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芥川賞は史上最年長の黒田夏子さん受賞!直木賞には戦後最年少の朝井リョウと「等伯」安部龍太郎さん

 第148回芥川、直木賞選考会が16日、東京・築地の料亭『新喜楽』で開かれ、芥川賞は黒田夏子さん(75)の『abさんご』(『早稲田文学』5号)、直木賞は朝井リョウさん(23)の『何者』(新潮社)と、安部龍太郎さん(57)の『等伯』(日本経済新聞出版社)に決まった。

 黒田さんは芥川賞を最年長で受賞。昨年『abさんご』で早稲田文学新人賞を受賞しデビューしていた。受賞作は全文横書きの独特のスタイル。固有名詞とカタカナを排し、ひらがなを多く使った独特の言葉づかいで、昭和の核家族を浮かび上がらせた。

 17日付のデイリースポーツ、東京中日スポーツ、日刊スポーツ、スポーツ報知、スポーツニッポン、サンケイスポーツ、黒田さんは、「例外的な年齢で候補となり、他にもたくさんある隠れた作品を見つけるきっかけになるならばと、喜んでお受けすることにしました。生きているうちに見つけてくださり、ありがとうございました。長い間この賞は、若い方のものだと思っていました。若い頃は意識したかもしれないけれど、途中何十年、自分とは無関係だと思っていたので、うれしいのが半分、思いがけないのが半分でした」と、感想を語った。

 一方の朝井さんは2009年に『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞。戦後最年少での直木賞受賞となり、受賞作『何者』は、就職活動の荒波と向き合う大学生たちの人間模様を描いた青春小説となっており、「会社員でもあり作家でもある、どちらも本当の自分と言えるように頑張りたい。明日も会社に行きます。人生の夢は本を出すことだったが、これからの夢は書き続けていくことです」と語ったという。

 さらに、安部さんは、安土桃山時代に腕を振るった絵師・谷川等伯の生涯を人間味あふれる姿で描き受賞となったが、「前半生の史料がほとんどなく、絵と対話して理解していく作業の連続だった。前回候補から19年たち、もう対象外だと思っていたので、良いものを書いて喜んでもらうことを目標にしてきた。小説を通し自分を確立し、世の中を変えていく遠い遠い理想が僕にはある」と、コメントを寄せた。

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