サッカー男子日本代表は16日、オーストラリアのブリスベン・スタジアムで、「AFCアジアカップ」グループDの2戦目。イラク代表と対戦し1-0と勝利し勝ち点6でトップに立った。
しかし、前回大会のベスト8が3チームも揃う(日本、イラク、ヨルダン)ハードなステージなだけに、最終戦のヨルダン戦も気が抜けない。
日本代表先発メンバーは、初戦と同じ。GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)、RSB酒井高徳(シュトゥットガルト/ドイツ)、CB森重真人(FC東京)、CB吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)、LSB長友佑都(インテル/イタリア)、RMF遠藤保仁(ガンバ大阪)、CMF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)、LMF香川真司(ドルトムント/ドイツ)、RWG本田圭佑(ミラン/イタリア)、CF岡崎慎司(マインツ/ドイツ)、LWG乾貴士(フランクフルト/ドイツ)で4-3-3の布陣。
イラクは前々回(07年)のアジアカップ王者で、過去の対戦成績は日本の4勝2分け3敗と互角。グループステージ最大の難敵と目されている。また、イラクはグループステージ最終戦に2敗のパレスチナ代表との対戦を残すだけに、日本代表としては、この試合で決勝トーナメント進出を決めたいところ。
日本は、開始早々から再三、イラクゴール前に攻めこむが、最後のところでフィニッシュまでいけない。
21分、遠藤選手のスルーパスに乾選手が左サイドペナルティーエリアで受ける。そこから、中央にグラウンダーのクロス。ゴール前に走りこんだ香川選手がシュート。しかし、GKハッサン選手に阻まれる。しかし、このこぼれ球を拾った本田がキープしたところを倒されてPK。22分、本田選手が落ち着いて決めてゴール1-0と先制。
後半15分ころまで、果敢に攻めこむイラクは日本ゴール前で再三チャンスを作るも、フィニッシュには至らない。
後半18分、乾貴士選手(フランクフルト/ドイツ)→清武弘嗣選手(ハノーファー96/ドイツ)、遠藤保仁選手(ガンバ大阪)→今野泰幸選手(ガンバ大阪)
長谷部選手の1ボランチから長谷部選手、今野選手のWボランチ気味で、香川がトップ下的にポジションを取ることが多くなる。すると、さっそく、停滞気味だった攻撃が活性化。後半20分、香川選手から清武にスルーパス。清武選手からファーサイドでフリーの本田選手へラストパスが通るも、本田のシュートはポストを叩く。この日はPKを決めたが、2度ポストを叩き、1度はクロスバーにあてるなど、3度も決定的チャンスを決めきれなかった。
試合は、このまま1-0で日本が勝利した。
アギーレ監督 「相手がしっかり守って攻撃に危険な選手を置いていたのであまり大きな展開がない試合になった。より早い時間帯に2点めを取っていれば、落ちついて試合でききたけど、簡単ではありません。(後半、2名選手を代えて、1ボランチからダブルボランチにシステムを変えた狙いは?)システムは変えてません。中盤の選手が頑張っていたので、リフレッシュしようと思って替えました。(次のヨルダン戦は)どの試合もそうですけど、勝ちを狙って勝ち点9に伸ばしたい」。
本田選手 「(2試合連続のPKゴールに)大事な時間帯だったので、先制点取れてよかった。サイド攻撃に対してまだまだいいプレイを出せたんじゃないかと思っています。満足できないですね。(ポストとクロスバーに合計3回当てたが)そうですね。あれを決めないと大事な試合には勝てないと思うので悔しいです。(コンディションは、)まだまだ、ちょっとずつ上がってきているので、コンディションに関しては手応え感じています。(途中から入った個品の選手と清武選手に関して、)今日はよかったんじゃないですかね。清武と今ちゃんのよさがでていたと思います。(ヨルダン戦は)しっかりプレイしたいと思います」
長谷部選手 「結果がでたことはよかった。ゲーム内容としては、もっともっとよくしていかないと。先制点取ってから少しペース落としてしまったかなと。気候の影響もありますが、2点目、3点目をしっかり取るというところでは(できなかったので)満足していないです。(先制点までは、)相手が引いてきたので、自分たちでしっかりとボールを回して、チャンスがあれば縦パスだったり、スイッチを入れるところができていたけれど、先制点を奪ってからはセーフティーにプレーしてしまって、スイッチが入らなかった。(後半はダブルボランチに変えた?)システムにはこだわっていませんが、相手が中盤の形を2オフェンシブに変えてきたので、少しダブルボランチのような形にはなったと思います。(2試合続けて無失点だが)ここまで(失点は)ゼロで来ているので、後ろはしっかりと守れていると思います。(ヨルダン戦は、)次もしっかりと勝って、決勝トーナメントに勢いをつけていきたいと思います」。
遠藤選手 「(代表通算150試合出場ですが、)みんなに支えてもらった結果うれしく思いますし、ありがたいです。(今日の試合は)暑さで苦しい場面もありましたけど、チーム全員で戦えたと思います。守備面でも安定して守れたので、今日の結果は妥当かな。(攻撃に関しては、)もう少し迫力あればいいけど、崩せた部分もありますし、クロスからのチャンスもあったと思うので、制度は上がっていると思います。(交代選手も含め、)全員が落ち着いてやれていたし、得点するチャンスあったので誰が出ても良いゲームができる手応えはつかんでいると思います。
(このチームの強みは)まだ、アギーレ監督になってあまり日が経っていませんが、これだけまとまったチームになっているのは全員のハードワークのおかげだし、W杯経験者が多いからだと思っています。(ヨルダン戦は、)ヨルダンもまだチャンスがありますし、厳しい戦いになると思いますが、勝って3連勝で(グループリーグ)1位通過を決めたいと思います」。