女優・常盤貴子(41)、俳優・田辺誠一(44)が29日、都内で行われたメーテレ50周年ドラマとして放送された『ゆりちかへ ママからの伝言【特別編】』(テレビ朝日系/監督:若松節郎)のDVD発売記念イベントに出席した。
このドラマは妊娠と同時にガンが発覚したテレニン晃子さんの強い生き方、実話を元にした感動の物語。2013年1月26日にスペシャルドラマとしてテレビ朝日系列全国24局ネットで放送された、母から子への切なくも深い愛情が描かれた感動のドラマ。ディレクターズカットの【特別編】としてDVD発売。
常盤は、「今日がこういうトークイベントだということをさっき知りました。ビックリしています。記者会見なんだと。しかも長いですね、45分って」というと、若松監督も「ぼくもトークイベントだと知らなかった。DVDイベントというザックリとした枠できました」と、同調。
マスコミを前にした記者発表会だと思って会場に来たら、大勢のお客さん、しかも近い距離でのトークイベントだったとわかりビックリ。しかも、セリフがないフリートークが苦手な役者さんや監督は多く、心の準備ができていない様子。
そんな小さなハプニングで、スタートから笑いが起こり、逆に緊張がほぐれたのか、トークは撮影秘話など、スムーズに展開した。
放送が終わってからの反響について、常盤は、「すごくよかったですね。みなさんいいリアクションをたくさんくださいまして。現場も温かかったし、見た方も優しくしてくれて。やってよかったなと、オンエアになってから思えた作品でした」と、感想。
田辺は、「メールはきてましたね。普段は意外に友達見てくんないんですよ。あまりリアクション来ないんですけど、これは来ました。子供がいる友だちとか多いので、自分のことのように感じて切ないとか。感動したとかもらいました」と、周りの反響の大きさを語る。
監督は、「心がポカポカ暖かくなるドラマだったなぁと。常盤さんがメッセージを書き始めた時に、夢と希望に満ちあふれていて、その時間が幸せに感じました。幸せに見えました。子供が欲しくなりましたというメッセージもらいました」と、紹介した。
撮影を振り返っていた若松監督が突然、「常盤さんに騙されました」と、語りはじめる。なんでも、「歌のシーンがあるものは出ませんと言われたので、歌のシーンを止めて、ギターのシーンに変えたんです。そしたら、舞台で大きな声で歌っているんですよ」と、暴露する。
常盤は、「違うんです!『歌うんですか? 歌は苦手なんで考えちゃうな』って言ったんです。舞台で歌っている状況は、舞台の脚本に読み慣れていなかったから、その部分が歌だと気づかなかったんです。練習の時に、『え、歌なの?』と、しょうがなくそんな目に合っているだけで」と、必死に釈明する。
そこへ、さらに監督が、「初めて会った時に(常盤さんが)2時間遅れてきた。14時と4時を間違えたと。これで強気に出れました」とさらに口撃。夫役の田辺も、「小学生の間違え方」と、とどめを刺す。常盤は、さらにオロオロしながら、「すみません」と謝罪し、「普段は(遅刻は)ないんです、どうしてだぁ、違うんです」と、顔を赤らめた。
それでも監督は、「ゆりあちゃん役が5世代。常盤さんがお世話を全部現場でやってくれて、母親のようにね」と、持ち上げる。これに、ようやく平常心になった常盤が、「いつの間に私になったんだろう」と言うと、田辺が、「芝居する上で、密にね」と、コミュニケーションの重視を上げる。
さらに、常盤が、「本番までの間は、助監督さんやスタッフさんが面倒見てくれるんですけど、本番になると、私たち俳優陣しかいられないから、助監督がついていけない。だったら最初から私たちがと。みんな可愛かったんですよ。みんないい子たちばっかりで。楽しかった」と、状況を説明する。
これに田辺も、「お風呂に入れているシーンは役柄でも慣れない。(お預かりしているお子さんなので、)気をつけて。ちょっとでもツルッとなると怖い」と、男性ならではの心情をかたると、監督は、「俳優さんがこういう人たちだと、無敵ですね」と、持ち上げる。
一番お気に入りのシーンとして監督は、「支えているように見えるけど、実は支えられていたと彼女が感じるシーンがあるんです沖縄で。そこが大好き。似合うカップルだった。病室で手紙書いている時、本当にキラキラしていた。変わったと思った」と、褒める。
常盤はテレニン晃子さんについて、「唐津の女が明るいんでしょうね。どんな時でも唐津の太陽を浴びていた。あの中で育った人と思っていたいなぁ」と、役作りへの留意点を。
この後、会場からの質問で、休日の過ごし方を問われると、田辺は、「旅行が好きなので、計画立てたり、行ったりしています。風景の写真集を見てウットリしています。住宅が好きなんですよね」と、趣味を明かした。
常盤は、「私は暗くて、ジッとしている。本が好きなので休みの日は、重ねておいた本をドンドン読んでいく。漫画、小説、エッセイ、絵本をかたっぱしから読んでいくのが好き」と、読書好きだという。
最後に、感想とPRを求められると、常盤は、「トークイベントということで緊張しましたんですけど、優しく温かく観ていただき、ありがとうございます。(みなさんと身近に)接する場がないので、楽しい時間を過ごせました。晃子さんの願いなんですけど、一回だけじゃく、何回でもゆりあちゃんにお手紙描いて頂けたらと思います」と、アピール。
田辺は、「何年も何年も生き続ける作品。実際のご家族の時間は続いているわけで。皆さん、思いを寄せられていると思うので、それが嬉しいです」と、感謝した。
監督は、「勇気と希望をもらえるドラマだと思います。家族と言う大切なモノがあり、もう一回、兄弟や両親や家族に支えられているんだなと認識できる気がする。とても大切にして行きたい。高額なお金を使って、テレビドラマを作る時は、意味があるものを世に出したいと思っていますが、とても、意味のあるものが出せたかなと思っております。友だちや、関係する人たちに、宣伝をもう一回していただければ」と、満足気に語った。
このドラマはテレニン晃子さんの強い生き方、実話を元にした感動の物語。「私、お母さんになりたいの」。そんな思いを抱いていた主人公の晃子だったが、残酷にも妊娠と同時にガンが発覚…。 我が子を産むか、母体を優先するか、無常すぎるほどの究極の選択──。
原作は『ゆりちかへ ママからの伝言』(著:テレニン晃子/書肆侃侃房)、『ゆりちかへ ママからの伝言』 (著:テレニン晃子/幻冬舎文庫) 、関連書籍として、『もう一冊のゆりちかへ―テレニン晃子さんとの日々 (著:田島安江/幻冬舎文庫)
同DVDは4515円(税込)で絶賛発売中