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【インタビュー前編】春奈るな、「Fate/Zero」ED曲に「このアニメの曲を歌えて幸せ」

【インタビュー前編】春奈るな、「Fate/Zero」ED曲に「このアニメの曲を歌えて幸せ」
春奈るな「空は高く風は歌う」メイン

 5月2日に発売されたデビューシングル『空は高く風は歌う』(SME Records)が、「オリコンデイリーチャート9位。同ウィークリーチャートでも初登場13位を記録。また、同シングルは、TVアニメ『Fate/Zero』(TOKYO MX・MBS系)2ndシーズンのエンディグテーマにも抜擢され、5月8日付けのレコチョクアニメフルでは、ウィークリー1位を記録するなど、好調なスタートを切った歌手の春奈るな(20)。

 見た目はアイドル的ルックスとお人形のようで「守ってあげたい」と思わせるが、ひとたびマイクを握れば、新人離れした堂々とした歌い方とパワフルな歌声には「強さ」があり、聴く人の心を魅了する。そんな彼女の素顔に迫るインタビューを行った

  まず、デビューシングルが、オリコンとレコチョクのチャートで好成績に輝いた現在の率直な感想からインタビューはスタート。
「信じられないぐらいなんですけど、いきなりこういう評価をいただけたというのは誇りに思いますね。プレッシャーよりも誇りに思います!『やったー!』って感じでしたね」

  無邪気に喜びを爆発させる春奈るなは、幼少の頃から歌うこととアニメが大好きで、中学3年生の時にオーディションに応募。そのオーディションでwebラジオ『レンタルマギカ』メインテーマの担当に抜擢される。2010年に行われた『第4回全日本アニソングランプリ』のファイナリストとして注目を集め、2011年より本格的に歌手活動を開始した。

  それだけに、デビュー曲がアニメのエンディングテーマで、作詞・作曲したのが、KalafinaやFictionJunctionをプロデュースし、“情景を音にする魔術師”ともいわれるヒットメーカー・梶浦由記が担当。それだけに緊張や葛藤などはあったと思う。
「すごく梶浦さんの歌は歌ってみたかったんです。けれど、若干のプレッシャーはありましたね。この世界観は絶対に大事にしなきゃいけないと思って、自分なりにイメージとかたくさんしました。怖いというのはなかったですが、『Fate/Zero』の世界観に入り込めるかなという不安はありました。最初は『Fate』シリーズは大作だというくらいしか知らなかったんです。DVDを頂いてどんどん見ていくうちに、このアニメの曲を歌えるってすごい幸せだなと感じて、愛情も生まれてきたことを実感しましたね」

  歌っていくうちに楽しくなってきたそうで、プレッシャーや重圧とは全く無縁。むしろ、それをパワーに変え、楽しめるタイプなのだろう。というのも、彼女の幼い頃からの夢が「歌うこと」だからだ。それでも、実際に歌ってみて、思い描いていたものと違いはないのだろうか。
「嬉しいです。自分の曲がテレビで流れて、新鮮で不思議な感覚でした。『Fate/Zero』では最後には1つの陣営しか生き残らないので、それを思って歌いました。世界観を壊さないで歌えるかなという気持ちはありましたね。ファンの気持ちがわかるので、曲に対しての思いというのが分かるんですよ。正直な気持ちが分かるので、そこを大切にしました」

  春奈るなが、「歌の世界観」を意識するのは、『空は高く風は歌う』がアニメのエンディングだからではない。カップリングの『I WANNA 電磁的 DO』や『LOVE TEARS』でも同じアプローチをしていく。
「『I WANNA 電磁的 DO』の歌詞って3次元から2次元に行くという歌詞になっていて、夢見ることの大切さっていうか、いまは叶うかどうかわからないけど、進む、という素晴らしさが凝縮されている。歌詞を頂いたときに泣いてしまうくらい自分とシンクロする内容でした。『LOVE TEARS』の方は、季節は冬で、失恋を思い浮かべながら歌ってました。速い曲なのではき出しやすいというか。『LOVE TEARS』の部分に思いを込めています。(これまで聴いてきた音楽のジャンルは)大体アニソンか、ヴィジュアル系とかが好きでした。昔は浜崎あゆみさんとかJ-POPも聴いてました。これからは、激しい曲調も好きなのでロックとかに挑戦してみたいです。そういう曲で感情表現してみたいです」

  5月5日に行ったラゾーナ川崎でのデビューイベントには800人のファンが駆けつけた。野外で多くのファンを前に歌唱したり、サイン会にも臨んだが、その感想は。
「歌うときに関して、いつもと違って気持ちよく歌えて、聞いてくれている人がいるというだけで、伝えたいという気持ちが強くなってきて、いつもと違う声が出たり、想像とかもしやすくなるし楽しくなりました。以前と比べて想像が濃くなりましたね。歌ってても前と違うなというのがあって、歌ってる時ともレコーディングしている時とも、見える世界というか、世界観が変わってきて、ひとりでに感動している時があるんです。握手して触れ合ってお話をするのが楽しくて、来て下さった方もアニメの話をしてくれて、そこで盛り上がって、人との触れ合いってこんなに楽しいんだって感じました」

 曲に対して想像力を働かせ、正確に思いを捉え、時には涙し、それを歌としているという春奈るな。その想像力のルーツは、実は“妄想力”にあるという。(後編に続く)

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