ヒップホップMC・Zeebra（42）とDJの小林克也（62）が18日、東京・丸の内TOEIで映画『エンド・オブ・ウォッチ』（監督・脚本：デヴィッド・エアー／配給：プレシディオ）公開記念トークイベントを開いた。
ギャングがひしめき重犯罪が多発すると言われている世界一危険な街“L.A.サウス・セントラル”を舞台にずば抜けて高い検挙率を誇る白人巡査テイラーとメキシコ系巡査ザヴァラの活躍が描かれる。本作の演出は独特で、ギャングが手にしているデジカムや、パトカー内に搭載されたダッシュボード・カメラなどつねに4機のカメラによって“目撃”されたような臨場感が得られるという意欲作となっており、小林は「この手法は真似られていくんじゃないかな」と、映画の新たな可能性を感じさせる仕上がりとなっている。
Zeebraは新曲『Sound Of Money』が持つ危険でリアルなイメージと映画のイメージが合っていたことから、本作公式ホームページの楽曲でタイアップしており、「次のアルバム用に作っていた曲なんですけど、この“金の音”は、映画は結局はお金の事だったりにつながっていくので、ストリートの雰囲気にマッチするかなって」と、思いを。
小林とはヒップホップの歴史を話しつつ、サウス・セントラル地区の話題になると、Zeebraは「昼間は子供たちも住んでいて平和かなと錯覚するんですけど、暗くなると一気に妖しくなりますね」という。小林もその周辺で育ったというヒップホップDJのスヌープ・ドッグ（41）の話題を挙げながら、「メジャーデビューしたころに、卒業アルバムを見たら、そこに写ってる人の半分はもう死んでるって」と、過酷な環境であることを話す。
そんな土地を題材にしている本作だが、出来についてZeebraは、「リアリティとフィクションの境目のなさ加減ですね。脚本はあるからフィクションなんだけど、全部がドキュメンタリーのような映画で、楽曲作成前に最初フィクションだという意識をせずに観て、『警察24時』的な感じだったり、YouTubeの生の映像に近い感じがした。最近そういうのばっかり観ているんで境目が分からないんです」と、身振り手振りを交えて熱っぽく語っていた。
さらに、Zeebraは「おまわりさんってこんなに大変なんだというのは感じたほうがいいよね。自分は42歳でいい年ですけど、人の前に出る職業で、クラブでお酒飲んでよっぱらって暴れる人がいたり、風営法でダメをいわれることがあったりですが、逆のおまわりさんの視点で見ることも大事かなと思いました」としみじみと語り、自身ならではの楽しみ方も明かしていた。
ほかにも見どころを「女性の警官も出てくるじゃないですか、大変だなと思いました」というZeebraに、小林は、「2人のパートナーのノリをカットを変えるだとか、キツイことをいうのを丁寧に描いている。だけどそれがあるから、心に残る部分がある。2人の男がめちゃくちゃ残ってる」と、アピールしていた。
本作は8月17日より丸の内TOEIほか全国ロードショー！
