アメリカンフットボール日本選手権・第77回ライスボウルが3日、東京ドームで行われ、富士通フロンティアーズがパナソニック インパルスに16-10で接戦を制し、3年連続8度目の日本一に輝いた。
両チームの対戦は社会人のみで争われるようになった2022年から3年連続で同じ顔触れとなり、富士通が2連勝しているが、24-18(22年)、29-21(23年)と僅差名だけに、今回も接戦が予想された。
最初にペースを握ったのが富士通。最初のシリーズで連続ファーストダウンから最後は、ゴール前5ヤードからRBニクソン選手(#2)が飛び込んでタッチダウン。7-0と先制。続くパナソニックのシリーズでは、ゴール前まで攻め込まれるもDBブロンソン選手(#7)がQBサックするなど、ディフェンスが活躍。攻守がかみ合い、最高の滑り出しもすんなりいかないのがパナソニック戦であり、ライスボウルの決勝。
第2Qに7-7の同点に追いつかれるも、前半終了間際のFGをK納所選手(#5)が決めて、10−7と富士通の3点リードで前半を終えるも、第3Qに逆にパナソニックにFGを決められ再び10-10の同点と、シーソーム。
勝負の第4Qに突入。ここで開始早々の0分53秒にスペシャル中のスペシャルプレイが飛び出す。サードダウン残り6ヤード。QB高木選手(#18)からボールを受けたWRサマジー選手(#4)がタックルに来るディフェンスを引き付けて、エンドゾーン右奥へと走るWR木村選手(#11)へタッチダウンパス。ドンピシャのタイミングで木村選手がキャッチした。
しかし、そのあとのキックをブロックされ、16-10と富士通リードながらもワンポゼッションで逆転される点差。残り14分。守れるのか逆転されるのか最後までわからない手に汗握る展開。
しかも、キックをブロックされた直後、パナソニックはロングパスを成功させるなど、あっという間にゴール前7ヤードまで攻められる。残り9分36秒。FGで3点取って3点差とプレッシャーをかけるのかと思ったが、パナソニックは、FGではなくフォースダウンギャンブルを選択。これを富士通は防ぐ。
さらに、残り1分03秒。パナソニックの攻撃。今度は富士通の自陣37ヤード地点にボールセット。フォースダウン5。ここは最後の望みをかけて、このクォーター2度目のフォースダウンギャンブル。これが成功すれば試合の行方はまだまだ分からないところだったが、気持ちが流行ったのか、パナソニック側にフォルススタートの反則。5ヤードのパッタイとなり、フォースダウン10と局面が変わる。
そして、ディフェンス陣が開いてQBに鋭い出足でプレッシャーをかけ、パス インコンプリートとし、勝負あり。タイムアウトが残っていないパナソニックは時間を止められず、富士通がウイニングフォーメーションを組んで試合終了!勝利のホイッスルが鳴った。
なお、大会最優秀選手(MVP)には、レシーブで3回捕球52ヤードに加えて、決勝のタッチダウンパスを投じた富士通のWRグラントが選ばれた。
●山本洋ヘッドコーチ
「強いチーム相手に、数少ないチャンスをしっかりものにして勝つことができました。(決勝のスペシャルなTDについて)勝ち越しの得点はしっかり準備してきたことが結果につながったと思います。決めてくれた選手をたたえたいです」と話した。
3連覇を成し遂げたチームの今後については「毎年新しい選手が入ってくるし、チームを作り直していくことは変わりない。また1からチーム作りをスタートさせて来年も日本一を目指したい」と、“勝って兜の尾をしめる”ようになコメント。
●3連覇を果たしたキャプテン趙翔来選手
「年始からいろいろと大変な思いをしている人がたくさんいる中で、アメリカンフットボールで勇気と感動を与えられればと思っていた。いい試合ができたのではないかと思う」と1日に起こった能登半島地震の被災者や羽田空港での航空機事故に遭遇した人々のことを念頭に語った。
試合を振り返って「厳しい試合になることは分かっていたが、みんなが最高の準備をしてきた結果を発揮できた。これからも自分たちのプレーで元気を与えられるように頑張っていきたい」と話した。
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