女優・倉科カナ（25）が23日、都内で行われた映画『ジ、エキストリーム、スキヤキ』（監督：前田司郎／配給：スールキートス）の初日舞台あいさつに、俳優・井浦新（39）、窪塚洋介（34）、女優・市川実日子（35）らとともに登壇した。司会は元日本テレビの森麻季アナウンサー（32）が務めた。
大人の青春映画のような映画との評価があることに引っかけ、青春一番の思い出を問われた倉科は、「青春ないです」というと、会場からもどよめき市川から、「ないことないでしょう」と問われると、「10代から仕事していたから青春時代なくて。今回が青春時代です。友だちと海なんか行ったことないんで、『何て楽しいんだろ！』と本当に楽しんでいました」と、告白。すると窪塚は、「行った方がいーよー！！」と、明るく叫んだ。
演劇『生きてるものはいないか』で岸田國士戯曲賞、小説『夏の水の半魚人』で三島由紀夫賞、ドラマ『お買い物』でギャラクシー賞優秀賞を受賞。ボーダレスに活躍するクリエイター前田司郎の自身の小説を原様にした初監督作品。音楽に2011年に35年の活動に終止符を打ったムーンライダースの岡田徹が担当。
約1200席はいっぱいで立ち見が出るほどの超満員に前田監督は、「初日の今日だけなのか、ずっと続くのか・・・」と、謙虚に語る。初監督作品の感想を問われると、「もっと素人風に撮れればいいなぁと思ったんですけど、そつなく上手に撮ってしまった」と、納得いっていないよう。市川が、「上手に撮ってしまった？」と、聞き返すと、監督は、「何のトラブルもなく」と、こともなげに言う。
しかし、窪塚が、「ずっとカメラの横にいるんですよ。普通、監督ってモニターを見ているじゃないですか。巨匠になると、テンション上がってカメラの横にいることはあるんですけど。天然な人なのかなぁ」と、撮影中の疑問を口にすると、監督は、「知らなかったんですよ」と、予想だにしない答えに、キャストと会場は大爆笑。
さらに窪塚は、「誰も教えてくれなかった？それで、カメラの横でずっと動いてるんですよ。うなづいたり。気が散るっちゅうの」と、畳みかける。監督は、「笑うと音が入っちゃうのも分からなかったから、助監督に怒られた」と言うと、またまた会場中が爆笑に包まれた。
舞台出身の監督さんで通常と違った演出方法を問われた井浦は、「映画では珍しいですけど、稽古しっかりやった作品です。2週間ぐらい稽古しました。“作り上げる”というよりも“監督の世界観を温度調節していく”という、なかなか映画ではない流れが前田組でした」と、舞台的演出方法だったという。
市川は、「一番最初の本読みの時に、監督が、『この台本には特に何もないんです。でも、お客さんが一緒に旅をしてくれた気持ちになってくれればそれでいいです』と、言われたので、だったら楽しもうと思いました。車や海のシーンは楽しかった」と、まるでプライベートかのよう、心の底から楽しんで撮影したという。
窪塚も、「カメラが回っている時といない時が変わらない現場でした。4人の旅ですけど、知らぬ間に5人目の登場者となっていただければ」と、マジメにあいさつした。
その窪塚の髪の毛が撮影当時は、クルクルだったので、「何かに似ているなぁ～」と、市川が言うと、窪塚は、ファイティングポーズからシャドーボクシングのポーズ。市川は、「具志堅さーん」と言うと、窪塚が「シュッ、シュッ」と、シャドーボクシングを始めていたと、仲のよさが感じられる秘話を。
フリーターの大川（窪塚）のもとに学生時代の友人で15年間、絶縁状態だった洞口（井浦）が現れる。「縁切った人と会っちゃったら、縁切れてねぇじゃねぇか」という大川に、「だからつないだんだよ」という洞口。半ば強引に、同棲相手の楓（倉科）と洞口の元恋人だった（？）京子（市川）の4人で海に行くことになる。1日だけの特別（エクストリーム）な旅が始まる。15年前の自身らの傷となった過去に向き合う青春ロードムービー。
同作品は、23日より全国ロードショー
