俳優・野村周平（20）、松島庄汰（23）、浜尾京介（22）、松岡卓弥（24）が2日、都内で映画『クジラのいた夏』（監督：吉田康弘／配給：ユナイテッドエンタテインメント）完成披露試写会を吉田監督とともに開催した。
すでに引かれたレールの上を生きることへの抵抗感や、生きる目的を探したいという焦燥感を持った地方都市に住む野村、松島、浜尾、松岡の演じる4人の若者の悩みを、等身大のキャストをそろえて描いた青春ストーリー作品。監督は昨年、『江ノ島プリズム』などで話題となった吉田監督が手がけた。
上映後に拍手で迎えられ登壇したキャスト4人と吉田監督。チューヤ演じる野村は、地方から東京に出るという設定が自身と重なる部分があったそうで、「兵庫から東京に出てくるという気持ちが同じでやりやすかったです」と実体験を交えて話し、司会から「恋愛は忘れられない部分とか重なった？」と、問われると、「僕はさっぱり忘れられるんで」と、クールな返答で、場内を沸かせることに。
松島もJを演じて、「昔は自分もあんな感じでしたのでやりやすかった。そんな感じの柄の悪さでした。高校の頃はヤンチャだったので、それを思い出して芝居に望んでいました」と、苦笑いしつつ、「男として熱さが欲しいと思うので、憧れますね」と、男気のようなものに惚れていたそうだ。
さらに、ギズモ演じる浜尾が「最初話を頂いた時に嬉しくて、なかなかこういう男同士の青春を描いた作品に携わる機会がなかったので、嬉しかったです。それに、ナイーブなところがあるギズモという役は共通点を感じたし、なかなかない役だったので楽しかったです」と、感想を口にする。
一方、2013年に解散した音楽ユニット『サーターアンダギー』のメンバーである松岡は本作の町田役で映画初デビューとなるが、「僕は初めての映画出演でいろいろ緊張していたんですけど、このメンバーでよかったです」と、気負いなくやれたよう。さらに、「僕、最初ギズモ役だったんです。絶対無理と思って、これだけはできないと思っていて、せっかくやし頑張ろうと思っていたら、町田になりました」と、裏話を披露することも。
そんな4人を尻目に吉田監督は目を細めながら、「カワイイ4人が撮れたなと。憎めない可愛らしい4人だったなって。こういう子たちがどこかの地方都市にいてほしいと思った」と、本作への手応えを口にした。
撮影を通して、4人とも仲良くなったそうだが、松岡が「空気読めないとことか自分と若干似てて、実際に一緒にいたらウザいと思うんですけどね」と言い出すと、浜尾は、「僕が楽屋で本を読んでいたら、この漢字読めるって聞いてきて、そのまま話してきて…」と、絡んできたことや、松島が午前5時からロケに行くために車に乗っていた時のことを、「みんな眠いのに1人だけべちゃべちゃしゃべっていて」と、エピソードを披露し盛り上がることとなった。
ほかにも、撮影のときに泊まった旅館が300年続く老舗だったそうで、松岡が「僕、金縛りに遭ったんですよ。すごく怖かったんです。それで周平の部屋に布団を持って行って、『一緒に寝てくれへん』と言って」と、駆け込んだのだとか。するとほかの2人も本当に怖かったため、結局野村の集まってきたといい、4人で過ごす時間が多く絆が深まったそうだ。
最後に、松島が「夏に観たくなるような、『となりのトトロ』みたいな映画になれば」というと、浜尾が「大胆ですね！」と、ツッコミを。その浜尾は今月を持って、芸能活動を引退することを表明しており、本作が最後の出演映画となるが、「みなさまの温かい拍手と笑顔を見れて、ホッとしました」と、胸をなでおろす様子を見せていた。
映画『クジラのいた夏』は5月3日よりシネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開！
