『LUNA SEA』のボーカル・河村隆一(42)が20日、都内・有楽町のニッポン放送イマジンスタジオで行われた舞台『銀河英雄伝説 第三章 内乱』制作発表会に、『access』のボーカル・貴水博之(43)、シンガーソングライターで俳優の中川晃教(30)、俳優・間宮祥太朗(19)、演出の西田大輔氏とともに出席した。
人気作家・田中芳樹の原作で1982年11月に第一巻が発売され、累計1500万部の売り上げを誇る大ベストセラー小説の『銀河英雄伝説』。11年に初舞台化され、シリーズ7作目となった第三章は、銀河を舞台に『銀河帝国』と『自由惑星同盟』の闘いが繰り広げられる。
キャストが劇中の衣装で登場すると、場内に招待された女性ファンから黄色い声援が。『自由惑星同盟』の“不敗の魔術師”ヤン・ウェンリー役の河村は、「前回の思い入れももちろん、今回も楽しみながらいちファンとしてステージに上がりたいと思います。皆さんにもさらに楽しんでいただきたい」と挨拶。
『銀河帝国』の参謀パウル・フォン・オーベルシュタイン役の貴水は「今回の舞台でも思いきり冷徹に頑張らせていただきたいと思います」、同じく『銀河帝国』の“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラム役の間宮は「ラインハルト同様若さを武器に精一杯頑張りたい」とコメント。
『自由惑星同盟』に所属するオリビエ・ポプラン役の中川は、「3度目の出演になるけど、ポプランは女好きで酒好きで、とにかくはじけている人間。そのはじけっぷりを舞台でも発揮していきたい」と意気込んだ。
演出の西田氏は4人のキャストを見つめながら、「すべての主人公が一堂に会する作品でもあるので、『銀河英雄伝説』を観たことない方でも楽しめると思う。ご覧いただいた皆さんにとっては、一番待っていた公演になるんじゃないかなと思います」と、同舞台をアピール。
報道陣から初めて原作を読んだときの感想、およびそれぞれ自身の役どころについて質問が飛び、間宮は「最初に読んだのが、ちょうどこの内乱の物語のところだった。一人の読者として読んで、(部下の)キルヒアイスが亡くなるときに泣きました」と返答。
オーベルシュタインを演じるのは3度目となる貴水だが、「普段おちゃらけた性格なので、最初はなぜこの役が僕に来たのだろうかという思いだった」と、初めて演じたときのことを振り返り、「オーベルシュタインは冷徹として知られているけど、その裏にある狂人的な精神力、信念を持っているキャラを参考にさせてもらったので、そこを強く打ち出していければ。自分のできる限りのすべての力を持って冷徹に演じたい」と、役に徹することを宣言した。
河村が「ヤン・ウェンリーは戦争の天才ではあるけど、政治に関わることを嫌っているので、後手後手に回っている。ヤン・ウェンリーの心の中にある恋心が少し見せられたらいい。僕個人としては『おまえ本当に奥手だな』と突っ込みたくなる一面がある」とこぼすと、ファンから笑い声が。
中川は昨年上演された『銀河英雄伝説 撃墜王』で主演を務めており、「仲間を失っていく中で絶望する男ポプランを演じました。その中で這い上がって、希望を見出していくところに情を持った」と、思いを込める。
衣装を着てみての感想については、河村は「もの凄い軽いんですよ、この衣装。普段も着たいぐらい」と、いたく気に入ったよう。だが、マント姿の間宮は、「中川さんに『なんか歩いてると偉そうだな｣と言われた。本番はマントさばきどうしようかな」と、戸惑い気味。そんな間宮に河村が「ひるがえすときにバサッと口で言えばいいんだよ」とアドバイスし、「この3人(河村、貴水、中川)は王子キャラと言われてきたけど、もう大人になったので、王子様キャラを君に譲る」と、新王子として指名した。
「自身に名前をつけるなら何王？」という問いかけには、“撃墜王”ポプランを演じる中川が「僕はとにかく健康のために食べるので、健康王かな」と返し、河村は「僕は花粉症王。この時期はスギが厳しいので、夜はマスクつけて寝てます。スギってバンドのSUGIZOのことじゃないですよ」と、ダジャレをかます場面も。
90年代半ばからそれぞれ『LUNA SEA』、『access』として日本のミュージックシーンを盛り上げてきた河村、貴水だが、同じステージに立つのは初めて。貴水が「河村君とは音楽の世界では一緒になることなかったけど、舞台で初めて一緒にやらせてもらえるので、楽しみ」と、初共演に胸を躍らせると、河村も「同じ時期にニアミスしているとは思うけど、貴水さんとは初めて。敵役なんだけど、戦略を練るヤン、オーベルシュタインという両側で(三国志の)諸葛孔明的な役割を果たしてるので、凄くポジションが近いんじゃないかなと思う」と、呼応した。
ここで貴水が「でも、ゴルフの対決では河村君に負けてます」とポロッとこぼし、中川は「僕たちが歌わない舞台ってどうなんですかね？ 本当なら最高のハーモニーですよね」と、ミュージシャンとしての得意技を使えないことにもどかしさを感じていることを吐露。河村は「前回出させていただいたとき、『なんで歌わないの？』という声があった。今回アドリブも楽しみにしています」と、ニヤリと笑ってみせた。
なお、前作に続き、『Kis-My-Ft2』の横尾渉(26)、二階堂高嗣(22)も出演。河村は2人について、「凄くしっかりしている。存在感が大きいというか、ご一緒することが楽しみ」とコメントした。
MCはニッポン放送の吉田尚記アナウンサー(37)が務め、制作発表は進行。2日の『ベルセルク 黄金時代篇Ⅲ 降臨』舞台挨拶では、右手にギプスをはめた痛々しい姿だったが、この日もその姿で登場した。右手親指の舟状骨にヒビが入り、全治1ヶ月半と診断され、「痛くないし、こうしているしかない」と、現在は回復に向かっているようだ。
3月31日～4月13日、東京・青山劇場で上演。
