゃって」と、笑いながら話す。
鷹那は、「子供がいる役なんですけど、その子役を市長さんの関係者の方がやったんですけど、その子の演技が上手で、私が、『ここのセリフ違うよ』と指摘されました」と、シュンとなった。
また、西と石條は止まった民宿での出来事を披露。西は、「南アルプス市の撮影中に泊まっていた民宿で、ヘビトンボの幼虫に指を噛まれました。おばさんが、『頭を潰せば大丈夫だよ』と、歯ブラシで潰したんですけど、布団の上に青い汁が出て広がって。その上にシーツ1枚敷けば大丈夫と言われました。翌日、早いのでそのまま寝ましたが、次の日には部屋を変えてもらいました」と、大自然の中ならではの体験を。
石條も、「泊まった民宿の話なんですけど、トイレに御札が貼ってあって、いかにも“出る”という雰囲気だったんです。愛ちゃんと、人でトイレに行って、私が出た後、愛ちゃんが『隣の個室から、トイレットペーパーがカラカラカラという音がしたので、遥梨がいると思って、ずっと話ていて、個室から出たら誰もいなかった』と。私は部屋にいて、『いま出たよ』って」と、起用婦体験を語る。
すると、プロデューサーから、「石條さん、それは(石條の出演した)映画『トイレの花子さん-新劇場版』の宣伝なんじゃ?」とツッコまれると、「違いますよーっ」と、否定しつつも「(映画『トイレの花子さん-新劇場版』の)DVDが出たので、よろしくお願いします」と、ちゃっかり宣伝。
鷹那は、「お休みが1日あったので、パジャマでコンビに行ったり、西さんとラーメン食べた」と、本当にのんびりしていたそうだが、西から、「バシャマじゃなくスウェットね。地元に溶け込んでいた」と、マッタリモードだったようだ。
同映画には、40名のAeLL.のファン(=ファミリーと呼ぶ)が、エキストラとして参加しているが、篠崎は、「ファンの方との戦闘シーンがあったんですけど、ファンの方の股間を凄い力で蹴っちゃって……。ごめんねっと言ったら顔を真っ赤にして『大丈夫だよ』と言ってくれました」と撮影エピソードを明かす。そのお客さんが、観に来ていて、観客席にその姿を見つけると、篠崎は、「あんなに細い方なのに…すいませんでした」と、改めて誤った。
気合入れてきてくれてる自前のスーツ、農民のカッコウ、医者、女子高生のカッコウなど、地元住民になりきって、思い思いの衣装を着てきたそうだが、乱闘シーンでスーツが泥だらけになるなど、かなりの奮闘ぶりだったようで、篠崎は、「新調したっぽいスーツの方も、雨降ってドロドロになって。『大丈夫、AeLL.』のためならと言ってくださって」と、感謝しきりだった。
映画の撮影現場を体験し、AeLL.と共演でき、さらに、エンドロールにも名前が出るということで、篠崎は、「こんな経験なかなかない。映画に出たって自慢していい」と、絶賛した。
同作の主題歌には、AeLL.の新曲『シンデレラ サマータイム』が起用されているが、西は、「映画『パンツの穴』以来の主題歌で嬉しいです。前回も嬉しかったんですけど、今回は、劇中歌も全部、AeLL.の曲が掛かった。AeLL.満載の映画に仕上がった。観た方はCDも買っていただければ」と、PRした。
最後に監督は、「ハードスケジュールの中、大変だったんですけど、ダイヤの原石のような作品が出来たと思います。これは、ダイヤではなく、まだ原石ですが、ダイヤの原石には原石なりの良さがありますので、ハードル上げずに突っ込みながら観ていただければ」と、気軽に見てとアピールした。
同作品のストーリーは、勘当同然で地元・山梨を飛び出し、上京してネイルサロンの店長を務めている橋田藤子(篠崎)の元に、父の訃報が届く。8年ぶりに南アルプスへと帰郷した藤子は、地元のメガネ店にふと立ち寄り、何気なくかけたメガネがタイムスリップする魔法のメガネだった。その魔法で藤子はなくなった父への想いを伝えるのだが・・・。
同作は8月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次公開