
『2013(第36回)日本アカデミー賞』授賞式が8日、東京・港区「グランドプリンスホテル新高輪」で行われ最優秀作品賞に『桐島、部活やめるってよ』が輝いた。
田舎の県立高校を舞台に、成績優秀かつバレーボール部のキャプテン、さらに彼女は校内一の人気女子を彼女に持つ桐島が、突然、部活を辞めた。その事実は、本人不在のまま、全く関係のないと思われた第三者だったはずの生徒へと影響を与え、全員が振り回されてゆく。第三者から間接的に桐島のことが語られていくが、それが衝撃のラストへとつながっていくという青春学園エンターテインメント作品。
ニッポン放送リスナーが選ぶ『話題賞』や『監督賞』の合わせて3冠となるが、出演した女優・橋本愛(17)は、『話題賞』の際に、「公開前とかもキャストで集まって遊んでいたときに、ランキングで8位から10位くらいになったらいいよねと言ってたんです。でも、初週は名前がなくて。みんなで落ち込んだんですけど、現象という形になって、公開前の状態を考えると信じられない感じでした」と、感慨深げ。監督賞を受賞した際も、涙で祝福していた。
さらに、俳優・東出昌大(25)も『新人賞』を受賞したが、「共演した役者陣も若くて、この映画が当たるのかというのは全然分からなかった。結果的に終わってみたら8ヶ月のロングランで、それは非常に嬉しいですね」と、口にした。
メガホンを取った吉田大八監督(49)も「若いころから、青春とか大っ嫌いだったんですけど、若い俳優たちのパワーと才能、野心に背中を押されてできた映画」と『監督賞』受賞の際は語っていたが、最優秀作品賞に選ばれ、「まさかこんなことになるとは思っていなかったので驚いています」と、口にする。
さらに、吉田監督は「自由に好きにやらせてもらった。プロデューサーに感謝したい。若い俳優たちが思う存分仕事が出きる場を作ってくれたスタッフに感謝したい」と感無量な様子で、橋本も「監督が喜んでくれている顔が見れてよかったです」と、祝福していた。


■各賞の優秀作品賞ならびに最優秀作品賞は以下の通り。(★が最優秀)
●優秀作品賞
『あなたへ』
『北のカナリアたち』
★『桐島、部活やめるってよ』
『のぼうの城』
『わが母の記』
●優秀アニメーション作品賞
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
★『おおかみこどもの雨と雪』
『ももへの手紙』
『friendsもののけ島のナキ』
『ONE PEACE FILM Zワンピースフィルム ゼット』
●優秀監督賞
犬童一心/樋口真嗣『のぼうの城』
阪本順治『北のカナリアたち』
原田眞人『わが母の記』
降旗康男『あなたへ』
★吉田大八『桐島、部活やめるってよ』
●優秀主演男優賞
★阿部寛『テルマエ・ロマエ』
堺雅人『鍵泥棒のメソッド』
野村萬斎『のぼうの城』
森山未來『苦役列車』
役所広司『聯合艦隊司令長官 山本五十六-太平洋戦争70年目の真実-』
役所広司『わが母の記』
●優秀主演女優賞
★樹木希林『わが母の記』
草刈民代『終の信託』
沢尻エリカ『ヘルタースケルター』
松たか子『夢売るふたり』
吉永小百合『北のカナリアたち』
●優秀助演男優賞
★大滝秀治『あなたへ』
香川照之『鍵泥棒のメソッド』
高良健吾『苦役列車』
佐藤浩市『あなたへ』
佐藤浩市『のぼうの城』
森山未來『北のカナリアたち』
●優秀助演女優賞
寺島しのぶ『ヘルタースケルター』
広末涼子『鍵泥棒のメソッド』
満島ひかり『北のカナリアたち』
宮崎あおい『わが母の記』
★余貴美子『あなたへ』
●新人俳優賞
武井咲『るろうに剣心』『愛と誠』『今日、恋をはじめます』
二階堂ふみ『ヒミズ』『悪の教典』
橋本愛『桐島、部活やめるってよ』『HOME!愛しの座敷わらし』『Anotherアナザー』
染谷将太『ヒミズ』『悪の教典』
チャンミン(東方神起)『黄金を抱いて翔べ』
東出昌大『桐島、部活やめるってよ』
松坂桃李『ツナグ』『麒麟の翼』『今日、恋をはじめます』
●外国映画作品賞
『アルゴ』
★『最強のふたり』
『ダークナイトライジング』
『ドラゴン・タトゥーの女』
『007 スカイフォール』