女優・竹内結子（35）と橋本愛（19）が25日、東京・六本木ヒルズで開かれた『第28回東京国際映画祭』（TIFF2015）内で映画『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』（監督：中村義洋／配給：松竹）記者会見を中村監督（45）とともに開いた。
本作はTIFF2015コンペティション部門に出品。作家・小野不由美氏の小説『残穢』を実写映像化したもの。怪談雑誌に連載を持つ小説家である“私（竹内）”のもとに女子大生の久保さん（橋本）という読書から1通の手紙が届く。「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」ということに好奇心を抑えられず“私”と久保さんは調査を開始したのだが、それは壮大なる戦慄の結果にたどり着くことになってしまい…。
黒のノースリーブロングドレス姿の橋本と、緑のドレス姿で登場した竹内。竹内にとって中村監督作品に出演するのは2010年の『ゴールデンスランバー』以来5年ぶりだそうだが、話を受けた時のことを「何で受けちゃったんだろうという後悔の念も少々あります」と、言い出すことに。これには竹内なりの理由があるそうで、「私自身、元来怖がりでして、中村監督の作品ですよと言われて断る理由もなかったし、また幸せな時間になると思っていたんです。ですが、ホラー映画ときいて、受けなきゃ良かったなって」と、心情をしみじみ。
しかし、話を受けた以上「“私”という役が怪談小説家で仕事としているので怖がっていないんです。ですから、私自身から恐怖を取り除いて、何も怖くないと信じて撮っていました」と、女優魂を見せていたという。それでも、実生活では「引きずりました。毎晩電気をこうこうとつけて寝てました。そういう意味では観た人は本当に後悔する……」と、言い過ぎたと思ったのかしばらく恥ずかしがってしまう様子も見せていた。
一方の橋本は、中村監督の『アヒルと鴨のコインロッカー』のファンだったそうで、「いつかご一緒したいなと思っていたんです。監督がホラー映画を撮られたの10何年ぶりというので、私も参加する上で特殊な形のなかで、初めて参加できたことを嬉しく思いました」と、喜んだのだとか。しかも、竹内とは違い、ホラーは大丈夫な体質だそうで、「私はまったく平気な方で、作り物だった場合は結構鈍感な方なんです。夜も真っ暗にしないと寝れないです」と、肝の太い様子を見せた。
そんななか中村監督は、ホラー映画につきものの心霊現象は現場であったのかという質問が飛び、「最後のシーンを撮っているときに、空中で女の人がしゃべっている声が聞こえて、みんな怖がってました。出るはずないところから声が出ている。あとは、タクシーのカットですが、出るはずないところに手が出ている。まあたぶん誰か乗っていたんだと思います」と、証言。
そのコメントに竹内は、席の背もたれにもたれかかって震える様子を見せたり、さすがの橋本も首を振ってそんなことなかっただろうという顔をすることも。
ついには竹内が「この作品の試写を怖さのあまり途中から観ていなくて、音しか聞いてないんです。それでも東京国際映画祭期間中になんとか観ようと思っていたんですけど、やっぱり観なくてもいいですか？」と、言い出し、中村監督は「いやダメでしょう（笑）。これから取材受けるんですから観ないと」と、ニヤリ。これに竹内はがっくりとうなだれ、「世界に向けて私がいかにヘタレかというのを発信してしまいました」と、苦笑いを浮かべるしかなかった。
そんな竹内をフォローしようと竹内は、「ホラーもありますが、ミステリーという部分もあります。恐怖心を煽る描写も楽しめますが、ミステリーも見どころの1つ。結末は意地悪なんですが、これをぜひみなさんに体感していただきたい！」と、熱弁を振るい、竹内は「こんなに頼もしい相棒を得ることができたことを幸せだと思います！」とニッコリ。さらに、「意地悪な終わり方、そこに救いはあるのかというのをみなさんに見つけて頂きたいと思います」と、PRしていた。
映画『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』は2016年1月30日より上映スタート！
