昨年10月から1クールで放送されたオリジナルテレビアニメーション『天体（そら）のメソッド』（監督：迫井政行）プレミアムイベント夜の部が4月26日、東京・新宿文化センターで開かれ、古宮乃々香役・夏川椎菜、ノエル役・水瀬いのり、水坂柚季役・豊崎愛生、椎原こはる役・佳村はるか、戸川汐音役・小松未可子、水坂湊太役・石川界人が登場した。
上空に円盤が浮かび観光スポットとなっているという架空の町『霧弥湖町』が舞台。そこへ引っ越してきた中学3年生の少女・古宮乃々香と、年齢不詳の少女・ノエルを中心とした5人の少年少女の喜びや葛藤などの青春群像劇が描かれた。原案・脚本は『Kanon』で知られる脚本家・久弥直樹氏がアニメ『sola』以来、約7年ぶりのオリジナルとして手がけことでも話題となった作品だ。
開始5分前となると夏川＆水瀬の生影ナレーションからスタート。ノエルのキャラクターそのままに注意事項の携帯電話の効果音を入れるなど、本作ならではの雰囲気で場内の空気を温める。
そのまま夏川と水瀬の司会となりスタート。豊崎が柚季風に「円盤！賛成…」と、昨年9月の先行上映会（参照記事：http://japan-newslounge.com/archives/146967）での「円盤反対！」とは逆のシュプレヒコールをあげたり、小松が「みなさん『一体何しに戻ってきたの？』」と汐音のセリフで出迎えたりと、ファンの心をくすぐる演出が。
あらためて『天体のメソッド』という作品を振り返り、豊崎は「キャラクターがそれぞれ不器用さがあって、それが人間らしかったと思います。相手に対して気持ちをストレートにぶつけていくこととか、大人になると忘れてしまうことを教えてくれた。いろんなことを気づかせてくれた」と、キャラクターの感情面のことを語ると、石川も、「中学生くらいの交友関係の葛藤はあの時代にしかない」としみじみ。しかし、石川は「最終話まで見てあらためて、ノエルは天使だなと思いました（笑）」と続け、会場からは笑いがおきていた。
続けて、夜の部ではキャストそれぞれへ自分が演じたキャラクターではなく、ほかのキャラクターの好きなセリフを挙げるコーナーへ。夏川は第7話で柚季が乃々香を励ますセリフをチョイス。豊崎が生で演技を披露し、「このセリフは乃々香の心を動かしてくれた」と、感激。当の豊崎は、「（夏川と）事務所が一緒なので会議室で一緒に練習していたんです。この回は葛藤が伝わってくるような回で、緊張はしているけど、一生懸命伝えなきゃという思いが感じられて、それがよかったです」と、後輩へ目を細めながらエールを送った。
ほかにも、佳村がひと息では言えないような汐音の長セリフを選び、小松がキッチリ演じ切って歓声を受けたり、小松が選んだノエルの「ただいま！」というセリフを水瀬が声に出すと、石川＆小松が「ごちそうさまです！」と、喜び具合を現すことも。水瀬は、そのセリフの収録時について、「オンエアを観たら、自分でも納得いく声が乗っていてよかったなと思っています」と、語った。
事前にファンからウェブサイト上で好きな「切ない名場面」シーンを投稿してもらいそれを発表するという企画では、流された映像に夏川は感極まりアフレコでも感情が入って涙したというエピソードを披露し、ついには会場で涙してしまうことも。水瀬も11話の際に、「家で練習した時は涙が止まらなくて、アフレコ収録時も涙しそうになって」と、劇中だけでなくキャストの涙も多かったという裏話が明かされた。
イベント後半はライブパートへ。まずは、『fhána』によるED曲『星屑のインターリュード』からパフォーマンスし、『ソライロピクチャー』『ホシノカケラ』『天体のメソッド～Quote from Stardust Interlude～』を披露。リーダー＆キーボード担当の佐藤純一からは、演奏とともにスクリーンに劇中映像が流れていたことに、「映像を観ながら演奏すると泣きそうになります」と、感じるものがあったそうで、「久弥さんの作品が大好きで、音楽を担当させて頂いて本当に嬉しく思っています」と、本作へ起用されたことに感謝。
続き登場した『Larval Stage Planning』も、イメージソングの『North method』、OP曲『Stargazer』を披露し、第1話をオンタイムで観ていた際に、ひまわり畑が見えた時の感動やその周囲の反響を話していた。
最後に水瀬は、「『天体のメソッド』という作品に参加できたことが本当に本当に嬉しいです。ノエルの声を当てられたこともそうですし、作品を大好きでいてくれるみなさんの前でノエルの声を担当している者としておしゃべりできるのも嬉しいです。かけがえのない作品に出会えたと思います。また会いましょう！」と呼びかけると、夏川は「何度観てもにっこり笑えるシーンがあったり切なくて泣けちゃうシーンがあったりと、発見がありました。いまは幸せな気持ちでいっぱいで“にっこり”しています。これからも古宮乃々香という役と『天体のメソッド』という作品を大切にしていきたいと思っています」と、思いの丈を語り、拍手喝采が沸き起こるなか終演を迎えていた。
