ファッション誌『AneCan』（小学館）の専属モデルとして活躍している押切もえ（33）が11日、処女小説『浅き夢見し』（小学館）の出版記念握手会を行い2000人のファンが駆け付けた。
売れない25歳のモデルが困難に立ち向かいながら夢をかなえていくストーリーで、押切は、「もっと充実した日々を送りたいと思っている方。女性はもちろん、夢見ることに疲れた方とか、お仕事に疲れた男性にもぜひ読んでほしい。書いているうちに浅い夢でも見て追い続けた方がいいと自分でも思っていて、大人になってからの夢を追い続けていくのは難しいけど、明るく前向きに」とPRした。
初の長編小説に押切は、「書き始めてから3年かかってしまったので、終わったというかこうして形になったのが、すごく嬉しいです」と、率直な感想を述べると、「最初、書き方が全くわからなくて、挫折した数ヶ月があります。書き出しは書けたんですけども、その後の展開とどう終わらせるかを悩みました。普段のお仕事も大事にしながらだったので、パニックになりました」と、苦労の連続だったと振り返る。
小説を書こうと思ったキッカケについて、「エッセイは書いたりしていますが、フィクションという形をとることで、自分の感情をより掘り下げて書くことができる。モデルの私の立場からは言えないこと、伝えたいことをフィクションの話を通してだと、みなさんもスッと伝わってくれるのかなとか読んでくださるのかなと思って書きました」と、説明。
華やかなモデルの世界の裏側も詳細に描かれているが、「華やかに見えて地味なところあります。待ち時間が長いとか、
オーディションに落ちるシーンや書き出しの部分の仕事がないときのことは、自分でも経験あることで、その心情は細かく書いています」と、実体験から得た心情を反映させている。
しかし、その後の登場人物や起きる事件は全部フィクションで、「妄想が広がり過ぎちゃって、主人公にいろんな試練を与えたので、ここまではないだろうと、書きすぎてしまったところがあるので、みなさまからどういう反応をいただくか、不安でもあります。ただ、一番言いたいことは、そういうことがあっても、夢を見ていくこと、追いかけて行くことはすごく大事で、前に進んでみることがすごく大事なんじゃないかと主人公から思っていただければ」と、真意を語った。
また、「今回はモデルというよくわかる世界を舞台に描きましたが、全然、違う職業、例えば、全く知らないスポーツの世界などで、頑張ってもがいている人をまた書けたらいいなぁ」と、次回作に意欲を示した。
8月7日発売された同小説は、初版1万部で、すでに8000部の増刷がかかるほど売れ行き好調ということで、「印税も？」と、問われると、「全然です。書けたことで嬉しかった」というと、「官能小説は？」と、意地悪な質問が飛ぶも、「挑戦する日も来るかもしれません。書きたくて仕方ない日がくるかもしれませんね」と、笑いながら、オトナな対応でサラリと応えた。
売れ行き好調ということで、映画化やドラマ化という展開も考えられるが、「本を書き終わる前に、『やらしい下心を出すといい本にならないぞ』といわれていたので、何にも考えていないです」としながらも、「主人公の役は、みるからに応援したくなる感じのキラキラした目を持つ女の子がなってくれたらいいと思います」と、イメージを語った。
小説の中には恋愛事情も描かれているが、実際の自身の恋愛については、「タイトルと同じぐらいの浅いふんわりした感じですかね」と、笑顔ながら、はぐらかした。
押切自身の今後の夢は、「モデルの仕事をずっと続けていくことが一つの夢です。怠けたら続かない仕事なので、自分を磨き続けながらお仕事できたら嬉しいですね。プロデュース業とかやらせていただいているので、やっていけたら嬉しいです」と、語った。
同小説は、1200円（税別）で絶賛発売中
