映像作家の大友克洋監督(58)が22日、東京・ビッグサイト内で開催された東京国際アニメフェア内のステージでアニメーション映画『SHORT PEACE』製作発表会見に森田修平氏、安藤裕章氏、カトキハジメ氏、森本晃司氏、岸啓介氏、石井克人氏、田中達之氏、浅沼誠プロデューサーとともに登壇した。
アニメーション映画『AKIRA』の大友監督を筆頭に日本のトップアニメーターが集結し“日本”をテーマに“固有の文化”、“歴史”、“サブカルチャー”、“未来”を描いた4つのショートストーリーを4人の監督で手がけることとなった。
今回のテーマが日本になったことについて、大友監督は、「今回の企画は震災前からあって震災とは関係ないんです。当時、“クール・ジャパン”として日本の文化を世界に発信していこうという動きがあって、くくりが大きいですけど、“日本”がテーマになると思ったんです。あんまり深く考えているわけじゃなくて、全体で日本になればいいのかなと」と、コンセプトを明かすことに。
当の大友監督は18世紀の商家の娘・お若と幼馴染・松吉の恋を下敷きにした江戸の大火事を描く『火要鎮』を手がけ、「短編の企画をたちあげて、10分くらいですので時代劇かなと思っていました。あまりCGに頼らずに、手で描いた柄を着物にハメ込んでみたりしたかった。火事の表現も絵巻物のようなテイストのものをやりたいと思っていたので、実際にやれて楽しかったです」と、説明。ただし、「短いと思って『あと5分!』と言ったら『長い!』と言われて」と、裏事情を明かすことも。
個人的に気になっているクリエイターについて尋ねられると、「いっぱいますけどね」と個人名はとくに出さなかったが、「漫画、イラストの世界では世界中で新しい人がどんどん出てきているから、良い環境だと思います。ただ、アニメーションも新しい人間が参加するのは難しいですけど、もっと新しい人が入ってきて活気づけてほしいと思っています」と、未来のアニメーターにエールを送った。
今後、長編の企画はないのかとの質問が飛ぶと、大友監督は、「企画は出していますけど、劇場に対する資金集めが厳しい時期があって、普通の映画の上映が伸びてしまったりとかしてしまったことがあった。少しずつ回復しつつあるので、動き出すのではないかと期待している」と、何かしらの動きがあるようだ。
また、奇しくも作品の公開日となる7月20日は、宮崎駿監督(72)の新作『風立ちぬ』の公開日と同日となっているが、このことを質問されると、「たまたまそうなったんです。ジブリには敵わない。ですので僕らは僕らで頑張るしかない」と、コメントしていた。
アニメーション映画『SHORT PEACE』は7月20日より上映開始!