
「アニメ「ギガントシューター つかさ」森りょういち監督を直撃!“メンコ”企画が通るまで【インタ1/5】」より
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――意識した作品はありますか?
森りょういち監督:一番意識しているのは、カードバトルものとミニ四駆ですね。僕はコロコロ世代なんで、コロコロ発信アニメが好きで、『爆走兄弟レッツ&ゴー』と、子供心にすごいワクワクして超観てました。大人になって観ると、これがまた結構面白いなと。「行けー!」と言ったらスピードアップするし、重量級のミニ四駆へ「行けー!」というと、ウイリーしてほかのミニ四駆を潰しに行ったりするんですよね。
そのツッコミどころ満載なところを、この作品では分かりやすくして、親子でツッコんでほしいなと思っているんです。子供はつかさくんがパンツ一丁になるところで「ワハハ」と笑ったりするんですけど、いまの小学生のお子さんがいる30代、40代のお父さん、お母さん世代だと“あるある”なんですよね。バカバカしいな、「ここまでパロディーやっちゃうんだ」と。だから親子でツッコミながら観れるんですけど、笑うポイントが世代によって違う。実際に親子で観ている方は、子供はここで笑うんだとかいうので、結構、驚かれているみたいです。世代をつなぐような作品になるといいなと思っています。
――パロディーとおっしゃっていましたけど、キャラクターでイナズマ・まもるとか、愛堂・センチとか、どこかで見たようなキャラクターが出ているんですが、いろんな意味で大丈夫だったんですか?これをNHKさんでやるのはだいぶ冒険されたという感じを受けるのですが?
森監督:僕的には全然OKですが、NHKさん的にはすごいなと思いますね(笑)。ネットでは「NHKの本気」という言葉も出ています(笑)。NHKさんって公共放送ですけど、この企画が通っちゃったんです。
NHKさんとしても長い歴史があるので、テレビというものの可能性とともに、どう新しいものを提供できるのかというのを考えたときに何かを振り切ったと思うんです。これはNHKのある方から言われたんですが、「50%やってもしょうがないので、0%か100%しかないので、このままやってください」というお言葉を頂きまして、やれるだけやろうと。

それで、イナズマ・まもるの話ですが、脚本家の細川徹さんが、グラウンドでサッカーやってるやつと、ギガントバトルしてグラウンドを使わせろという話を持ってきたんです。「それ、面白いですね、メンコをグラウンドでやる必要ないじゃん」って思った時に、「サッカーやるんだったらレベルファイブさんのイナズマイレブンのキャラクターなんて出てきちゃったらどうですか」と、僕から提案したんです。そしたら、細川さんは分かってないようでしたが「じゃあ分かりました、書いときます」と言って、そのとき許可まだ取ってなかったんです(苦笑)。
福岡市の薬院という街に僕の会社があるんですが、その街にはレベルファイブさんがあるんですよ。福岡って小さい街なので横のつながりがあって、そこで直接お願いしに行こうと、脚本と絵コンテできた段階で、お送りしたんです。それで、日野聡社長に脚本をチェックして頂きまして、脚本の中に絶対にこのセリフだけは入れてくださいというのがあって、「サッカーは宇宙でやりな!」とつかさくんが言うんですよ(笑)。ファンのみは分かるんです。イナズマイレブンは超次元なサッカーで、地球だけじゃ飽きたらず宇宙まで行っちゃって、星々を渡り歩きながらのギャラクシーみたいな感じになっちゃって、そこはツッコんでおこうよと思ったんです。ただ、NHKの方も誰1人笑ってくれなかった(笑)。なぜだ!?(笑)「サッカーは宇宙でやれよ!」というのになぜ笑わんのだ!?って思ったんですが、日野社長は大笑いして頂きまして、「これ面白いね。いいよ!いいよ!やってくださいよ!!」ってなりました。それで、公式に許可を取って、オマージュをさせて頂きました。

それでいざ、オンエアされるとかなりの反響がありまして、ちょうどイナズマイレブンのアニメが一応終わってしまったので、イナズマイレブンのまもるくんが恋しい人が食いついてきて、「ここに来てたのか」と。そのファンの方たちは、「宇宙でサッカーやれよ」は吹いたと。よかったなと思いました(笑)。
パロディーが前提となっているので、企画そのものもコロコロコミックのアニメのオマージュなので、出てくるキャラクターも、パロディーだとより厚みも増していくだろうと。それで初めてやったのが、レベルファイブさんのイナズマイレブンだったんです。
さらに、製作委員会にブシロードさんが入っていて、カードファイトヴァンガードなんかどうでしょうかと。それで、愛堂・センチくんと。でも、やっちゃいけない勝負でしたね。カードファイターとギガントシューターって。結局、「カードバトルよりもギガントの方がいいかもな」と言うんですけど、カードバトルをだいぶ茶化しましたね(笑)。それをブシロードさんは嫌がることなく、「おもしろかったっすねー」と、許容して頂いている。
この作品の最大の強みの部分はそこなのかなと。関係者がそこまでブレーキをかけることなく、ちょっとトライしちゃおうよと。これならできるだろうということで。もっとまともな作品を作ろうとしていたら、いろんなブレーキがかかっていたと思うんですけど、「つかさだからね」ということで。
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そうして、“偉い大人”たちすらも巻き込みだして始まった本作。自由な感じを受けるのだが、あるのかどうかイマイチ見えずらい、メッセージ性を尋ねたところ、意外にも膝を叩いて納得できる熱い返答が森監督から語られることとなり…。
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■作品詳細
○スタッフ
ストーリー原案・監督:森りょういち
シリーズ構成・脚本:細川徹
アニメーション制作:ファンワークス FOREST Hunting One
製作:ギガントプロジェクト
○キャスト
面道つかさ:山口勝平
小出ミル子:徳井青空
沼田マナブ:橘田いずみ
堂本あたる:愛美
桐谷.M.キリト:山口智大
■DVD詳細
○第1巻
収録分数:本編63分+特典映像(Gigant Girls スペシャル・インタビュー、Gigant Girls ミルキィホームズ&ブシロード7周年記念ライブin横浜アリーナLIVE映像 特別編集版、ノンテロップOP&ED、PR映像)
価格:1850(本体)+税
発売元:アスミック・エース
販売元:ポニーキャニオン
○第2巻
発売予定日:2014年9月17日
特典映像(予定):特別番外編 『超爆裂異次元恋愛白書 メロメロシューターみるこミル子 第1話』
○第3巻
発売予定日:2014年11月28日
特典映像(予定):特別番外編 『超爆裂異次元恋愛白書 メロメロシューターみるこミル子 第2話』
○第4巻
発売予定日:2015年1月21日
特典映像未定
○第5巻
発売予定日:2015年3月18日
特典映像(予定):特別番外編 『超爆裂異次元恋愛白書 メロメロシューターみるこミル子 第3話』