女優・木南晴夏(27)が25日、都内・テアトル新宿で行われた映画『百年の時計』(監督:金子修介/配給:太秦)初日舞台挨拶に歌手で俳優のミッキー・カーチス(74)、女優・中村ゆり(31)、『D-BOYS』の鈴木裕樹(29)、『D2』の近江陽一郎(24)、俳優・宍戸開(46)、作曲家でピアニストの中村由利子(54)、金子監督(57)とともに出席した。
高松琴平電気鉄道開通100周年記念映画にして、木南の長編映画初主演作品。新米学芸員・神高涼香(木南)と創作意欲を失った芸術家・安藤行人(ミッキー)が出会い、古い懐中時計に秘められた恋の物語を紐解いていくことで、止まっていたそれぞれの時間が動き出すハートフルストーリー。
主演の木南が「皆さんいかがでしたでしょうか？」と呼びかけると、観客は拍手で応え、木南は「わ～嬉しい！ 本当に温かい空気でよかったです。凄いホッとしています」と、安堵の表情を浮かべる。
同作はオール香川ロケで、木南が「撮影中に6軒か7軒ぐらい行きましたね。大好きなので」と、うどんにハマったことを明かすと、ミッキーも「俺、うどん嫌いでそばが好きなんだけど、だんだん好きになってきちゃって。高いところ行っても、安いところ行っても、味変わんねえんだもん」とぶっちゃけ、場内爆笑！
ミッキーは年老いた芸術家を演じており、「1年ぐらい待ちに待った作品。やっと封切りにこぎつけて、本当に嬉しい」と感慨深く語り、「こいつとは女の趣味まで全部気が合ってね～」と、近江を紹介した。
これに「一緒にホテルの部屋までずっとお邪魔させてもらいました。暴露されたのが恥ずかしいので、次に行ってください」と赤面した近江は、若き日の行人役。「試写とか行けなかったので、皆さんと一緒にきょうここで観させてもらったんですけど、ごめんなさい、自分のシーンで泣きました(笑)」と正直に話し、観客を笑わせた。
涼香の恋人・健治役の鈴木は、舞台出演の合間を縫って舞台挨拶に出席。「本当にステキな映画で、近江じゃないですけど、試写で泣いてしまった。自分の映画で泣くことは始めてだったけど、僕はミッキーさんのところで泣きました(笑)」と、近江のコメントをネタに。
行人と恋に落ちた人妻役の中村ゆりは、「映画の中ですけど、何十年もの時間をかけて一人の男性に愛される女性を演じて、とても幸せでした。純愛って若いうちだけのものという感じがしていたけど、こういう愛の形を見せられると、年を取っていくのも楽しみだなと思いました」と、しみじみと語った。
4日間しか香川ロケにいなかったという開は、「僕の目標はお仕事をすることと、美味しいうどん屋さんを探すことと、サウナに行くこと。全部できました」とエンジョイしたようで、「こういう映画を日本国民はもっと観るべき。僕も試写でしくしく泣いてしまって、最後の『D-51』の音楽でグワーッと盛り上がるところも、わんわん泣かさせていただきました」と、『D-51』が歌う主題歌「めぐり逢い」を称賛。
『デスノート』や『ゴジラ』、『ガメラ』シリーズなどで知られる金子監督と何度もタッグを組んでおり、同作でも音楽を担当している中村由利子は、「最初の映像の編集を観てから泣きっぱなしで、音楽ができるかなと心配だったけど、どのシーンも美しくて、メロディーがたくさん湧き出てきました」と、作曲の過程についてコメントした。
金子監督が「監督を始めて、来年で30年になるんですが、いろんなことがありすぎて、この映画もいろんなことがありすぎまして、人生もいろんなことがありすぎまして…」とこぼすと、ミッキーの笑い声が館内に響き、観客も爆笑。これにもめげず、金子監督は、「そういう意味で、いろんな迷いがある中、映画とはこれだ。人生とは美しいと思いたい思いで作りました。その思いが届いていただけると思います」と、同作をアピールした。
最後に、ミッキーが「現場は最高に楽しかったです。休みの日でも現場に行っちゃいました」と告白すると、スタッフが撮影中の近江のもとに、琴電から普通にミッキーが出てきて、驚いてしまったというエピソードを披露。
木南は「劇場ガラガラだったらどうしようとか心配してたんですけど、本当にきょうはありがとうございます」と、満員の館内を見つめ、プレッシャーから開放されていた。
25日より、テアトル新宿他にて全国順次公開。
