音楽プロデューサーの中田ヤスタカ（34）が10月28日、都内で開催中の『第27回東京国際映画祭（TIFF2014）』で行われた『アップルシード アルファ［字幕版］』（監督：荒牧伸志）舞台挨拶に登場した。出席者は荒牧伸志監督（54）、声優の小松由佳、諏訪部順一、悠木碧、高橋広樹。
士郎正宗による人気シリーズが新たにスクリーンに登場。劇場用3DCGアニメーションにより、リアルなキャラクターが新たに蘇った。メインテーマに中田ヤスタカのCAPSULEの『Depth』を起用し、日本版ではデュナン役に小松、ブリアレオス役に諏訪部、アイリス役に悠木、オルソン役に高橋のほか、ニュクス役に名塚佳織、タロス役に東地広樹、双角役に玄田哲章、マシューズ役に堀勝之祐がそれぞれ務める。
以下、舞台挨拶レポート。（声優の出演者のコメントと写真は後日公開）
○あいさつ
荒牧監督
今日はみなさんたくさんきていただいて感激しております。監督の荒牧です。
中田
中田ヤスタカです。メインテーマ作らせていただきました。僕、こういうメカがいっぱい出てくる映画大好物なので嬉しいです。
○今作について
荒牧監督
今回はですね、ルックも変わっているということを含め、すべてを一度リブートして新しいアップルシードのストーリーとしてやりたいなとうことから初めまして、ただいたずらにリアルにするっていうことではなくアップルシードの中の一番大事な要素である所のデュナンとブリアレオスというふたりのストーリーにフォーカスした話にしたいなという所から発想して。
一番フォーカスできるシチュエーションというと、原作でも一番最初のシチュエーションである戦争が終わった後の廃墟の中でのふたり。自分の心情的なトーンも含めてそこにフォーカスした話にしたいなというところから始まっています。彼らふたりの物語にするっていうことから、廃墟の手触り感とか、廃墟の中で生活してきたであろう彼らの質感であるとかをできるだけリアルに描くことが彼らの心情を伝えることになるんじゃないかなと。
今回、実はかなり反対もあったんですけど、私の独断というか強引な部分も含めて、今回こういうルックをさせていただきました。こういう感じで完成したことに対して改めてスタッフとキャストの皆さん含め感謝しています。
中田
めちゃめちゃ好きなんで単純に欲しいものがいっぱい出てくるので、映像の中に。いつになったら電気屋で発売してくれるのかだと楽しみなんですけど。
（感想は）本当にリアルで、重さが伝わってくるぐらいの感じだったので、僕も音楽も重厚感というか、出てくるメカと、すごいパワーで軽々しく動いている、そういうものにどうやったら音楽が合うかなと影響をすごくいただいて、いい曲がすぐ浮かんだので。すごくいい機会に恵まれて本当に良かったと思っています。楽しく作らさせていただきました。
○映像と音楽を融合させるということについて
中田
普段歌手の方たちをプロデュースする時とは全然違って、音楽だけを聞いてそこで完結するという作品ではないので。やっぱり映画があって、そこで音楽がかかった時にどういう演出として成り立つのかという作り方を、映画音楽の場合そう作るのでそういうところを心がけています。
○映像側からの音楽の使い方
荒牧監督
音楽っていうのはすごく重要な部分で、映画においては5割近くの印象が音楽によって変わってしまうという気がしてます。そういった意味で今回、中田さんはじめいろんな方に音楽を提供していただいて、しかも今回は、これまであった曲をただシーンに当てはめるということではなくて、10人以上のアーティストの方にそれぞれ新しい曲を作ってもらうことを試したので。
それはほぼ映像ができてからの作業なので、そこに僕もフォーカスを当てましてすごく楽しい作業になりました。それによって映像の印象がどんどん変わってゆくのが自分でも楽しめるというか、意外だということを含めて上がっている曲とのバランスだったり、いろんなアーティストさんのやり方が、こちらの期待と違うんだけど、それを超えるものだったりすることを含めて、すごく興味深い経験でした。
仕上がり感としても本当に自分が期待していなかったもの、それ以上のものになった気がしまして、最初はちょっといろいろボーカル曲が多いと思いました。それをどういう風に当てはめようとすごく悩んだりしたところもあったんですけど、すごくいい落とし所ができて作品とってもすごくありがたかったです。
日本版『アップルシード アルファ』2015年1月17日公開。
