俳優・上川隆也（48）、柳下大（25）、里見浩太朗（76）、女優・倉科カナ（25）、賀来千香子（51）が29日、東京・赤坂ACTシアターで舞台『真田十勇士』（演出：宮田慶子）プレスコールを開いた。
戦国時代末期、豊臣家がの明暗を分けた合戦となった大阪夏の陣が舞台。そんな最中でも、豊臣家への忠義に生き、知力を尽くして幾度となく徳川家康（里見）を窮地に追い込んだ武将・真田幸村（上川）の奮闘ぶりが生き生きと描かれる。
プレスコール前に開かれた会見では5人が舞台衣装で登場することに。上川は座長を務めてみての感想を尋ねられ、「非常に幸せな時間でした。恵まれた稽古環境で過ごせた2ヶ月でしたので内実ともに充実した日々でしたし、早くお客様にお見せしたい気持ちでいっぱいです。初日が心待ちで仕方がない」と、仕上がりに自信を見せる。
『水戸黄門』の黄門様役などで、最近は威厳で敵を平伏させてきた里見に、「殺陣もやるんですね？」と報道陣が質問すると、「『殺陣もやられるんですか？』というのは『おや？』と思うんです。立ち回りをやるのは本職ですからね」と、ピシャリ。続けて、里見は、「年を取ったけれど、足腰しっかり動いてるよな？」と、猿飛佐助役の柳下に同意を求めると、柳下は「はい！」と、大きくうなずく一幕も。
全員が全員動きまくるのが本作の特徴のようだが、里見は、「疑問に思うくらいみんな動いているんです！僕も何十年も立ち回りの世界で生きていきましたけど、動きます。兄弟のように血がつながってるように、チームワークができ上がっているんですこれが素晴らしい」と、熱弁し「それが真田十勇士の見せ場なんです」と、アピールする。止まらない里見は柳下も絶賛し、「彼は本当にすごい、よく鍛えたなというのが見どころです！」と言わしめるほどだった。
一方、女忍のハナ・花風を演じる倉科は、「舞台が怖くて怖くてしょうがなくて、殺陣で足を引っ張り、小さく小さくなっていましたが、みなさんに恥ずかしくないように頑張りました」と、恐縮しながらコメントすると、上川が「堂々としてましたよ」と、逆の話が飛び出し、報道陣から「怖さ取れました？」と問われると、「ノーコメントで」と、苦笑いしていた。
上川へ本作の見どころについて話が向くと、「抜粋して話すのが難しいですね。豪華絢爛な衣装の数々で、殺陣もそうですし、今回描かれていく物語のなかに、大きなトリックも隠されていますし、敵にもストーリー的にも楽しい作品です」と、ここまでが前置きで「正直に申していいですか？全部です！」と、声を張り、これには報道陣も笑みを見せていた。
会見終盤には、製作会見の際に里見が「若いファンをごっそり奪い取る」と宣言していたが、それはいまも変わらないそうで、「その気持ちでやっている。水戸黄門で立ち回りを押さえられたけど、僕としては納得の行く殺陣になっている。家康はこの物語では11人の敵ですからね。大将と一騎打ちなので久しぶりに立ち回りをやらせてもらったなと。だから、猿飛佐助もいるけど、真田幸村のファンもいるけどこちらに来いよ！」と、意気軒昂な様子を見せ報道陣は大爆笑。
この発言に上川は、「僕らは稽古場から魅了されてますので、それが客席にも伝わっていくと思います」と言うと、柳下は「もしこれをきっかけに、若い世代の僕のファンも時代劇に興味がなかった人が興味を持ってもらえたら」と、つないでいた。
舞台は勾配の強いものとなっており、時代の流れが舞台に反映されるという意図があってのもの。その勾配の急な舞台などを客席の間も俳優陣が駆け回る姿は、壮大さを感じさせる仕上がりとなっている。
舞台『真田十勇士』は8月30～9月16日まで同所で、9月21～23日には名古屋・中日劇場、10月3～6日には大阪・梅田芸術劇場メインホールにて！
