アイドルグループ『KAT-TUN』の上田竜也（30）が1日、都内ホテルで舞台『冬眠する熊に添い寝してごらん』製作発表会見に演出家の蜷川幸雄氏、小説家・古川日出男氏、俳優・井上芳雄（34）、鈴木杏（26）、勝村政信（50）とともに登場した。
渋谷のBunkamura25周年を記念した第1弾となる舞台。蜷川氏と古川氏のぶつかり合いが生むエネルギーを感じさせる作品で、上田は蜷川氏演出の舞台に初出演となる。物語は100年の時代を超えて語られる、伝説の熊猟師と熊、そして犬の聖なる戦いを縦軸に、奇妙な家訓を持つ兄弟と女詩人、若者たちの愛憎が繰り広げられる舞台となる。上田はエリート商社マンの川下多根彦役（かわしもたねひこ）で主演し、その尊敬する兄でライフル射撃の選手・川下一（かわしもはじめ）を井上が、伝説の熊猟師役を勝村が、多根彦の婚約者ながら一と惹かれ合い、兄弟の絆や愛の絆が試される女詩人・ひばりを鈴木が演じる。
スーツ姿で現れた上田。蜷川氏から「上田くんは個性が強くて、自己主張が強そうだなと見ていましたから、暴れ馬を乗りこなすような気持ちで臨みたい」と紹介をされ、上田も「暴れ馬の上田です」と笑いながら乗っかり報道陣を沸かせる。
自身のキャラクターについて、「とても真面目で、無邪気で、純粋で、恋人が大好きで、その半面すごく繊細な心の持ち主で、心の奥底に狂気を持っているキャラと思っています」と、しっかり掴んでいる様子を見せ、「久しぶりの舞台ということと、初めての蜷川さんの演出で出させていただくことは光栄です。多少の緊張ももちろん持ち合わせているので、すばらしいキャストのみなさんを頼りにして精いっぱい務めさせて頂けたらと思っています」と、共演者らへ一礼する様子も。
見どころとしては、「兄貴とのやりとり、恋人とのやりとりが斬新だなと思いました」という上田。すでに役作りにも意欲を燃やしてるようで、「普段使い慣れない言葉も出てくるので、会見が終わったら聞いてみたいなと思いますね」と、意気も高い。
そんな上田を抜てきした理由について蜷川氏は、大阪のジャニーズの舞台で亀梨和也（27）を紹介された後、「『KAT-TUN』を注意してみると、どうも目障りな人がいて、ちょっと素直じゃなさそうに見える。変なということはないですけど、角度が違う人に親近感を持つんです。上田さんを一緒にどうかなと言った時に、『一緒に仕事させてください』と言いました」と明かすと、これには上田も苦笑いする様子も。
ちなみに、ジャニーズをキャスティングすることが多い蜷川氏へ、そのことへ質問が飛ぶと、「ただものじゃない集団で、みんなよく勉強するし、ともかく寝る時間惜しんで勉強してきますね。松本（潤）くんもに二宮（和也）くんもそうでしたね。努力をしていまの立場を維持していて、中途半端な売れている俳優とは違う。それでいて、一緒にやった人を味方にしてしまう。優秀な連中がいっぱいいるんです。そういうので困ったときにお願いしている」と、しみじみと話すと、上田は、「努力するというところにかんしては、僕達ジャニーズは俳優さんとかみたいに専門的にやっているわけではないので、人の何倍も努力しないと、同じステージに立てないと思っていますので、そういった心構えではありますね」と、真剣に語っていた。
蜷川氏が席をはずした囲み会見では、蜷川氏について、上田は、「岡田（准一）さんとお話する機会があって、けいこをこうしてたとか聞きましたね。岡田さんは台本のセリフを変えてしまって怒られたと聞いています。僕は先輩の教えを守って一言一句変えないで行こうと思います」と、エピソードとともに姿勢を。
ほかにも、蜷川氏といえばけいこ中に灰皿が飛んできたという逸話もあるくらいだが、上田は「ジャニーズの方も振付に厳しいですし、そういう生活には慣れています。ボクシングもやっているので、殴られるようなことがあったら、がっちり後ろに手を組んで、受け止めます」と、おどけ笑いを誘っていた。
また、先日ジャニーズ事務所から契約解除となり『KAT-TUN』を脱退した田中聖（27）について問われると、「5人で話し合って、完全に前を向いて動き出しているし、僕らが前を向いていかないと、お客さんもついてこれないと思うので、KAT-TUNはKAT-TUN、田中聖は田中聖でみんなそれぞれ応援して頂ければ」と、コメントしていた。
舞台『冬眠する熊に添い寝してごらん』は2014年1月9日から2月1日までBunkamuraシアターコクーンで30公演、同2月7日から同12日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて全8公演で上演！
