俳優・斎藤工(30)が10日、都内で主演映画『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』(監督:宮野ケイジ/配給:東映ビデオ)初日舞台あいさつに俳優・窪塚俊介(30)、岩永洋昭(32)、女優・須藤温子(28)、原作者の遠藤夏輝氏、宮野監督が登壇した。
不良が独特の熱を持ち盛り上がっていた70年代に全校生徒3000人のうち約半数がツッパリという東陽工業高校が舞台の硬派なツッパリムービーで遠藤氏の体験が下敷きになっている同作。ケンカに明け暮れる千藤鷹也(斎藤)と、その親友・菱川晃希(窪塚)が、ダブりで同学年だった1コ上をタイマンでぶちのめしたことから、千藤を追い落としを狙う策略がうずまき、2年と3年が一触即発の事態へと発展していくことに。そこに、静観していたダブりで2年の坂本(岩永)が、不穏な動きを見せ…。
本日2度目の舞台あいさつに登壇した6人。184センチの斎藤と187センチの岩永に挟まれた窪塚が、「両サイドに背の高いお兄さんが来るというので対抗しようと思って帽子をかぶって来ました」と、“双璧”を見上げおどけるあいさつで場内の空気を盛り上げる。
さらに、「30過ぎのおっさんが高校生楽しんでやってます」と続ける窪塚に、須藤も「私はセーラー服を着てはいけない年齢なので恥ずかしかったですけど」と、ほおを赤らめ、これに斎藤が、「着ちゃいけない年齢ってあるの。リアルじゃない?僕らもそうですよ」と返し、フォローすることも。
遠藤氏から「眼力がすごい」と目に止まって指名された斎藤だが、役作りにかんして、「1981年生まれなので体験がない時代だけど、なんとなくにおいは残っている感じはしていた。3000人の頂点に立つというのが分からなかったけど、遠藤先生にお会いして、ケンカが強いというのでトップに立ったんじゃなくて人柄なんだなと思いました」と、感じたことを語る。
逆にその時代に生まれていないからこそのものもあるといい、「いくら背伸びしても自分の30年しかないので、自分であることしかできないので、できることをしようと思った」そうだ。それだけに、カポエイラ、合気道を習っていたという斎藤は肉体を駆使して、アクションシーンにも力を入れたそうで、「なるべくアクションシーンでドキッとさせたいなと思いましたね」と、意気込みを見せた。
主演にそれだけの気合が入っているために、撮影現場の雰囲気は良かったよう。窪塚は、「斎藤くんとはいろんな話を話しました。ただ、そのとき、メールアドレスを交換して社交辞令で飲みに行こうと言われて、そのままですね」と、明かすと斎藤も「じゃあ、この後終わったら飲みに行こう」と、誘いをかけることも。
最後に斎藤は、あす3月11日が東日本大震災から1年ということにも触れることに。昨日9日にも被災地での映画の舞台あいさつに飛び入ったことを明かすと、「3月11日は特別な日ではありますけど、特別なフィルターをかける必要はないと思っています。いままで当たり前にあったものを当たり前に届けるということだと、確信しました。それを語らない方が伝わるんじゃないかと思いました」と、胸のうち明かしていた。
「作品自体はものすごい直球です。今だからこその直球であることがみなさんに響いてくれれば」とPRした、映画『不良少年 3,000人の総番(アタマ)』は本日より全国公開!