舞台『熱海殺人事件 Battle Royal』（演出：岡村俊一）公開ゲネプロが15日、東京・紀伊国屋ホールで行われ、初日を前にキャストらが熱演を見せた。
1973年に発表されたつかこうへいさんの代表作でもある『熱海殺人事件』。約40年間、紀伊国屋ホールだけでも350ステージ以上上演され、15万人を動員。また、1986年には映画化もされた名作として知られる。物語はその名の通り熱海が舞台で浜辺で起こった殺人事件、3行記事にもならないような三流の殺人事件に刑事、犯人が各々の美学をガツガツ前に出しながら取り調べを進め一級の殺人事件に仕立て上げようと独特の世界観で展開される。
今回は破天荒なぶっ飛んだ刑事、木村伝兵衛を馬場徹（25）とEXILEのKENCHI（35）のWキャスト、木村を幅広く（いろんな意味で）サポートする美しき婦人警官、水野朋子を大谷英子（29）、富山県警から来た木村と水野に翻弄される熱血刑事、熊田留吉を『D-BOYS』の牧田哲也（29）、容疑者・大山金太郎を同じく『D-BOYS』の柳下大（25）が演じる。馬場とKENCHIの伝兵衛が持つそれぞれのキャラクターで舞台がどんな化学反応を起こすのかも見どころとなる。
ゲネプロ前に行われた囲み会見でKENCHIは「こんな稽古したのは生まれて初めてですね、ここまでやるか！」と、相当の稽古量な様子を見せる。稽古には遅れて入ったというKENCHIだが「みなさん出遅れていた僕に毎日、付合ってくれて感謝してます」と、メンバー間の結束の強さも垣間見せた。
牧田は「伝兵衛が熊田留吉をいろいろ攻めてくるんですけど、攻め方が違うと受け取るものも違ってきて、僕も違った熊田留吉を出させていただいたかなと思ってます」と、稽古の感想を。3年ぶりに本作に出演する柳下は、「3年前に出演して、この作品が大好きになりました！去年観に行って馬場さんや牧田さんが出演してて、より一層歯がゆさと言うか自分もあそこに立ちたかったという気持ちがありましたので今回、同じキャストでさらにKENCHIさんが入って、もう1回やれるというのは本当に泣きそうになりましたね！ホントですよ『えっ、またやれるんだ！』と今日の日を楽しみにしてましたし、初日がワクワクしますね！」と、喜びを語るがほかのキャストからは「稽古の段階で？」「ウソくせぇ～」「気持ちこもってねぇ～なあ」と、まさかの“フルボッコ”でからかわれてしまう一幕も。
紅一点の大谷は「伝兵衛って、同じセリフでも人柄がでるというか、まったく違うものになっていて、水野は伝兵衛の表現するものを受けて見えてくる人物像だと思うのでKENCHIさんはまっすぐで『三歩下がってついてこい！』という亭主関白なイメージで、馬場さんは色気があるというか捜査方法とか全てわかっていて、最後に『ほらね、俺の言った通りでしょ』みたいな」と、言い出す。すると牧田が「ドヤ顔、得意ですからね馬場は」と茶々を入れ「やめろ！顔だけで芝居してるみたいなコメントは」と馬場が返し、「でも見出しで『馬場のドヤ顔見に来い！』って記事になるかも！」と、牧田の提案に乗る馬場の姿に笑いが起きる。
馬場は「個人的なことなんですけど演じて1年間寝かせられたので、稽古期間は少なかったんですけど、落ち着いてできるし、みんな経験者だし、僕もフォローしてもらえたりとか、逆にKENCHIさんで慣れてた稽古に僕が入ることで掻き乱しているような感じがあったんで、それはそれで面白かった！みんなは大変だったと思うけど。KENCHIさん面白いんですよ。2人ともまったく違うアプローチでお芝居してるんで『こんな伝兵衛もあるんだな』って。逆に『あれちょっと盗んじゃおうかな』とかもありましたね。だから経験しているからどうこうではなくて、そこに生きている人間が面白いか面白くないかってことなんだなって感じました」と、しっかりと“化学反応”が起こっているよう。
一方のKENCHIは「去年の『熱海』を見て、僕は『伝兵衛は馬場くん』というイメージなんです。お手本であり、教科書ですね。馬場くんや昔の俳優さん伝兵衛を見て、自分はどこの隙間を行けばいいのか、相当悩みましたけどね」と、馬場を見本にしつつも役作りで苦悩したことを明かしていた。
さらに、KENCHIは出演が決まった時に昨年、大山金太郎役をつとめたEXILEのNAOKI（30）と話をしたといい「『稽古場に応援に行きます』っていってたんですけど、結局来なかったんですけど、NAOKIもこの熱海には思い入れがあるみたいで『頑張ってください！』って話はしてくれて、僕がわからないところをNAOKIがヒントくれたりして、たぶん相当悔しがっていますよ！」と、NAOKIとの友情エピソードを話していた。
舞台『熱海殺人事件 Battle Royal』は15日から3月4日まで紀伊國屋ホールにて上演！
