女優・加賀まりこ(68)が5日、都内で行われた舞台『阿修羅のごとく』製作発表に俳優・林隆三(69)、女優・浅野温子(51)、荻野目慶子(48)、高岡早紀(39)、奥菜恵(33)、演出の松本祐子、企画協力の向田和子とともに出席した。
向田邦子原作のドラマが1979年、NHKで放送されて以降、小説、映画、舞台でも人気を博した『阿修羅のごとく』。夫婦間や四姉妹の確執、それぞれの夫や男性に対する内に秘めた嫉妬などを辛らつに描き、人気を博した『阿修羅のごとく』。この度、浅野、荻野目、高岡、奥菜の四姉妹、林・加賀の夫婦で、2013年初春に上演を迎えるが、早くも会見で、林と加賀は夫婦さながらの掛け合いを見せた。
四姉妹の父・竹沢恒太郎役の林が、隣の加賀を見つめ、「阿修羅の血を吸って勉強させていただきたい」と語ると、場内から笑いが発生。四姉妹の母・竹沢ふじ役の加賀は、「私は向田邦子さんの連続ドラマを3本やらせていただいたけど、どの作品も数字が獲れなかったんです。今度ばかりはぜひ当てたいと思います」と意気込み、自身のもとに早くもチケットの申し込みの電話が鳴っていることを明かした。
実生活では、三兄弟という林が、「この年になるまでほとんど女性のことはわからず生きてしまいました」とジョークをかますと、隣の加賀が「嘘おっしゃい!」とばかりに林の肩を叩き、突っ込む場面も。さらに林は、「愛妻の加賀まりことは何度も夫婦をやっておりますので、ふじさんに甘えて、いろいろ教えていただきたい」と加賀任せの姿勢を貫く。
これに加賀は、「本当に手数のかかる人なんです。だから皆さん気をつけてください」と林をたしなめ、場内が明るい雰囲気に。そして、「奥菜さんに年齢を聞いたら、30いくつだと言っていたので、みなさんそれぞれにちゃんと修羅を抱えているなというのが印象。これは絶対成功すると安心しています」と、舞台の成功を確信しているようだ。
会見で、浅野が「キャスティングが(役者のイメージと)全然違う」と発言していたことを受け、林が「昔、ある演出家に『役者と実の君とギャップがあるほうが面白いんだよ』と言われました。だから、この芝居はきっと面白いと思う」というエピソードを披露。
加賀も「私ももの凄くギャップありますよ」と共感し、「私の知る限り、当時の旦那さんは浮気していない人なんていなかった。私はあそこまで懐深くできるかといったら無理だけど、精神的には五女のつもりで甘えてやろうと思っています」と、不敵に笑った。
向田邦子の実妹で、企画協力を務めた和子は、題字も担当しており、「私の字も捨てたもんじゃないと思ったけど、よく見たら間が抜けていて、父が『お前の字は一つ一つはいいけど、全体を見たら間が抜けている』と中学校のときに言われたことを思い出しました」と、苦笑いしながらコメント。
演出の松本は、「『阿修羅のごとく』というタイトルにぴったりな素晴らしく美しく、華やかで、匂い立つ女性陣が集まってくれたことに感動しておりますし、武者震いもおきています」と胸を躍らせていた。
東京公演は2013年1月11日~29日までル テアトル銀座by PARCO、大阪公演は1月31日~2月3日まで森ノ宮ピロティホール、名古屋公演は2月9日~10日まで名鉄ホールで上演。