NO IMAGE

原田真二、「感謝の気持を込めて」35周年記念ライブ!復興支援は話題にしていくことが大事

原田真二、「感謝の気持を込めて」35周年記念ライブ!復興支援は話題にしていくことが大事
35周年記念ライブを行った原田真二

 シンガー・原田真二(54)が3月29日、東京・千代田区「東京国際フォーラム ホールC」で、「原田真二 デビュー35周年記念ライブ『The Road to the Light 2nd 』」で35周年ライブを行った。

 リハーサル終了後に、インタビューに応じた原田は、35周年への思いと、継続している東日本大震災の被災者支援活動などについて語った。

 昨年の秋が35周年で、前半と後半に分けて「35周年記念ライブ」を敢行。この日が、後半戦のファーストステージとなった。

 原田 「35周年のステージ、ずっと応援していただいたそれぞれの皆さんに感謝の気持を直接、お届けしたいということがメインテーマで、『35周年アニバーサリー』と名前をつけているんです」

原田真二、「感謝の気持を込めて」35周年記念ライブ!復興支援は話題にしていくことが大事

 ーー前半を走りきっての感想は。

 原田 「この35年の間にアナログからデジタルに変わってきた。いろんな音楽が創りだされてきて、それが繰り返されている時期に入ってきていると思うんですね。自分でも引き出し多くして、ショーアップされたものを作りたいということで、皆さんに楽しんで、ストレス発散して、元気になって帰っていただきたい。この思いだけです。新しい楽曲も入れるんですけど、昔を知っている方は、昔の楽曲を聴きたくて来られている方も多いものですから、デビューの頃の楽曲は外せません。オリジナルのままでやることもあれば、アレンジを変えてやることもある。特に、『キャンディ』(1977年11月発売)なんて、しっとりした詩なんですが、ロックバージョンで演ってまして、盛り上げの場所に使っているんですよ。僕もビックリしています(笑)」

原田真二、「感謝の気持を込めて」35周年記念ライブ!復興支援は話題にしていくことが大事
世界中どこへでも行ってライブをやりたい

 ーーファンの方たちも年齢を重ねてきたと思うのですが。

 原田 「いまは、(昔よりも)もっと盛り上げるように演ってます。皆さんを高校生、中学生に戻すような展開にしていますからね。昔からのファンの方で、40代、50代になっておられる方も僕のファンの方は若いんですよ。他のアーティストの方にも言われた事あるんですけど、『若い』ってビックリしてました。音楽のよさってそこにありますよね。盛り上がったりしていると、肉体を活性化させてくれるようなことが実際ありますしね。それと、新たにファンに成っていただいた新しい世代の方々など、いろんな方々で構成されているから面白いですね。
 昨年からご縁がありまして、(僕の)楽曲をいろんな方が歌ってくれたり、何度かテレビに出て行く機会もありまして、僕を新たに知っていただいてファンに成っていただいた方は、新しいアーティストに出会った感があって、それが新鮮な感じです。昔の方々が、昔の声援でやっているのを若い層が見ていると、こうやらなきゃいけないのかな的な。そういうのを見ているのが、ギャップが面白いですね。近年の韓流ブームなどがありまして、うちわを作ったり、ヒカリモノが復活しているじゃないですか。我々の時代ありましたからね。でも、僕はそれがすっごい苦手だったんですよ。アイドル的なノリっていうのが、歌謡界とロック界の違いを象徴しているようなところがありまして、すごいそういうのが嫌だったんですけど、いまでは、ぜひともやってもらいたいと思うんです(笑)。どうせなら、来ていただいている方が、おもいっきり楽しめるような展開になってこそのコンサートですからね。そういう思いでやっているからこそ、メッセージが届くと思います」

原田真二、「感謝の気持を込めて」35周年記念ライブ!復興支援は話題にしていくことが大事
震災復興支援にも継続的に力を入れている

 ーー原田といえば、復興支援ライブを精力的に行なっており、「優しさの連鎖が大事」と語っている。現状はどうなのだろうか。

 原田 「あっという間に2年が経っているんですが、ほぼ月1回の割合で被災地に行かせていただいている。国内、国外も含めて支援ライブを演らせてもらっています。震災だから特にやるということではなく、(広島県出身の)自分の中では広島というのが母体となって、メッセージの発信があると思ってますので、必然的に震災ですとか、音楽で何か役に立つことがあればドンドンやって行きたいという思いがあるので、継続してやっているだけなんですけど。
 2年経って、被災地の復興が目に見えて大きく変わっているかというと、ないんですね。仮設住宅に落ち着かれていたりはするんですが、お年寄りや身内を亡くされた方が、1人で新しい場所で生活するということが、心的な苦痛、ストレスがどれほどのものか、想像できると思うんですね。『阪神・淡路大震災』の時もそうでしたけど、いま、第二、第三の壁が起こっておりまして、これをいかに乗り越えて、明日に希望を持って生きていけるかどうか。これが重要な時期にかかっているんじゃないかと思っております。世の中の情報から震災のことがやはりだんだん少なくなってきているということがありますから、こういうことを話題にして、ライブやいろんな場所で聞いた方々が、自分の場所に持ち帰って、その場所で、また震災のことを話題にしていただく。これをぜひともお願いしているわけです。
震災のことを話題にしていただくだけで、震災復興支援に必ずつながっていきますから。ひとりの人が、ちょっと発信することが、実は、すごく大きなエネルギーになる。周辺の方に必ず飛び火しますし、その先に繋がって参りますから。一人の人の優しさ、行動、アクションが世の中を変える原動力になると思います。我々全てが世の中を変える役割や力を持って動かなきゃいけないと思うんですけどね。
 僕や僕の周辺で続けていることは、仮設住宅におじゃまして、お話を交えながらミニライブをやるんですが、おじぃちゃん、おばぁちゃん、僕を知らない世代の方やドンピシャの方など、皆さん方と盛り上がったり、笑ったり、泣いたりしながら楽しむんですが、ちょっとでもストレスを発散したり、明日への楽しみになってくれたり、『次回また来てね』と思ってくれたり、そういうふうになっていただくだけで、何か明日へ向かっていく原動力になると思うんです。
 ただ、そういう思いで盛り上げようと思って行くんですけど、そういう大変なことを乗り越えた方々が集まって、ちょっとでも笑顔を見せられたり、頑張っておられる姿を見ると、盛り上げに行った我々が逆にインスパイアされる、力をいただいて帰るんですよ。頑張られていることで、逆に安心感をもらうというか、(また、この場所に)戻ってきたいと思うんですね。いろんな方が言われていると思うんですけど、傷みを乗り越えてこられた方のパワーってすごくて。行った時に必ず申し上げるんですけど、皆さんの傷みを乗り越えられたお陰で、この日本に助けあいだとか、人のために生きることであったり、優しさの中核になる部分がもう一度よみがえってきている気がするんですよ。
 日本には助け合いの精神だったり、自己犠牲だったり素晴らしい礼節があったりするじゃないですか。それがお金中心の社会になってきちゃって、自分のことばかり考えるようになってきちゃいましたけど、今回の大きなことで、また、何か優しさがよみがえってきているような、そして、それを世界中が評価していますよね。このことというのは、大きな傷みでしたけど、それをバネにして、もともとあった素晴らしい和の文化。僕は“和”は“調和の和”だと思うんですが、大きな和、大和を。日本の素晴らしさを取り戻して、テクノロジーもさることながら、本当の日本の精神性の素晴らしさを発揮するそういう時期なんじゃないかと。被災地でそこまでのエネルギーを頂いている気がします。もう一回行きたいなと毎回、思いますね」

原田真二、「感謝の気持を込めて」35周年記念ライブ!復興支援は話題にしていくことが大事
昔からのファンと今のファンが融合してエネルギッシュ

 ーー曲に影響はありますか

 原田 「そういうテーマで実は、最初から書いてまして、6作目のシングルで19歳の時の作品ですが、『OUR SONG』(1978年11月発売)というのがありまして、自分の発信したい事の全てだと思っていますし、それを歌っている以上、温かいエネルギーを届けられる場所があれば、世界中どこへでも行ってやりたいなという思いがありますね。曲や歌を聞いて、優しい気持ちになってくれることが一番の願いですし、一人ひとりがそういう優しい方向に心のベクトルが向かって行かない限り社会は平和にならないと思うんですね。民族、国、宗教などを飛び越えていけるのが音楽だと思っている。海外のコンサート続けていく中で、その手応えは感じているんですね」

 ーー最後に、次は40周年を目指してということになると思うんですが。

 原田 「35とか40という数字で、応援していただいている方への感謝の気持ちを新たにして、その思いをちゃんと届けるという節目にするのが、重要なことかなと。自分の年のことを考えたり、何年やってきたってほとんど考えないんです。振り返らないんですね。過去にしがみつかないといいますか。その年、その年、その先に新しい作品、イベントを考えていくというのが常にあるんです。もちろん通過点ではあると思うんですけど。コンサート、歌を発信できる場所にはどんどん進出していきたい。世界中どこでも。安全であれば、いろんな場所にいきたい。音楽の力は誰しも一度は感じたことあると思います。好きなアーティスト、好きな楽曲で元気になったり、悩みが吹っ飛んだりという経験あると思うんです。音楽っていうのは、何か不思議な人生をも変えるような力があると思います。僕はそこに携わっていて、ライブというのは、そこに行かないと共有できない時間ですよね。CDや配信ではなしえないこと。ライブの価値はますます高まってきている気がします。ライブを中心にあらゆる場所でやって行きたいというのが当面の目標ですね」

広告