人気アイドルグループ『V6』の森田剛(35)が4日、東京・世田谷パブリックシアターで主演舞台『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(演出:鈴木裕美)公開ゲネプロを開いた。
数学に天才的な才能を持つ15歳のアスペルガー症候群の少年・幸人(森田)が、仲良くしていた近所の佐久間夫人の犬が殺されているのを発見したことがきっかけで、犯人探しを始める。その結末は、父の誠(入江雅人)や、死んだと言われ実は生きていた母・広美(高岡早紀)、そして幸人とも因果関係があり、その事実に心の傷を負うことに。それから逃れるため広見の住む東京へ向かうことを決意する幸人だったが、静岡の実家周辺から出たことのない幸人にとって、それは大冒険となり…。
ゲネプロ終演後に、入江雅人、幸人の担当教員・瑛子役の小島聖(38)、演出の鈴木氏とともに囲み会見が開かれた。
■以下、会見全文
報道:この舞台、本当に出ずっぱりですよね?
森田:はい。でも、キャストのみなさんも出ているので。
報道:ずっとしゃべってる?
森田:幸人を通して、いろんな人と会話をするという感じです。
報道:かなり大変だったのでは?
森田:稽古が大変だったので、やっと本当に幕が開くなと嬉しい気持ちです。
報道:頭を抱えるシーンがいっぱいありましたけど稽古中もそんな感じ?
森田:そんな気分でした(笑)。
報道:数字の羅列部分もありましたがこれは丸暗記?
森田:いやー、大変ですね。代数の計算とかも大変ですけど。
小島:荷物の間で素数を数えるときのは録音です。
入江:わざわざ言わなくてもいいんじゃ(笑)。
小島:すいません!
報道:小島さんも大変な舞台ですけど、いかがですか?
小島:毎日ドキドキしてて楽しいです。
報道:端っこにいるシーンが多いですが?
小島:じゃあ、もうちょっと存在感出せるように頑張ります(笑)。私は、幸人くんが書いた本を私が読んだものが、その場で繰り広げられているので、観客になったり、先生になったり結構いろいろ忙しくやってます。観客としては楽しいですよ。
報道:森田さんから見て小島さんの役はいかがですか?
森田:精神的にも体力的にも、きのうまでなかった瑛子先生の座っている椅子に座布団があって、腰痛いんだろうな、大変だろうなと思って。
報道:入江さんはお父さん役は大変?
入江:お父さんつらいですね。ただ、親と見えればいいなって。あんまりしゃべるとネタばらしになるんで言えないんですが、僕の知り合いのお父さんも分かると言ってました。
報道:気持ちを作るのは難しい?
森田:意外と幸人はワガママだし、結構、やりたいようにやってるから、周りが大変ですよね。振り回されて。
入江:やめて、やめてと言っても聞かないもんね。
報道:暴れるシーンもありますけど、ああいう演技はいける感じですか?
森田:感情的なシーンなので、思いっきりやりたいなと思っています。
報道:鈴木さんは出来はいかがですか?
鈴木:これからお客さんにお見せするので、わからないですけど、俳優さんがやってくれるととても信頼しています。
報道:初日を直前としたいまの気持ちは?
森田:どうでしょう。やっと本当に幕が開くなと。それと、毎回緊張感がある舞台なので、1回1回が勝負だと思いますし、いろいろ発見しながら進化していく舞台だと思いますので、ぜひ、ご家族だったり、たくさんの方に観てもらいたい。
入江:舞台が春というわけではないですけど、いまの季節にラストシーンとか合ってて、心の中にスーッと入り込むような感じの良い舞台ですので、ぜひおいでください。
報道:最後の方に出てくる“登場人物”がちょっと動きの分からない“登場人物”が出てくるじゃないですか。それはコミュニケーションを取られましたか?
森田:裏で、はい(取りました)。
鈴木:“彼女”のためにこの芝居頑張ると言ってましたよ(笑)
森田:そのぐらい大事です(笑)。
報道:最近頭を抱えたことありますか?
森田:普段はそんなに悩まないタイプですし、本当にこの舞台くらいです。悩むのは。
入江:僕もいっぱいセリフあるなと思ってたんですけど、森田くんのセリフを見たら全然楽だと思ってホッとしました。
小島:私、いっぱい(劇中で読む)本に書いてあるんで(笑)。助かってます。
報道:役作りで苦労したところ?
森田:アスペルガーというのもそうですけど、自分が小さい時にもそういう人がいたというのもあるし、自分にもあてはまる、みんなにあてはまるところもあると思うので、病気について、悩むということはなかったです。後は、裕美さんの演出通りです。
報道:何か参考にされましたか?
森田:とくにないです。
報道:15歳という年齢を演じてみて?
森田:15歳ということを考えると無理なんで、自分さ35なんですけど、その35の経験を役に落としこんでやっていければいいなと思っています。
報道:自分の15歳というのは重ねたということはない?
森田:はい、そんなことはないです。
報道:客席から観てたら、15歳と言われたらそうかなという感じがしましたが?
入江:近くで見ても全然15歳という感じで見えますよ。
森田:(笑)
入江:声の感じとかが、可愛い声という感じで。
報道:嬉しい?
森田:そうですね。
報道:数学が出てきますが、森田さん勉強系はいかがですか?
森田:僕はそういうのがやりたくなくて芸能界に入ったので、まさかここで勉強するとは思わなかったんです。
報道:この舞台をきっかけに覚えたりとかは?
森田:もういいですね(苦笑)。
報道:やればできるかもしれませんよ。
森田:そうですね、やれば楽しいと思います。だから、もっとちゃんと勉強しておけばよかったなと思うところもあって。
報道:じゃあ、実際に数学検定準1級にチャレンジは?
森田:いや、いいです(苦笑)。興味の有る方はぜひ!
報道:V6メンバーみなさんからの激励のコメントとかはありましたか?
森田:メンバーの中にも裕美さんにお世話になったメンバーもいますし、裕美さんの話はよく聞きました。
報道:メンバーみなさん、観にいらっしゃいますか?
森田:分からないです。みんな忙しいから。来てくれたら嬉しいです。井ノ原(快彦)くんからは、ハンモックが送られてきて、結構でかいハンモックで、いらねーなと思ったんですけど、折角もらったから、いま楽屋に入れています。休憩中にそこで寝ろというのもあるのかもしれません。1日2回公演とかもありますから。
報道:メンバーからメールをもらったりとかはあるんですか?
森田:普段はやりとりはしないです。
報道:お芝居に厳しいメンバーはいますか?
森田:誰ですかね?お芝居の話を普段メンバーとしないので。でも、裕美さんは有名でした。いろんな話を聞きました。細かく演出してくれるとか、女性らしい繊細な一面と、あと大胆な男らしい部分を、両方持ってますよというのを聞いてました。女性の演出家の方は初めてだったんで、すごく緊張しましたけど、すごくいい出会いができたと思います。
報道:鈴木さんから見て森田さんは?
鈴木:非常に人見知りさん的なところもあるんですけど、とってもセンスがいい方だと思います。
報道:ほかの出演者の方たちはいかがですか?
鈴木:みなさんとてもクレバーで、ノーっておっしゃらない。こういうふうにやってほしいというときに、一旦は、とにかく呑み込んでOKって言って、やってみる。否定的とか懐疑的なことをおっしゃる方は、どなたもいらっしゃいませんでした。すごく果敢というか、嬉しいことだなと思います。
報道:最後にひとこと。
森田:すごく勇気のある気持ちのいい作品だと思いますので、みなさん観に来てください。よろしくお願いします。
森田主演の舞台『夜中に犬に起こった奇妙な事件』は4日から20日まで東京・世田谷パブリックシアターで、24日から29日まで大阪・シアターBRAVA!にて上演!
■出演キャスト
幸人:森田剛
幸人の母・広美:高岡早紀
瑛子:小島聖
幸人の父・誠:入江雅人
近所の老婦人・白瀬:木野花
西尾まり、宮菜穂子、芝一平、安田永徳、石橋徹郎、久保酎吉