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【インタビュー】結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める

結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
「初挑戦な歌い方をした」と結城アイラ

 今クール放送されている人気アニメ『境界線上のホライゾンⅡ』(MBS、TOKYO MX)のシリアスエンディング『悲しみは誰の願いでもない』を歌う、歌手・結城アイラ。8月8日にシングルリリースを控え、その曲に込めた思いなどを尋ねた。

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「実はこの曲は制作チームがヒーヒー言いながら、リアレンジを10回以上やっているんです」と、自身も初体験のことを驚きながら振り返った新曲の『悲しみは誰の願いでもない』。

 その新曲の印象はそのたびに代わったという。
「最初に曲を頂いた時には、今のFIXされたアレンジと違ってバンド音のみでした。ですので、サビもキャッチーで私の中では新しかったので楽しく歌える感じかなと思っていたんです。でも、『境界線上のホライゾン』のシリアスエンディングと聞いていたので、大丈夫かなと不思議に思っていたんです」と、ドラマのストーリーと曲調のギャップに一抹の不安を抱いていた。
そしたら、最初に聞いた時、キー合わせのとき、レコーディングのときと、全てアレンジが変わっていった。最終的に、いまのアレンジでFIXになったが、「『境界線上のホライゾン』という作品なので、世界観が合っているのは(今の)電子音かなと自分の中で納得できた部分があったので、アレンジが変わったことで歌い入れも熱くなったかなって思います」

結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める

 とくに曲の中で共感したのが、2番の歌詞にある「苦しいよ誰のせいだろう誰じゃない自分の弱さ」という部分だという。
「アニメソングは作品ありきで、世界観とか歌詞の部分が大切と心がけているんですけど、それを踏まえた上で、ちょっとした自分の気持ちをどこに乗せようかと考えたときにその部分になりました。分かるよって思って!生活していて『もうやだなぁ、誰かのせいだ』って思うことも日常で多々あったりしたんです。でも、それは解決にならなくて、誰かのせいにしても苦しさが抜けなくて、自分の弱さだよって気づけると気持ちが楽になることが多かったので、ドキッとしたんです。自問自答しながら、叫んでいる中で希望に向かっている感じでした」

結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
2番の歌詞に共感しました

 「ドキッ」とした部分とは、過去の自分の経験がある。
「昔の私は、いつも苦しいことを人のせいにしていたりというのが多かったんですけど、いろんなことにこうなのかなと道を見出すことができてから、自分の弱さが原因なんだよというのに気付かされたりしたので、この曲をもらった時に共感できたんじゃないかなと思いました」

 そんな「苦しい」「悲しい」という切ない歌詞も入る曲だが、歌い方は、逆にパワフルになっている。これには結城の挑戦があった。
「最初は切ない要素とか抑えめにしたりして歌ったんですが、全編を通して聞くと何も伝わるものがなくて、どうしたらいいんだろうと思ったんです。そんな時、叫んでみて『これだ!』って発見があって、お話も戦いが多くなってくる回なので緊迫感を持って行ったらなじみましたね」

 6月27日に発売されたアニメ映画『宇宙戦艦ヤマト2199 第一章 遥かなる旅立ち』のエンディング曲『星が永遠を照らしてる』では、地球の希望を一身に背負って旅立つヤマトを見送る“真っ赤なスカーフ”の少女の思いを、声を押し殺して、切なくなるぐらいに気持ちを込めて歌った。今回は、その真逆に感情を前面に出して、「苦しさ」「悲しさ」を魂の叫びで訴えている。
「これまで、切ないメロディーだったり、優しく歌うという曲が多かったのですが、最初から最後までシャウトするというのはなかったので、すごく挑戦だった気がします。音域も高く、自分で聴いてて苦手な分野の声を使ってます」

 その理由は自分の声質にあるという。
「半音下げると、AメロとかBメロが暗くなっちゃうんです。私の声質ってちょっとフラット気味で、すぐ切ない感じに聴こえやすいんです。そうすると、希望が持てない歌になるというか、切ないだけの歌になるなと思って。普段の倍ぐらいは歌いました(笑い)。声がかれる手前ぐらいまで歌いましたね。この曲は終わった時に、『はぁ~』と脱力感がありました」

結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
苦手な分野の声にも挑戦

 そうしてこだわり抜いて作られた曲は6月24日開催された『境界線上のホライゾン 武蔵アリアダスト教導院学園祭』でファンを前にお披露目され初めて聴いたファンもサイリウムを振るなど手応えもあるものとなった。
「いい意味で緊張感があって、1回歌っただけで倒れそうな感じのアドレナリンが出ていたんです。舞台袖では脱力してましたね。サイリウムとかも振りやすい曲なので、これからもイベントで推し曲というか歌って行きたい曲にしていきたいですね。原作者の川上(稔)さんにも合ってるよって言われたので感無量です」

 8日の曲のリリースに合わせ8月3日には『nonstop アニソントレイン 祭 2012 in 大阪』、翌4日には『オトメイトパーティ2012』、30日に『MUSIC ENERGY 2012』と8月のライブイベントを駆け抜ける結城だが、「みんなで楽しみたい。聞いてもらうというよりも、一緒に歌おうよくらいの気持ちです」という心構えという。

 ライブへのそんな気持ちになったのはアニメソングを歌い始めたことがきっかけだった。
「アニメソングに出会う前は、自作の曲と詩でピアノの弾き語りとかアコースティックライブをしていたんです。ただ、周りにお客さんはいるんですけど『私は1人で歌ってる』という気分で、楽しもうというよりも私の世界を聴いてという感じだったんです。アニメソングに出会ってから、アニメを制作する上でも、ホライゾンの曲でもそうですが、みんなでリアレンジしながら作っていて、『私は今まで1人で歌っていた』というのが大間違いだなと気づくことができました。
 私は1人と思っている時は何をしていいか分からなかったんです。逆にこうしなきゃいけないのかなとか考えすぎて小さくまとまっちゃってるような気がしたんです。変わってからはやりたいと思うことはやろうと思いますし、『できないことは巻き込んじゃえ』という気持ちになりましたね。それが、本来の私なので、アニメソングと出会えたことは大きかったです!」

結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
「一緒に歌おうよ」と楽しみたい

 それから歌に対する思いとか、ライブに対する思いがガラっと変わって、ある意味、肩ひじ張らずに自然体で歌える分、楽しんでうたえるようになったという。
「『本当に1人じゃないんだよ』ということをアニメソングに教えられたので、ライブもみんなで作っていけるようなものにしたいなと素直に思ったんです。みんなと触れ合うことでこんなに変わるんだと自分でもびっくりするくらい考え方が変わりました。もしかしたら、それは必要な通り道だったんだなと思います。

 一気に胸の内を明かした結城は、「超マジメな話をしちゃって恥ずかしいです」とはにかむ。そして、「何年後かに自分の曲を出すことになったら、今までとは違うものになると思いますね」というが、直近では詳細は未定ながら11月にアルバムをリリースするといい、さらなる世界観の広がりを見せていってくれるに違いない。

 ■『Perfect Summer』
 2012年8月22日(水)morph-tokyo
 18:00開場 18:30開演
 http://www.morph-tokyo.com/live_schedule/2012-08/22.html

 ■『MUSIC ENERGY 2012』
 2012年8月30日(木)新国立劇場 中劇場
 18:15開場19:00開演
 Kalafina/南里侑香/宇浦冴香/結城アイラ/小川真奈/サントス・アンナ/織田かおり/春奈るな
http://spacecraft.co.jp/music_energy_2012/

 ■AMW『電撃20年祭』
 2012年10月21日(日)
 幕張メッセ・イベントホール
 http://dengeki-live.com/artists

 

結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める


結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
アニソンを歌って楽しさが分かった
結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
10回以上リアレンジしているんです


結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
結城アイラ


結城アイラ「境界線上のホライゾンⅡ」ED曲への思い…初挑戦の叫び込める
『悲しみは誰の願いでもない』
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