
前編(小西真奈美 一児の母からスナックのママ、果ては組織スパイまで多面的な顔【「風邪(ふうじゃ)」インタ・前編】)より
――窪塚洋介さんとは映画『行きずりの街』以来、4年ぶりの共演となりますが印象はいかがでしたか?
小西真奈美:4年前は共演しているという感じではなくて、同じ作品に出たという感じだけで(苦笑)。今回は本当にすごくフレッシュな感じでご一緒しました。役に対してすごくまっすぐで、自分なりのビジョンを持っていて、全部でぶつかってこられるので、そういう意味では私も引っ張ってもらうところがありました。ぶつかってくるのに受け止めてくれる部分があって、お兄さん的な存在でした。だから、こっちも安心してぶつかっていけるし、私が演じた桜子って、あんまり窪塚くんの紀久生に対して感情を出さないですけど、2人がどこか共鳴し合えたというのを、スッと納得させてもらえるような、温かみというか器を感じました。
――窪塚さんと雨に濡れたり一室に閉じ込められるシーンはいかがでしたか?
小西:すごい大変でした!!雨のシーンの最後ぐらいは明け方だったんです。「早く撮らないと」という気持ちが現場全体にあり、私もそう思って気は焦るのですが、体が寒くてガタガタ震えるし……。映画って過酷なんだねって(笑)。あらためて初心になりました(笑)。閉じ込められるシーンのロケは山の中でして、本当にカビ臭いし、暗くて、入った瞬間に気が滅入るところでした。柄本明さんがクレイジーになるシーンなので、私も窪塚さんも追い詰められているテンションを持続させなければいけないんですけど、精神的に暗くなるとテンションが保てないので、たびたびみんなで明るいところに行って、おかしを食べて、気持ちをリフレッシュして戻るみたいな感じでした。「この休憩を大事にしよう」って、3人で声を掛け合って助けあってました(笑)。

――医師役の柄本さんは終盤で紀久生の才能への嫉妬から狂った行動をされるシーンがありますが、いかがでしたか?
小西:本当に素晴らしい。共演できてよかったなと思いました。普段は、茶目っけたっぷりで、優しい方なんですけど、カメラテストのときから、役者もスタッフさんも引き込まれちゃって……。
――セーラー服を着ているシーンがありますが?
小西:監督からなるべくブサイクになってくださいと言われました(苦笑)。すっぴんにメガネをかけただけでは、「たぶんそういうのが好きな人からすると、イケてると思われちゃうので」と監督が(笑)。みんなでまゆとかゲジゲジにしちゃって、ブサイクにするにはどうしたらいいんだろうねというので、「ないよね、これ!この長さのスカートは履かないよね!」というテイストで行ったつもりです。
――“風邪(ふうじゃ)”というタイトルですが、風邪を引いた時の思い出とかはありますか?
小西:子供の頃に風邪を引いたときに放っておいたら、実はインフルエンザでして、病院に行ったら、先生に「これもうちょっとしたら手遅れになるところでしたよ!」と言われて、熱を計るどころではない状態だったことがあります(苦笑)。それからは、風邪って怖いんだと思うようになりました。
――本作もいろいろな顔を持つ役でしたが、今後何かやってみたい役などはお考えですか?
小西:年を重ねてくると、この役は(自分に)合ってるとか合っていないと分ける方もいらっしゃるかもしれませんが、私は逆に、どういう役が来ても、やりたい、チャレンジしたいという精神状態でいたいと思っているんです。いろんな役を面白がれる、私の演技を観てくれた人も、「こんな役やるんだ!面白い!!」と言ってもらえたら、私はそれで1つよかったと思える。そのためには、気持ちも頭も柔軟でないといけないと思います。ここでいきなり、アクション映画のお話が来たとして、体力が無理なんでというのではできないし。だから、気持ちも頭も柔軟でいられる状態でいたいなと思っています。
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インタビュー中も笑みを絶やさず、インタビューしているこちら側もほんわかさせてくれるような空気にしてくれた小西。作品はそれとは真逆に近い、翻弄される1人の女性だが、本作によって小西の別の女性の一面を引き出し、今後さらに幅が広い女優として、現れるであろうことを予感させた。

■スタッフ・キャスト
監督・脚本:橋本以蔵
撮影監督:藤石 修
出演:小西真奈美、窪塚洋介、柄本明、クリス・ペプラー、和田哲史、秋吉久美子
主題歌:八代亜紀 『五月雨の道』
上映時間:96分
配給・宣伝:株式会社チャンス イン
公式サイト: http://fuja-movie.com/
9月27日より全国公開!
(C)2013 『風邪』 製作委員会
■この日の小西の衣装
トップス:aimo・richly
スカート:EDWARD ACHOUR
スタイリスト:西 ゆり子
■あらすじ
地球上に存在する200種類にも及ぶ風邪ウイルス。もし、その特効薬が開発されれば世界を揺るがす大発明になるという。その奇跡の特効薬“風邪(ふうじゃ)ワクチン”の開発に成功した一人の天才科学者・紀久生(窪塚洋介)。しかし、彼の頭の中にしかない化学式を手に入れようと、彼の頭脳に嫉妬する狂気の医師・一ノ瀬(柄本明)、“風邪(ふうじゃ)ワクチン”の技術を盗もうと暗躍するある秘密組織の幹部・道元(クリス・ペプラー)とその右腕・寺子田(和田哲史)たちは、それぞれの目的のため手段を選ばず紀久生を狙っていた。そして、さらに紀久生に近づく謎の女・桜子(小西真奈美)。実は彼女も紀久生に近づかなければいけない秘密があった、そこに隠された秘密とはいったい何なのか?そして夢の特効薬をめぐる攻防の末に待ち受けていた衝撃の真実とは……?
