NO IMAGE

奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ

奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
6年ぶりに親子“競演”の奥田瑛二(右)と安藤サクラ(左)

 俳優で映画監督の奥田瑛二(63)、二女で女優の安藤サクラ(27)3人が18日、東京・日本外国特派員協会で行われた映画『今日子と修一の場合』(監督:奥田瑛二/配給:彩プロ)の外国人記者向け試写会&記者会見に登壇した。なお、その夫で俳優の柄本佑(26)は舞台稽古が長引いいたため、会見に間に合わず、急きょ、欠席となった。

 2007年の『風の外側』以来の娘の起用となったが、奥田監督は、「彼女も本格的にデビューした映画ですので、父親でありながらもどういうふうに成長するかと言う目線でいた」と、当時を振り返り、「6年経って、彼女も見事に女優として、第一線、第一級の女優として成長したわけですから、今回は、彼女に逆に全てをゆだねた。という気持ちで演出した」と、やや緊張気味に語り出した。

 それに対して安藤は、「変わらなかったです」と、飄々と言って会場を和ませる。そして、「親子だし他の監督と違う監督と出演者と言う見方があって、何度一緒にやっても何年、間があこうが、結局、形は変わらないんだろうなと思います。以前よりリラックスして出来ました」と、感想を。

 続けて、「以前よりお金のことが気になるようになりました。独立プロとして、映画を作る制作資金は家のお金なので、(一緒にいると)ここを節約すればいいのにと、フラストレーションが増えた」と、笑わせた。

奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ

 これには奥田監督も大笑いしながら、「(3度の破産を経験したフランシス・)コッポラがうらやましいですよ」というと、安藤は、「女優としてより娘として、こうすればもうちょっとお金が(かからないのに)というフラストレーションが増えてしまった」と、さらに追い打ち。奥田監督は、「お金の使い方は(低予算・早撮りで知られる)クリント・イーストウッドを見習ってます」と、一言。

奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
緊張した面持ちの奥田瑛二監督

 同映画は、東日本大震災をテーマにしているが、被災地の宮城県南三陸町を選んだ理由について奥田は、「3月11日に地震が起きて、いろんな方が、『変わらなければならない』という意識持ちました。私も義援金や支援金を募ったこともありました。それから半年が経ち、これからどういうふうに津波、福島と向き合っていったらいいか考えるようになりました。そして、8ヶ月が経ったときに友人から『南三陸町に一緒に行かないか』と誘われました。ちょうど、(私自身も)訪問したかったので、行こうと言う意識が一致して行きました」と、誘われたことがキッカケで南三陸町を初めて訪れたという。

 続けて、「それは東京の自宅に居ながらにしてニュースや映像で見ているのと違い、自分で現地の様子を目の当たりにして、強烈な驚愕に襲われました。自分は何なんだろうと自問自答する自分がいました。そして、一つしか答えが当然のことながら見つかりませんでした。自分が映画を撮ることだ。しかし、映画を撮るにしてもどういう映画を撮ったらいいか。自分にしか撮れない映画。メジャーでは撮れない映画。インディペンデントでしか撮れない映画。人が誰しも持っている感情を表現する。男と女、人とはどうあるべきか。そこから表現したいなと思いました。ぼくの映画のテーマは社会の病巣を捉えること。津波という大自然の猛威もテーマで、心の中の津波も描きたいと思いました」と、映画を撮ろうとした理由を信連な表情を崩さずに語った。

 被災地の方々は、この映画を観たか問われた奥田監督は、「若干名の人が試写として東京までいらっしゃいました。その中の、あるご夫婦が泣いていらしたのが強烈な印象でした。そして、泣きながら、『ありがとうありがとう』と言われたのが印象に残ってます。奥様が、『この人、ずっと泣きっぱなしなのよ。映画のラストを見てから』そうおっしゃいました。いまでも被災地の方がこの映画を観たら、どう思われるだろうという不安があります。作った以上、100%の責任を持っています。ぜひとも南三陸町の人たちに観ていただきたいと思っています」と、力強く語った。

奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
「心の津波」は今日初めて聞かされたという

 奥田監督が「心の中の津波も描きたい」と言ったが、そのあたりをどう演じたのか問われた安藤は、「“心の津波”は今日初めて聞いたので、それを念頭に置いてないです」と言って、笑わせると、奥田監督は、「余計なことは本人には知らせない方がいい」と、意図を安藤に伝えなかった理由を付け足す。

 それを踏まえて安藤は、「ラストに至るまでの感情を知らなかったのは別にして、特に、演じる上で何か感情的になるとかあまりなかったです。彼女自身に何かあったという人でもないし、共感するものもない。ラストを先に撮って良かったなと今も思います。逆に、先に感情の津波みたいなのが起こってそこに帳尻を合わせて、前半部分を撮れたのはよかった。でも、とても今日子という女性は、けっこうよくいるタイプの女性ではないかと思います。修一、今日子のバランスがとても好きです」と、演じた感想を述べた。

 東日本大震災の被災地を舞台に、心のよりどころを失くした2人の若い男女を通じ、まだ癒えることのない日本の傷跡を生々しく晒すと同時に、過去に犯した重い罪を背負いながら、ふたたび人生を生きようとする男女の姿を力強く描いたヒューマン・ドラマ。

 同映画は、10月5日から全国で公開

 

奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ


奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
初めは緊張していた安藤サクラ
奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
「女優としてより娘として製作費が心配だった」とサクラ
奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
むすめからの一言に参りっぱなしだった奥田
奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ
東日本大震災をテーマにした映画


奥田瑛二監督、娘・サクラと6年ぶり!「女優として成長」に「娘として制作費が気になった」とチクリ

広告