俳優・阿部寛（50）が20日、東京・丸の内ピカデリーで映画『柘榴坂の仇討（ざくろざかのあだうち）』（監督：若松節朗／配給：松竹）初日舞台あいさつに俳優・中井貴一（52）、日舞台あいさつを開き俳優・阿部寛（50）、藤竜也（73）、若手俳優集団『D-BOYS』の近江陽一郎（25）、女優・広末涼子（34）、アイドルグループ『AKB48』メンバーで女優・木﨑ゆりあ（18）、若松監督とともに登壇した。
作家・浅田次郎さん原作の短編時代劇小説を映画化。主人公・志村金吾（中井）は暗殺された井伊直弼（中村吉右衛門）を警護する武士だった。妻・セツ（広末）に支えられつつ主君の仇を探し求め十三年の歳月が流れ、明治になり仇討が禁止されてしまう。そんな中、暗殺者の中でただひとり生き残り、ひっそりと生活していた佐橋十兵衛（阿部）が見つかったという知らせが金吾の元に届く……。
本作へ阿部は、「こういう作品を待ち望んでいました」と、オファーが来た時に大喜びしたそうで、「日本の精神というか、昔持っていた武士の気持ちやマインド、それをこの映画は見事に描いている。人を描くということで、画面にヒシヒシと伝わる作品になりました。参加させていただいたことはすごく嬉しかった」と、感無量な様子。
すでに試写で観たそうだが、「心を打たれて自分の作品ながら目を腫らして試写室を出ました。なかなか自分の作品とかは欠点を考えてしまうことが多いんですけど、最後まで見終わって泣くことができました」と、自分をも感動させる作品だと熱弁を振るう。
すると、広末も「私も目を腫らして劇場を出ました。男同士の忠義や矜持を目の当たりにして、男性観、女性観みたいなものをつきつけられて、胸が熱くなりました」と話し、近江まで「試写室で大号泣しまして、本当にいい作品に出会えたなと思っています。人間としての心の何かが残った作品だと思っています」と、涙したことを告白するキャストが次々と現れていた。
作品へ印象的だったことについては、「女性の気持ちをハッキリ描いていて、そこは非常に心を打たれたし、自分のシーンではないですけど良いシーンだなと思いました」と、思いを口にした。
また、この日は中井と和気あいあいに話す阿部の姿が。作品は公開されてから劇場で観ているというスタンスの中井に作品の感想を求められた際は、「私の言いたいシーンがカットになっていることもあるので、先に阿部さんお願いします」といきなりキラーパスがきたり、中井が自身のコメントに照れてしまったのか、その照れ隠しのためにいきなり、「（妻に）『ありがとう』とか『おいしい』とかはたまにいうのがいいよね、阿部ちゃん？」と無茶ぶりしたりと、頼られっぱなしで、阿部も「またですか（笑）」と、笑いながら応じていた。
映画『柘榴坂の仇討』は9月20日より全国ロードショー中！
