俳優・杉浦太陽(33)と杉浦タカオ(31)兄弟が25日、都内で映画『ファーナス/訣別の朝』(監督・脚本:スコット・クーパー/配給:ポニーキャニオン)公開直前トークイベントに登場し、アットホームな雰囲気を見せた。
本作はペンシルベニアの鉄鋼しか産業のない田舎町が舞台。主人公ラッセル(クリスチャン・ベイル)はこの街に生まれ育ち年老いた父親の面倒を見ながら製鉄所で働いていた。イラク戦争で心の傷を受けて帰ってきた弟・ロドニーの身を案じていたが、ある日、ロドニーは借金をして競馬をしていることを知り、その貸主のペティ(ウィレム・デフォー)に話をつけにいく。その帰りの晩、ラッセルは不意な交通事故を起こすことに。数年後、刑務所から出てきたラッセルは、親が亡くなっていたり、恋人が町の警官と交際が始まった現実をつきつけられどん底の気分を味わう。そんななか、ロドニーが危険で非合法なファイトでお金を稼いでいるということを知るのだが……。どれだけ離れてもつながっている兄弟の絆などが描かれる作品となる。
これまでドラマなどでの共演はあったが初のイベント共演となり、太陽は、「素が出そうです。プライベートを覗き見されている気分」と、笑みを浮かべるとタカオも「こういう機会がないと一緒にしゃべる機会がない。同じ職業でよかった」と、しみじみ。作品には共感するところが多かったそうで、太陽は「弟の代わりに借金を返して、『弟に言うなよ!』というセリフとか。兄弟のような空気感が本当にすごかった」と、感想を交えて話すことに。
兄弟げんかをしたことはあるかという問いには、ほとんどなかったという2人。それでも2人が俳優になってから1度だけ大げんかがあったそうで、太陽は「お互い胸ぐらを掴むような『オラー!』みたいなのはありました」というが、殴り合いにならず、タカオから「取っ組み合いの後で、同じ家にその頃住んでいたので、玄関先に座り込んで、朝まで話し合っていた」というエピソードた明かされた。
さらに、タカオが実は太陽の後にウルトラマン作品出演へのオファーが来ていたことを太陽から暴露。太陽によると、「弟は音楽一本だったんで頑固のところがあった、ウルトラマンのオファー来たのに断って。兄弟でウルトラマンやれたのに。でも、『俺は役者なんてやらねえよ』と言った次の年に仮面ライダー(仮面ライダーディケイドの禍木慎役)になってた」と話し、それにタカオは大焦りで釈明する様子も。
話が家族間のことに向くと、交流も様子を明かし、太陽が「うちの妻(辻希美)の方が(タカオより)年下なので、年下のおねえちゃんという感じです」というとタカオもうなずきながら「(辻の愛称の)のんちゃんと呼んでます」とのこと。その仲の良さから、辻のプロデュースしているファッションブランド『Saruru(サルル)』のメンズモデルをタカオが務めているそうだ。
そんな形で絆を深めあってきた2人だけに、太陽からはお互いの関係について、「夫婦みたいやなって。これ言ったらこうなるかなとか、いま機嫌悪いなとか、これ言ったら喜ぶかなとか、のんに言ってたことと同じこと言ってる気がする」と、ブラコンな様子を伺わせることに。それにタカオも「俺とのんちゃんも似ています」とうなずくと、そこに報道陣が、「まるで“夫婦”じゃ」とツッコむと、さすがに太陽は「(辻と)夫婦はずっと夫婦でいたいです」と、返していた。
そしてお互いへの思いを語ることとなり、太陽からタカオへ、「31年間自分の1つの分身みたいなところがあって、自分が先に突張してきたので、弟に対して羨ましいなという部分があって、親には相談できないこともあったけど、弟も一番の親友のような感じで話せた。自分の人生の中で、弟がいなかったら今の僕はいない、生まれてきてくれてありがとう」と、感謝のメッセージを寄せると、タカオも「僕も最初の頃、東京でてきたときに友だちができなくて、兄貴がそばに居てくれて。今の自分があるのは兄貴のおかげやなと思うんです。いまでも、お芝居やったら、本当に全部観に来てくれるんです。全部感謝やなと思っています」と、こちらも思いの丈を明かしていた。
最後に太陽から「兄弟の空気感が熱い気持ちになるので、今の時代の新しい姿の映画化なと。心揺さぶられる映画ですので観てください!」とPRしていた本作は27日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー!