歌舞伎俳優・坂東三津五郎（57）が2日、都内で退院会見を開いた。
三津五郎は、7月中旬の健康診断ですい臓に腫瘍が見つかり、8月31日から入院してその後、手術していた。
3日付のスポーツニッポン、デイリースポーツ、スポーツ報知、東京中日スポーツ、サンケイスポーツ各紙が報じており、腫瘍は悪性で、すい臓がんだったというが、「術後の経過は良好で、本日午前に退院しました」と、冒頭から笑みを見せた。
「50年間、無欠勤で来て、ついにこの日が来たかと思った。健康診断は10月に予定したがん検診を早めたもの。すい臓は見つかりにくいのに20％以内の確率で見つけてもらった。ゆっくりしろという天の啓示と思った」と、話していたという。
8月の歌舞伎座『納涼歌舞伎』は主治医の許可を得て強行出演した形とな三津五郎だが、親友の故・中村勘三郎さんと始めた公演だけに「僕までいなくなるわけにはいかない」と、踏ん張ったという。
今後は投薬治療を受け、1週間に1回通院するそうで、出演予定だった11月の巡業公演と12月の東京・歌舞伎座公演は休演し、治療とリハビリに専念するとのこと。「体力回復に努め、何も考えず療養に専念したい。先輩から預かった芸の荷物を次の世代に早く渡さないといけない。それが自分の一番の責務だと思っています。まだまだ負けるわけにいかないと思っています」と、歌舞伎への情熱を見せた。
