公益財団法人日本サッカー協会会長、Jリーグ初代チェアマン、公益財団法人日本バスケットボール協会会長などを歴任し、現在は日本サッカー協会相談役で、日本トップリーグ機構会長を務める川淵三郎氏の「文化勲章受章を祝う会」が11月30日に東京・国立競技場で開催された。
会場となる国立競技場は、川淵氏がJリーグの初代チェアマンとして「Jリーグは、今日ここに大きな夢の実現に向かってその第一歩を踏み出します」と開会宣言を行った思い出の場所。日本サッカー協会の名誉総裁の高円宮妃久子さま、森喜朗元総理、麻生太郎元総理、盛山正仁文部科学大臣、遠藤利明日本スポーツ協会会長が祝辞を述べ、河野太郎デジタル大臣、室伏広治スポーツ庁長官も祝福のため登壇した。会場には橋本聖子日本オリンピック委員会副会長、岡田武史元サッカー日本代表監督、三屋裕子日本オリンピック委員会副会長など424人が参加した。川淵氏が「キャプテン」と呼ばれることを好んだことから会場では「キャプテン」の言葉が飛び交った。
高円宮妃久子さまから川淵キャプテンに花束が贈呈された。キャプテンは御礼のあいさつで、多くの人が地域社会に貢献しボランティア活動をしたことが受賞につながったとし、「そうした活動がなければ、私が受賞することなどあり得なかったと思います。多くの人たちに心より感謝を申し上げたいと思います」と感謝の気持ちを表したあと、「スポーツ文化の発展のために尽力していきます」と決意を言葉にした。
その後、「大変恐縮ではありますけれども、私の妻に感謝の気持ちを伝えたいと思いますので皆さん。お許しください。この20年、我が家の勢力関係は完全に逆転しておりまして、今、康子さん、康子ちゃん、時にはお母さんと呼び捨てには決してしておりません。どうか康子さん、ここへおいでください。康子さん。61年間、献身的に僕を支えてくれて・・・」と言葉に詰まり涙。声を震わせて「ありがとうございます」と感謝した。
更に、夫人に向かい「最後に一つだけお願いがあります。僕よりも1日でも長く生きていてほしいと、それだけを約束してほしいと思います。よろしくお願いいたします。感謝の気持ちを込めてハグをさせてください。皆さんどうもありがとうございました」と若干ぎこちないも強くハグをした。会場は暖かな笑顔と拍手に包まれ、短時間ながらも参加者の心に残る「祝う会」になった。
東京・国立競技場で開催された川淵三郎氏の「文化勲章受章を祝う会」での記念撮影。左から室伏広治スポーツ庁長官、遠藤利明日本スポーツ協会会長、麻生太郎元総理、日本サッカー協会の名誉総裁の高円宮妃久子さま、川淵三郎、康子夫人、森喜朗元総理、盛山正仁文部科学大臣、河野太郎デジタル大臣