ロックバンド『筋肉少女帯』のボーカル・大槻ケンヂ(47)が18日、都内・シネマート新宿で、インド映画『きっと、うまくいく』(監督:ラージクマール・ヒラニ/配給:日活)初日トークイベントを漫画家でコラムニストの辛酸なめ子(38)とともに行った。
映画大国インドで大ヒットしたボリウッド4の『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』、『タイガー 伝説のスパイ』、『命ある限り』が4月20日より日本公開となり、『きっと、うまくいく』もついに上映。同作は、インドで歴代興行収入第1位を記録し、エリートが集まる超難関理系大学ICEで、三バカトリオが「きっと、うまくいく!!」を合言葉にストーリーを展開する感動エンターテイメント作品だ。
ボリウッド4応援団長のオーケンは、黒いニット帽に筋少の楽曲「日本印度化計画」をイメージしたTシャツ、辛酸は水色のインドの民族衣装で登壇。通常、舞台挨拶は観客の写真撮影などは禁止とされているが、今回はOKで、「ツイッターでバンバンツイートしてください」とアナウンスされるなど、自由な空間の中、トークイベントは行われた。
オーケンは「たくさんお客さんが入ってよかった。きょうはバンドのリハを抜け出して、やってまいりました」と、筋少のリハーサルを中抜けしてきたことを明かす。
MCの大場渉太氏が、スティーブン・スピルバーグ監督(66)が同作を絶賛し、「3回観た」と発言していることについて、オーケンは「それはスピルバーグの自己申告ですか？」と、早速突っ込む。さらにハリウッド俳優のブラッド・ピット(49)が同作を観て、「心震えた」と発言したことを聞かされると、オーケンは「それは誰か見たんですか？ まあ、“全米が泣いた”と同様ですね」と、またも突っ込みを入れて、観客を笑わせた。
約28年前に一度だけインドに行ったことがあるというオーケンは、「行った初日にタクシーが人をはねるのを見たんですよ。アッ！と思ったら、周りにいるみんながタクシーをポカポカ蹴り出して、どうなるんだろう？と思って見てたら、そのままタクシーは行っちゃったんですけど」と、インドのカオスな日常を激白！ これに辛酸は驚くことなく、「人々のモラル感がちゃんとしてるんですね」と、淡々とコメントした。
15年前の『ムトゥ 踊るマハラジャ』で、日本でもインド映画が大ヒットを記録。それ以来インド映画は日本ではヒットしなかったが、昨年、『ムトゥ』と同じく、ラジニカーント(63)主演の『ロボット』が日本で公開され、日本でもインド映画ブーム再来の流れに。その勢いで『きっと、うまくいく』もヒットするか注目が集まっている。
『ムトゥ』以後、インド映画が長らく日本でヒットしなかったことについて、オーケンは、「結局、第2、第3の『ムトゥ』を求めたがゆえに、『ロボット』まで時間がかかってしまった。『ムトゥ』は『サザンオールスターズ』で言えば、『勝手にシンドバッド』みたいなもんですよ。『きっと、うまくいく』は『いとしのエリー』だから、ポンポンとくれば、相当状況は変わっていたと思いますよ」と、サザンに例えて分析。
『ムトゥ』、『ロボット』主演のラジニカーントや、『きっと、うまくいく』のアーミル・カーン(48)などインドの有名な俳優の名前になぜ“カーン”が付くのか、辛酸が疑問を呈したところ、オーケンは「キラー・カーンもそうですね。プロレス辞めて、居酒屋当てて、3店舗ぐらいあるみたいですよ」と、往年のプロレスラーの名前を出して、観客も爆笑！ さらに「パッとしない人は、名前にカーンを付ければいいんじゃないですか。“大槻ケンヂ・カーン”にしようかな。バカ売れしちゃって、焼鳥屋が当たるかもしれない(笑)」と、ジョークを飛ばした。
撮影当時、44歳で学生を演じていたアーミル・カーンについて、辛酸は「トム・クルーズに見えてきた。校長先生の役のとそんなに年が変わらないんですよ」と、若々しい姿を絶賛。オーケンも「アーミル・カーンは出てきて数十秒で、『この人ただ者じゃない』というオーラがあった」と称賛し、「なんでもできすぎるがゆえにはみ出してしまう学生という、45年前だったら加山雄三さんがやるのかな。じゃあ、アーミル・カーンは数十年後に『ゆうゆう散歩』をやるのかって話ですけど」と、若大将ネタで盛り上げていた。
また、辛酸が「アーミル・カーンって本番前にバドミントンをやって、アンチエイジング効果を高めているみたいですね」と、こぼれ話を紹介すると、オーケンは「名前にカーンを付けて、バドミントンをやったら最強じゃないですか！」と、興奮ぎみに返答。
ヒロインのカリーナ・カプール(32)について、オーケンは「いいですね。素晴らしいです。ボリウッドの女優さん、みんないいね」とベタ褒めしたが、辛酸は「アイラインも顔も濃くて、赤いメガネを掛けているので、出ている時間が短くても満足できる」と、いつもの脱力系コメントで、場内を和ませた。
トークがひと段落したところで、先月お披露目されたボリウッド4のゆるキャラ・ナン子ちゃんも登場。初対面となる辛酸は、ナン子ちゃんを見るやいなや、「焼いた後に時間が経っちゃったような感じがある」と、ボソッと一言。何を聞かれても「ナマステ！」と答え、喜びの舞を踊るナン子ちゃんに対し、先月イベントで共演したオーケンは、「最初に会ったときと声が変わってるね」、「カレー屋行ってナン食べたら、共食いになっちゃうね」など突っ込みを入れる。
さらにオーケンは「ナン子ちゃんがボリウッド4が終わった後、どうするのか気になる。『アンパンマン』には出してもらえないんですかね？」と、ナン子ちゃんの将来を案じ、「アサヒ『十六茶』のCMに加えてもらえないかな。僕から言ってみる」と、自身がナレーションを務めるCMにナン子ちゃんをキャスティングすることを提案していた。
最後は、オーケンが筋少の「日本印度化計画」で歌っているオープニングの歌詞でお開き。オーケンが「日本を印度に～」とコールすると、観客が「してしまえ～！」とレスポンスした。
18日より、シネマート新宿ほか全国公開。
