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「マンガ大賞2014」大賞「乙嫁語り」森薫さん生放送で受賞へ喜び!こだわりなどを明かす

 27日に開かれた『マンガ大賞2014』で『乙嫁語り』で大賞に選ばれた漫画家・森薫さんが同日深夜生放送のラジオ番組『ミュ~コミ+』(ニッポン放送、午前0時~)に出演し、受賞の喜びをファンへ生報告した。

 『マンガ大賞2014』はファンからの投票で選ばれた人気作を選んだもので今年で5回目の開催。第1回目には石塚真一さんの『岳 みんなの山』が、ほかにも、過去、羽海野チカさんの『3月のライオン』、荒川弘さんの『銀の匙 Silver Spoon』などが大賞に輝いている。

 『乙嫁語り』は19世紀後半の中央アジア、カスピ海周辺の地域を舞台に、『乙嫁』をキーワードに生活や文化などを紹介しつつ、ち密な物語として描いている作品。森さんは本作のほかにも代表作に『エマ』がある。

 番組中盤に「初めまして」と丁寧に登場した森さん。まずは、パーソナリティの吉田尚記アナから「描かれる女性がカワイイから、男性かもと思っていました」と性別のことを言われ、分かっているものと思ったんですけど、女性です」との説明から。

 『乙嫁語り』を描こうとした理由について、「大前提として大好きだったというのが理由です。時間というのもあって、隔月誌だったら2ヶ月かけられますので、密度の高いモチーフでかけるのではないか。手数が多いので、月刊誌だと無理だなと思っていたんです」と、語りつつも、現在、月刊誌での連載になっていることに苦笑いする様子も。

 漫画になると思って描きだしたわけではないそうで、森さんは「闇雲な感じでの描きたい欲で突っ走ってしまったので、描くの前提で、これが漫画になるかというのを考えていなかったです。情熱は必須です」と、しみじみ。

 ファンからは、「線に命が宿るというのはこういうことかと思っています」という声が寄せられると、「ありがとうございます。(『乙嫁語り』は)やり過ぎかなと思っているんですが、どんどん(線が)増えてますね」と、言いつつ漫画家・谷口ジローさんや『鉄拳チンミ』シリーズなどで知られる前川たけしさんのところに出向き“武者修行”したエピソードなども明かしていた。

 さらに、子供の頃に読んだ漫画を問われると、「子供の頃漫画を読んでいなかったんです。絵を描いて、本を読んでました。マンガ自体、あんまり買ってもらったことはないんです」と意外な過去を話し、「まともに読みだしたのは、中学生から友達に貸してもらったりしました。『動物のお医者さん』ですあれが本当に好きで、家族に説明して買ってもらいました。それくらいからいろいろ。言っていいかわからないですけど、相当な雑誌を立ち読みさせもらって、そこから知った方の単行本を買いました」と、振り返っていた。

 ほかにも、リスナーからさまざまな質問が寄せられ、女の子を描くときに力を入れる部位について、「全部位です。全部おろそかにしてはいけません。全体としての完成度の問題になりますので」とのこだわりや、女性を描くということに、「なぜか刷り込みがあるんです。美術的な絵を見続けていたのか、折角、裸の絵を書くなら胸が合ったほうがいいんじゃないかとか」などの話が飛び出すことも。

 漫画家として食べて行けると思った瞬間のことを「食べていけるという確信というのは、最初は無我夢中過ぎて、おそらく、人間的にそういう意識を失っていました。まともな判断力を持っていなかったんですけれど、でも、なんとか毎月やってこれたので、3年くらいして、なんとか、仕事になっていると実感しました。階段を上り終わっていたというか、立てているなと思ったりとか」と、明かすことも。

 「おもしろい漫画とは?」という質問にも、「自分で買って、2巻目も読みたくなるかどうかです。おもしろいというのはいろいろな理由があると思うんですけど、単純にその人の作品を次に読みたいと思うかどうか」と、力強く答える森さん。今後の目標については、「向こう2年くらいで絵をなんとかもうちょっとと思いますし、いまの新章の話ですけど、話をおもしろく綺麗に短めですけど、キチンと作ることです」と、話していた。

 ■マンガ大賞2014最終結果
 大賞:森薫「乙嫁語り」
 2位:三部けい「僕だけがいない街」
 3位:武田一義「さよならタマちゃん」
 4位:鈴木央「七つの大罪」
 5位:九井諒子「ひきだしにテラリウム」
 6位:松田奈緒子「重版出来!」
 7位:ONE原作・村田雄介作画「ワンパンマン」
 8位:桜井画門「亜人」
 9位:panpanya「足摺り水族館」
 10位:佐野菜見「坂本ですが?」

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