報道：公開リハの舞台上で杜さんから宝塚は『女の軍隊』というお話をされていましたが、当時これはつらかったという思い出はありますか？
杜：宝塚はすごいなと思うのは、外の芸能界と違って、どんな人にも下積みがあるということだと思うんです。全員がお掃除の1から始まっているんです。当時は大変でしたけど、今思えば、すごい素敵なことで、たとえば、お辞儀の角度すべてから決められるというのは、それは軍隊に等しい。私にとってキツかったのは、朝5時から起きてやる1年間の毎日の掃除でした（苦笑）
報道：会見にいらしている方でも主婦の方が多いですが、普段の生活から宝塚の舞台に立つギャップがあれば？
麻路：そうですねぇ、ものすごいギャップを反対に楽しませて頂いているんですけれども、（宝塚を）辞めたときに男役はこれで終わりだと思っていたんですが、OG公演で呼んで頂いたときに、今のこちらの姿の方が楽だったんですね（苦笑）。宝塚を辞めるまで16年間、男役で過ごしてきたので、主婦はまだまだいまでも未熟で、いろんなことを教わっていきながら、料理にしてもですけど、本当にまだ下級生なんです。けれど、男役の方が年季があるので、今ここに戻れると、すごく気は楽なんです。ただ、良心的には、子どもを置いてきたりとか、主人をほったらかしにしたりとかは心苦しいんです。でも、こういう行事に出ることを許してくださっているというので、これが終わってからその分尽くそうと思っています（笑）
報道：ご家族もいらっしゃると思うんですが、どこを観てほしいですか？
麻路：バリバリの男役が見どころです（笑）
杜：どっちが旦那さんと格好いいかとかね（笑）
麻路：今度こういうふうにしてとか（笑）
報道：100年続いてきた宝塚の魅力は？
杜：今回、改めて思ったんですけど、『清く正しく美しく』というモットーが、本当に心の奥底に根付いているというのを感じたんですね。眞帆志ぶきさんを始め、下の子まで、
諦めない心だとか、誠心誠意物事に取り組むとか、OGになっても、主婦になって帰ってきても、みんなそれを発揮していて、何も言わなくても1つにまとまるんですよ。みなさんがそれと同じ経験をしてきたから100年、おそらく同じ経験を100年、そのモットーの元にしてきて、だから続いてきたんだなって。宝塚がこれを守っている以上は、これから200年、300年と続いてくれるんだろうと期待しています。
麻路：私も本当に同じです。同じ苦労をした、同じ釜の飯を食べたということで。
高嶺：『清く正しく美しく』にプラスすることと、『努力忍耐根性』というのを色紙で初舞台のときに頂いたんですが、その通りで、みんなの根本が、そうだからこそ続いてきたという、『継続は力なり』というのが素晴らしいかなって。
杜：世の中が努力とか根性とかが恥ずかしくなっている時代でも、宝塚はそれがある、当たり前みたいなところが面白くて、素敵なところですよね。
稔：今回、舞台で思うんですけど、昔から受け継がれている歌もありますよね。古き良きものをすごく大切にしているところも、宝塚の強みだなと思うんですよ。そういうものを大切にしながらも、新しいものに挑戦している。そのミックスしていく姿がいいのではないかなと思っていて、永遠に宝塚が続いてくれるのではないかと思います。
姿月：在団時も退団後も変わらない上下関係の当たり前で、当たり前でないような礼儀というものが、ずっと伝統として受け継がれているので、とても素晴らしいと思います。
湖月：私、今回、榛名由梨さんを始め、杜さん、みなさんから、たくさんのことを教えて頂いて、「わたるはこうだから、もっとこうした方がいいよ。ここはこういう風に！」とか、惜しみなく教えてくださる。本当にその人が良くなるならとか、情熱とか愛をすごく感じて、それを私達がやめるまでに、下に受け渡してきてって、その伝承されていく、これがやめても続いていて、きっとこの情熱を受け継いできているというのが、宝塚の魅力なのかなと思いました。
貴城：これだけ幅広い学年差があっても、本当に温かく教えてくださるし、すごく居心地がいいといか、やっぱり故郷なんだなと思える温かい場所。それがずっと続いてきた伝統だと思いますし、ファンの方、ずっと見続けてくださっているファンの方というのがあってこそ、続いているのかなと思います。
杜：ファンの方も何世代もで応援してくださって、宝塚の絆って金色のような感じがしました。
報道：公演への意気込みをお願いします。
杜：OGにしかできない、年齢は重ねましたけれど、そのために培った、大きさだったり、温かさだったり、人としての魅力を加えながら、この華やかな宝塚の上にOG公演を乗せて頑張っていきたいと思います。みなさん懐かしんでぜひ、観にいらしてください！
東京公演は18日～6月8日に青山劇場、愛知公演は6月13～14日に愛知県芸術劇場大ホール、島根公演は6月20日に島根県民会館ホール、大阪公演は6月24～30日に梅田芸術劇場メインホールにて上演！
※前編より。
■セットリスト
＜ACT1＞
ハロー・タカラヅカ（蒼乃夕妃）
ハロー・タカラジェンヌ（彩乃かなみ）
花にふれた私「ザ・フラワー」より（大鳥れい）
ファニー・フィーリング「ファニー・フィーリング」より（星奈優里）
エイスカイヤ・ガールズ（風花舞）
I Love Chopin「ザ・クラシック」-I LOVE CHOPIN-（貴城けい）
世界に求む―王家に捧ぐ歌―「王家に捧ぐ歌」―オペラ「アイーダ」―より（湖月わたる）
未来へ「エクスカリバー～美しき騎士たち波」（姿月あさと）
忍ぶの乱れ「花の業平」-忍ぶの乱れ-より（稔幸）
あなたがいるから「仮面のロマネスク」より（高嶺ふぶき）
風になりたい「国境のない地図」より（麻路さき）
朝日の昇る前に「華麗なるギャツビー」より（杜けあき）
＜ACT2＞
○A日程
・ベルサイユのばらコーナーより
青きドナウの岸辺
我が名はオスカル
愛の巡礼
白ばらのひと
心のひとオスカル
ほか
・メモリーズコーナー（A日程キャストの名曲集）
初めての口づけ「ラブ・ラバー」より（眞帆志ぶき）
白い花がほほえむ「ラムール・ア・パリ」より（初風諄）
瞳の中の宝石「バレンシアの熱い花」より（榛名由梨）
○B日程
・エリザベートコーナーより
愛と死の輪舞
最後のダンス
キッチュ
闇が広がる
夜のボート
ほか
・メモリーズコーナー（B日程キャストの名曲集）
オルフェウスの窓「オルフェウスの窓」より（瀬戸内美八）
花吹雪「紫子」より（峰さを理）
ひまわりの花「悲しみのコルドバ」より（南風舞）
花夢幻「花夢幻」より（一路真輝）
○C日程
・風と共に去りぬコーナーより
君はマグノリアの花如く
明日になれば
愛のフェニックス
さよならは夕映えの中で
ナイト＆デイ
ほか
・メモリーズコーナー（C日程キャストの名曲集）
あの日薔薇一輪「あの日薔薇一輪」より（高汐巴）
愛遥かに「ザ・ドリーマー」より（こだま愛）
そして今「アンド・ナウ」より（平みち）
■スタッフ・キャスト
○スタッフ
構成・演出：三木章雄
音楽監督：吉田優子（宝塚歌劇団）
○出演
杜けあき、麻路さき、高嶺ふぶき、稔幸、姿月あさと、湖月わたる、貴城けい、風花舞、星奈優里、大鳥れい、彩乃かなみ、蒼乃夕妃
眞帆志ぶき、榛名由梨、初風諄、瀬戸内美八、峰さを理、高汐巴、平みち、南風舞、こだま愛、一路真輝
舞城のどか、桐生園加、羽咲まな、扇けい、祐澄しゅん、彩星りおん、美影凜、麗百愛、百千糸、紗羽優那、天翔りいら、蘭舞ゆう
○スペシャルゲスト
加茂さくら、汀夏子、順みつき、日向薫、紫苑ゆう、安寿ミラ、涼風真世、紫とも、真琴つばさ、香寿たつき、えまおゆう、和央ようか、渚あき、彩輝なお、瀬奈じゅん、水夏希、白羽ゆり
