お笑いコンビ『ナインティナイン』の岡村隆史（43）が25日、都内で行われた3月19日公開の映画『LIFE！』（監督・主演：ベン・スティラー／配給：）の日本語吹替版の完成披露試写会トークイベントに登場した。岡村は、吹き替え初挑戦で主人公のウォルター・ミティの声を担当した。
お笑いコンビ『キャイ～ン』の“アマノッチ”こと天野ひろゆき（43）が2月22日、フリーアナウンサーの荒井千里（30）と結婚したことに触れ、「完全な裏切り行為」と悔しがった。そして、自身の今年の目標として「同棲」と言い切った後、「ムリなら女性と海外旅行」に行きたいと、同映画のように“人生の転機”にしたい考えを明かした。
グレーの上着をはおった劇中のミティそっくりの衣装で登場した岡村は、「（吹き替えキャラクターの役柄に）寄せてみました。岡村ミティでございます」と、つかみから笑いをとる。吹き替え版映画を鑑賞し終えたばかりの観客たちに、「つたない吹き替えに集まっていただきましてありがとうございます。とにかく初めてやったんですけど、僕なりに一生懸命やらさせていただきました。ハリウッド映画なのに関西弁という。そこも含めて僕っぽくてよかったかな」と、“岡村ワールド”全開で、冒頭から会場の笑いを誘う。
吹き替えが関西弁になった経緯について、「最初にお話をいただいた時には、『僕の標準語やとおかしな事になるぞ』と思ったのですが、スタッフさんが『関西弁で大丈夫なので自由にやっていただいて結構です』っておっしゃっていただいたので、ほんならもう関西弁で行こか」と、明かした。
初めて吹き替えの話を聞いたとき岡村は、「ムリムリムリ！」と、断ったという。というのも、過去に『サザエさん』のアテレコをやったとき、「よう怒られましたわ。全然アニメの口と合ってないんですよ。スタッフさんがボソボソ何か言うてるんですよ。『なんかヘンだなぁ。ちょっと言うてこいよ』といっているように」と、いうトラウマともいうべき苦い経験があった。
それが一転、なぜ引き受けることになったかと言うと、「映画を観て、この『LIFE！』という映画だからやってみようと思ったんです。内容が、新しい事にチャレンジして行こうという感じに捉えたので、僕も初めてだけど挑戦してみようかな」と、映画を観て一念発起したという。
吹き替えをやっての感想は、「大変でしたね。本当にどうしていいかわかんないんですよ。前にモニターが3つぐらい並んでいるんですよ。どこでも見やすいようにと3方向にモニターがあったと思うんですけど、（直立不動で）真正面見つめたまま8時間ですよ。それが2日間やりましたからね。16時間ぐらいかかったんじゃないですか」と、大変だったと語る。
ひとつは、標準語で書かれた台本をその場でスタッフと関西弁に直す作業もあったが、「案の定ですよ。やっぱりアカンかったんでしょうね。途中までいったら、スタッフさんに『だいぶいい感じになってきましたので岡村さん、頭からもう一回いきましようか』と、言われました。また頭からやり直しました」と、苦笑いに会場は爆笑する。
ミティと共通する部分を聞かれた岡村は、「ちょっと小柄というとこですかね。ベンさんも170センチぐらい」と、自虐で笑わせると、さらに、「スタッフさんたちが『似てるぞ』と言ってくださった。パッと見似ているところと、引っ込み思案や女性に対して奥手なところが似てるのかなぁという気はしたんですけどね」と、自身が演じるキャラクターに共感を示した。
「女性に対して奥手である」との岡村の発言を司会者に突っ込まれると、「（芸人として仕事が）順調にきましたから、勝手に運を吸い取られると思っている様なところが……。そっち側（女性のこと）で頭いっぱいいっぱいになってしまうんじゃないかという恐怖もあり、こっちからグイグイ行く感じもなくて、向こうからグイグイ来られても困るし・・・みたいなやっかいなんですよね、僕」と、自身の恋愛に対する姿勢を語る。
お笑いコンビ『キャイ～ン』の天野ひろゆきの結婚報道に触れ、「あれは、完全な裏切り行為ですよ」と、バッサリ！なんでも、岡村が、「天野くん、なんかいいことあった？」と聞くと、「全然ないよ～」と答え、岡村が、「俺もないよ～」というのが、あいさつのようになっていたというが、「ほんま、騙されてましたわ、先いかれて～。（相談も）まったくなかったですよ。完全な裏切りです、あれは」と、恨み節。
続いてイベントは、岡村自身の“人生の転機”をテーマに、本邦初公開の秘蔵写真が6枚大公開された。題して「LIFEを振り返る！岡村隆史の軌跡」。
「岡村が高校3年で、相方の矢部（浩之・42）が高校2年生。サッカー部の夏の合宿時代」
「吉本興業に入って初めて撮った宣材写真」
「ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞を受賞した時の写真」
岡村は、「僕が21歳。相方が20歳で、相方は成人式いかずにこの大会に出たんですよ。当時、一番大きな大会でした。賞金は50万円とハワイ旅行。2人で25万円ずつ分けて、ハワイ旅行は売ってお金に変えて2人で分けました。次の日は仕事いっぱいで、1日スターでした」と、一大転機となった出来事を振り返った。
さらに、この時の大会には、雨上がり決死隊、よゐこ、FUJIWARA、バッファロー吾郎と、いまやそうそうたるビッグネームが出演していた。
岡村は、「ふじもんから、『おまえら、ごまめやからな（ただの人数合わせ）』と言われ、悔しくて、絶対優勝してやると思い、その通り優勝しました」と、胸を張る。そこには、ある作戦があった。下馬評では雨上がり決死隊が優勝候補筆頭だった。「その雨上がりが1番引いた。1番ひいて優勝したコンビはいない。全員コントやったから、“立ちの漫才スタイル”にして、服装もみんなボロボロだったので、きれいなかっこしようと。スーツを借りました」と、昨日のことのように熱く語った。
「吉本印天然素材時代の写真」
東京進出のきっかけになったユニットで、深夜に放送され、絶大な人気を誇った。当時を振り返り、「すごい人気でしたよ。いまでこそ、出てきてもザワザワですけど、その頃は、後楽園ホールでギャーいわれてました。プレゼントももらって、追っかけられました。本格的にこの世界で食べていくんや、頑張るんやという気になった」と、いまの礎を築いた時代を振り返った。
「沖縄を舞台にした映画『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』（2010年）の場面写真」
沖縄が大好きだという岡村は、「2日休みがあれば沖縄本島。3日休みなら石垣島。1日の休みは実家に帰ります。ゆくゆくは沖縄に住みたい」というほど、沖縄にゾッコン。
映画『LIFE！』が沖縄国際映画祭に出品されることが決まったそうで、岡村がレッドカーペットを１人で歩くという。「サイン書いて、手振って、ムービースター気取りで歩いてやりますよ」と、ハリウッドスターなみに歩くと宣言した！
最後に、とっておきの一枚として、「アフレコ時の岡村をLIFE誌の表紙風にアレンジされた写真」がプレゼントされた。
「顔が緊張してるでしょ。でも、ちょっと男前でしょ。気持ちいいですね。控室にも置いてあったので持って帰って飾りたい」と、岡本自身もお気に入りの1枚。
映画の内容にちなみ、吹き替えの次に新たに挑戦したいことを聞かれた岡村は、「同棲ですね。今年、同棲をしてみたい。みんなご結婚されていくと、どんどん取り残されている感があるので。自分でもそこ変えていかなと。ムリなら、女性と海外旅行に行きたいな」と、切望した。
最後に岡村は、「この映画は、主人公が段々と変わって大人に成長していく過程を見ることが出来ます。その中で新しいことにチャレンジする主人公を見ると、僕もまだまだ成長していかなあかんなぁと。この映画を観たら、ちょっとだけ頑張ってみようかなと思えます。そういう気持ちの背中をポンと押してくれる映画になっていると思います。
雑誌「LIFE」の写真管理部に勤め、極度の空想癖を持つ、ごく平凡で地味なウォルター・ミティ（ベン・スティラー）は、最終号の表紙を飾る写真がないことに気づき、一大決心をし、冒険家でもある著名カメラマンを探すために、世界を駆け巡る旅に出る。
同映画は、3月19日より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
