俳優・長谷川博己（38）、マキタスポーツ（45）、西田敏行（67）、女優・麻生久美子（37）が27日、東京・TOHO シネマズ新宿で映画『ラブ＆ピース』（監督：園子温／配給：アスミック・エース）初日舞台あいさつに登壇した。
園監督オリジナルで、2015年夏の東京が舞台。平凡なサラリーマン・鈴木良一（長谷川）はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命的なものを感じる。あきらめた夢、まともに話せないが恋心を抱く寺島裕子（麻生）への想い…彼の人生を奪いかえすために必要な最後の欠片“ピース“が、そのミドリガメだったのだが…。
劇中で共演した、カメのラブちゃんのぬいぐるみを抱えて登壇した長谷川は、満席の客席を見渡すと、「ついに初日を迎えられて嬉しい。興奮しています」と、感無量なよう。
園監督は長谷川へ「とにかくすごいカメレオン役者。いろんな演技ができて振り幅がひろい。この演技に適しているんじゃないかと思った」と、その実力を褒めると、「でもギターも歌もできないと後で知って、できる人にするべきだったかな？と思った」とも。すると、長谷川は「なんとか練習して（ギターと歌を）やるしかないと思ったけど、園さんが曲をなかなか作ってくれないから何度も家に押しかけました！」と、やり返し場内を沸かせることも。
ヒロインを演じた麻生について園監督は、「昔から一緒に映画をやりたい女優さんだった。元が美人だし色っぽいから、地味で目立たない役を相当頑張ってもらいました。すぐ笑う人なんで、『絶対笑うな』と厳しく指導しました」と、麻生の性格をつかんだエピソードを披露すると、当の麻生も「今までで一番地味な役をやらせてもらって、撮影中も新しい発見もあって勉強になった。子どもに見せたくなるような映画」と、楽しんでいた様子を。
さらに、謎の老人役の西田については「この役は西田さんしかいないと、昔忌野清志郎にオファーしたみたいにダメ元でお願いしてみた。そしたら快諾のお返事がきて。西田さんが来てくれたおかげですごくよくなった」という。
その西田は「ハリウッドとかイタリア映画とか、いろいろオファーが来ていたんですけれど、福島出身なので『希望の国』という映画を観て、園監督に恩義というか義理を感じた。これは何かの形で返さねば、とハリウッドを断って受けました。その作品は渡辺謙が行きました」と、“舌好調”でジョークを飛ばし場内は爆笑だった。
劇中で、長谷川演じる鈴木良一と運命的な出会いをしたミドリガメのラブちゃんが鈴木の願いを叶えようとしてくれることから、どんな願いを叶えてほしい？との質問が飛ぶと、長谷川は「優等生的な言葉になっちゃいますけど、世界平和ですね」と、コメント。一方昨年12月に双子が生まれたというマキタスポーツは、「ラブちゃんに子育てを手伝ってほしい」と述べた。
また、本作が感動のラブストーリーであることにちなみ、それぞれが『愛とは何か』を直筆のボードで発表。長谷川が『全てさ。』と発表すると、園がすかさず「かっこつけてる！」とヤジを飛ばすも「ビートルズの“All You Need Is Love”が浮かんだんです。とにかく自分自身でいればいいんだ、愛がすべてなんだ」と、訴えた。続いて麻生は『与え続けるもの』と発表。親の立場で「愛に関しては見返りがなくても一方通行でもいいかなと思っています」と述べた。園監督は『子どもと動物』とし、「台本やシナリオを書いていて疲れたらいつも動物園で癒されている」と語りつつ、「実はあのカメちゃんは今みんなで育てていて、次の映画にも出ているんですよ。もう園組と言っていいですね」と、カメの“ラブちゃん”が園監督作品の新たなメンバー入りを果たしたことを話していた。
映画『ラブ＆ピース』は28日より全国上映中！
