ミュージカル「『薄桜鬼』風間千景篇」東京公演の公開リハーサルが23日、東京・北千住のシアター1010で開かれた。
幕末の動乱の時代を生きた新選組を描く、シリーズ累計70万本を超える人気ゲーム『薄桜鬼』を原作としたミュージカル。2012年3月に東京・池袋のサンシャイン劇場で第1弾『斎藤一 篇』を上演してからはや2年半。『沖田総司 篇』を経て、鬼側となる風間千景をクローズアップした物語となる。
公開リハでは若手実力派俳優陣による、グッと感情が高まるシーンでの華麗な殺陣をしながらの歌の披露、ダンスなど、激しい動きの連続で息つく暇もないほど。そこに、薄桜鬼ならではの物語が乗り、世界観を作り上げている。
リハーサルの熱気覚めやらぬ中、風間千景役・鈴木勝吾、雪村千鶴役・富田麻帆、沖田総司役・廣瀬大介、斎藤一役・松田凌、土方歳三役・矢崎広による初日を前にした囲み会見が開かれることに。
鈴木は見どころを、「初めて新選組側からでなく鬼側から見た作品で、新選組が最後まで描かれていて、いままでで一番切なさを前面に押し出しているんじゃないかなと思っています。何か感じて頂けるものがあれば」と、力を込める。
鈴木のコメント通り、切なさが漂う舞台のため、富田も「鬼篇ということで、私演じる千鶴も、いつもより少し強かったりします。本当に、切ないので毎公演、毎公演すり減っている感じがしいますけど、毎回リセットして、千鶴として生きていきたいと思っています」と、演じてみての感想を語った。
逆に受けて立つ側の新選組として、松田は「もっと血の臭いが漂うような男くさいものにしたい。鬼が迫力があるので、それぐらいの感じを見せたい」と意気込むと、矢崎は「今までとひと味もふた味も違うものが仕上がっていると思います」と、自信を見せた。
本作で初座長を務めることになった鈴木へ、4人からメッセージを寄せることになり、富田は「以前、勝吾くんと別の舞台で共演していたことがあったんですけど、そのときはこんなに頼もしいと思っていなくて、今回、頼もしい風間千景を演じているので稽古場から引っ張っていってもらってました」と、成長を認めるコメントが。
さらに、矢崎も「勝吾とは土方篇のときに相当戦ったので、今回、風間篇でもたくさん戦うんですけど、戦って思うのは、僕の土方と勝吾の風間という関係がものすごくできてきたと思うんです。たとえば、何かトラブルが起きても、勝吾くんがカバーしてくれたり、逆のときもあったり、俺と勝吾くんの風間、土方を見せたい!」と、チームワークを挙げていた。
最後に鈴木から「(5月16~18日の)神戸公演を終えて東京に来ましたが、原作からミュージカルに、それぞれの役者を応援していてミュージカル薄桜鬼を好きになって頂いたりとか、違うコンテンツの間で結びつきというか、たくさんの人が薄桜鬼という世界を愛してくれることが、神戸公演を終えてよりまた実感しました。そういうファンの感情を1つ1つつないでいく作業をするのが僕達なのかなと思っています。この仲間たちとできているのがすごく嬉しくて、これからも、どこまで誰でやっていけるか分からないですけど、つないでいけるものを作っていきたいので応援して頂ければ」と、心情を交え語っていた。
ミュージカル『薄桜鬼 風間千景 篇』は23日から6月1日まで北千住のシアター1010で上演!
■STORY
激動の時代幕末。西の鬼を束ねる純血の鬼・風間千景は、行方不明の父親を探しに京へやってきた少女・雪村千鶴と出会う。ある秘密を持つ千鶴を手中に収めようとする風間だが、千鶴は京の街でその名を知らぬ者のない新選組と行動を共にすることに。鬼としての誇りを持ち戦う風間。己の信念を胸に進む新選組、そして千鶴…それぞれの想いと運命が動き出す――。
■詳細情報
○原作:オトメイト(アイディアファクトリー・デザインファクトリー
○脚本・演出・作詞:毛利亘宏
○音楽:佐藤俊彦
○殺陣:諸鍛冶裕太
○振付:本山新之助
○出演
風間千景役:鈴木勝吾
雪村千鶴役:富田麻帆
沖田総司役:廣瀬大介
斎藤一役:松田凌
藤堂平助役:池田純矢
原田左之助役:五十嵐麻朝
永倉新八役:宮崎秋人
近藤勇役:井俣太良(少年社中)
山南敬助役:味方良介
山崎烝役:高崎翔太
天霧九寿役:郷本直也
不知火匡役:柏木佑介
雪村綱道役:江戸川萬時
土方歳三役:矢崎広