舞台『冬眠する熊に添い寝してごらん』（演出：蜷川幸雄）フォトコールが8日、東京・渋谷Bunkamuraシアターコクーンで開かれアイドルグループ『KAT-TUN』の上田竜也（30）、俳優・井上芳雄（34）、鈴木杏（26）、勝村政信（50）、演出の蜷川氏（78）らが熱演で魅せた。
蜷川氏と小説家・古川日出男氏がタッグを組んだ作品で、物語は100年の時代を超えて語られる、伝説の熊猟師と熊、そして犬の聖なる戦いを縦軸に、奇妙な家訓を持つ兄弟と女詩人、若者たちの愛憎が繰り広げられる舞台となる。上田はエリート商社マンの川下多根彦役（かわしも・たねひこ）で主演し、その尊敬する兄でライフル射撃の選手・川下一（かわしもはじめ）を井上が、伝説の熊猟師役を勝村が、多根彦の婚約者ながら一と惹かれ合い、兄弟の絆や愛の絆が試される女詩人・ひばりを鈴木が演じる。
この日は、4シーンが公開。熊と犬、それを狙う伝説の猟師の死闘。その後、現れた老婆たちから呪いの契約をする場面、川下兄弟の兄弟愛を感じさせるシーン、ひばり登場シーンをキャストが演じた。演出としては、演者がセリフを話しながら通路を通り過ぎるという近さを感じたり、心揺さぶるセリフが数多いものとなった。
初日を迎えるに当たり蜷川氏は昨年11月の製作会見（参照記事：http://japan-newslounge.com/archives/101131）でもぼやいていたような、「理解できないで大変でした」とコメントし、原作の難しさをしみじみと話しつつ、「その分頑張ったからおもしろかったです」と、やりがいがあったそう。
報道陣から「マタギ似合ってますね」と声をかけられた勝村は、「ぶっ飛ばしますよ！」とおどけて、笑いを誘うと、「初めての方が多かったので楽しかったですね。普通の戯曲とは違って大変でしたけど、違うエネルギーが出ていて楽しかったです」と、けいこを振り返った。
一方、製作会見でも蜷川氏に恐縮していた井上は、「10年ぶりに蜷川さんとご一緒させて頂いたんで、なにしろビビってましたよ。セリフだけは完璧に入れてこようと思って、頑張ってました。怖い？はい…」と、いまだその緊張はほぐれず、蜷川氏は「雑誌に出たくないと公言していた」と、からかうと、「呼んでもらえないだろうなと思ってました」と、苦笑いを浮かべる様子も。
井上、上田の2人を舞台上で惹きつける役の鈴木は、「申し訳ございません」と、2人のイケメンの“独占”に「すいませんいいとこ取りで。でも、結構必死にやってます」といい、「蜷川さんのけいこからものすごく本気で向かっていかないとというのがあるので、すごいプレッシャーと、課題を出さえれ乗り越えていくというのも、半分怖く半分楽しい感じでやらせて頂いています」と話すと、蜷川氏は、「大人のいい女になりましたよ」と目を細めていた。
蜷川氏からは本作へ、「普段の演劇にはないような、えっ？これあるかというようなシーンがあるし、みんな参加しているから、観ていただきたい。よかったら笑ってくれて、拍手してくれて、笑ってくれて、全部思った通り観て頂ければといいたいですね」と、アピール。
最後に報道陣から、上田に向かって、「けいこ中に何か投げられませんでしたか？」と、かつて蜷川氏がしていたといわれる、“灰皿投げ”のことが投げかけられると、これには蜷川氏が横から「しねえよ！」と、苦笑いをべていた。
舞台『冬眠する熊に添い寝してごらん』は2014年1月9日から2月1日までBunkamuraシアターコクーンで30公演、同2月7日から同12日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて全8公演で上演！
