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書道家・武田双雲、硯、筆、墨は、2000年前から製法が変わってない!ずっと変わらない価値は「湧」

書道家・武田双雲、硯、筆、墨は、2000年前から製法が変わってない!ずっと変わらない価値は「湧」
「ずっと変わらない価値」は「湧」と武田双雲

 書道家の武田双雲先生(40)が8日、東京・二子玉川の蔦屋家電にて行われた、日本の伝統工芸品にスポットを当てたテレビ番組『セキスイハイム presents アーツ&クラフツ商會』(BS朝日、毎週月曜日午後11時~)の出張店スペシャルトークショーに登場した。

 同番組は、毎回ひとつの伝統工芸を取り上げ、その歴史や受け継がれる匠の技を紹介。さらに、その技を活かし、現代の暮らしを豊かに彩る番組独自の新アイテム“ニュー・クラフト”を提案するというもの。

 そこで、武田先生に、「世代を超えても続いていく価値」や「伝統工芸にまつわる話」などについて、トークショーを行った。観覧者は50人以上で立ち見もでるほどの大盛況。

 武田先生は、サラリーマンを経験した後、母・武田双葉の書道教室で学び、その後ストリート書家として、路傍で道行く人の希望で即興で書くスタイルを披露。その後、NHKの大河ドラマ「天地人」の題字、スーパーコンピューター「京」のロゴ、サントリービールの「~ザ・プレミアム・モルツ~マスターズドリーム」の「夢」の字などデザイン書の分野で注目される。

書道家・武田双雲、硯、筆、墨は、2000年前から製法が変わってない!ずっと変わらない価値は「湧」

 武田先生曰く、書道には欠かすことのできない筆・墨・硯・紙について、「スマホが3ヶ月でアップデートされるこの時代に、硯、筆、墨は、2000年ぐらい製法が変わってない。何で変わってないか?変わってないんじゃなくて、みんな(変えようと)チャレンジしてズッコケたんです」と、わかり易い言葉を使い、笑わせながら説明していく。

書道家・武田双雲、硯、筆、墨は、2000年前から製法が変わってない!ずっと変わらない価値は「湧」
伝統工芸の凄さをわかりやすく話す双雲先生

 これは傘も同じで、約4000年前から使われだしたが、基本的にあの形は変わっていない(折り畳など多少の進化はあるが)。あの形で完成してしまっているため、超えられないのだとか。

 そして、紙=料紙(※1)も1000年ほど前の平安時代に作られたという。「平安時代にデザイナーがいたんです。すごい感覚を持った奴というのは、いつの時代もいるもんです。平安の貴族女子がすごいのは、男をゲットするために、世界最強の美しさと言われる平安仮名を生んだこと。平安の貴族女子は(人前で)顔を見せられなかった。いい男口説くときに文字でしか打ち明けられなかった。きれいな文字で口説く。漢字で書いた時には、とうしてもゴツくなる。そうじゃない。そこは儚く見せたい(乙女心)。全て男を口説くためです」と、ぐいぐいとワールドに引き込んでいく。

 ※1「料紙」とは、わが国平安時代に創始された美術和紙工芸のことで、和紙をいろいろな色に染め、ぼかしを施したり、版木で文様を刷り込んだり、金銀の箔で装飾したりして一枚の美術工芸紙として仕上げたもの

 続いて武田先生は、数千年にわたって受け継がれてきた伝統工芸品がどれだけすごいかということを話し始めた。

「墨を摩るということは、墨の粒子を細かくしている。いい硯にいい墨で摩ればなんともいい香りがするんです。色も墨白系でものすごく美しいんです。なぜ美しいか?墨の粒子が細かいからと言われていた。これは書道家としては常識なんです。墨は煤からできているカーボンなんですが、あるとき、最先端のカーボンナノテクノロジーの研究している人がうちにきて、『双雲さんの摩っている墨と比較させて下さい』と、言ってきた。その場で摩って持ち帰った。最高にちっちゃい墨の粒子まで作れる最先端のナノテクノロジーですよ。でも、それの10倍ぐらい職人の摩った墨のほうが細かったんですよ。最先端のナノテクノロジーで科学的にやるよりも、人為的に職人が作ったもののほうが、10倍繊細だった。それが2000年前にできちゃった」と、驚きの技術力を披露。

書道家・武田双雲、硯、筆、墨は、2000年前から製法が変わってない!ずっと変わらない価値は「湧」
職人が作る「墨」が最先端テクノロジーに勝った!

 職人や伝統について、「職人は“(その)本質”に気持ちよく乗っかれるかどうか。職人・アーティストは自分のこだわり、自分の技術と思うけど、本当にすぐれた職人さんは、本流に乗っかれる人。サーファーみたいなものです。書道も伝統だからちゃんとしなくちゃいけない!じゃなくて、本質を掴みながら、みんなに伝えていく道具があるので、幸せですよね。結局、書道道具は変わらないし、変えられない。あと1000年以内に革命児がでてきて、もっと気持いいのがでるかもしれないけど」と、期待感を。

 最後にイベントコンセプトの「ずっと変わらない価値」を問われると、「もう浮かんでいます」と、すぐに筆を走らせ、書で「湧」と表現。「いい書ができたなぁ。ヤフーオークションに出そうかなぁ」と自画自賛し、笑わせる。

 「僕はワクワクは湧く湧くだと思っているの。湧いてくるってすごく大事で、湧かないまま何かやっているのは辛いですよ。人のせいにしたら永遠につまらない。自分の中で、泉が湧く感覚を身につけたら、職人じゃないですけど、何千年も続くものは、何で続くかといえば、ワクワクしてるから続くんですよ。続けようとして、これは伝統文化だから守らなければいけないという時点ですでにアウトですよね。守るとか守らないじゃなくて、やりたくてしょうがない。1つ1つ湧く湧く(ワクワク)していくような生き方を選択したら、それが、ずっと続く価値にたまたまなっていくんじゃないかといま思ったんですね」と、コメントした。

 

書道家・武田双雲、硯、筆、墨は、2000年前から製法が変わってない!ずっと変わらない価値は「湧」


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独特のタッチで「書」を仕上げていく
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トークショー後に
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武田先生と一緒に「書く」。めったにない機会だ
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書道の文房四宝である硯、墨、筆、紙


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武田双雲先生が「硯界のフェラーリ」と絶賛する硯
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平安時代に完成した料紙
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筆は馬や羊など動物の毛
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「アーツ&クラフツ商會」出張展


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BS朝日で毎週月曜日の午後11時から放送中
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放送された“ニュー・クラフト”の展示も


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