女優・松嶋菜々子(39)が13日、都内で行われた映画『藁の楯(わらのたて)』(監督:三池崇史/配給:ワーナー・ブラザース映画)完成報告記者会見に俳優・大沢たかお(45)、藤原竜也(30)、三池監督(52)とともに出席した。
木内一裕原作の小説『藁の楯』を三池監督が映画化。連続殺人犯の清丸国秀(藤原)に孫娘を殺害された日本の財界を牛耳る蜷川隆興は、「この男を殺してください。御礼として10億円お支払いします」と、全国民に10億円の懸賞金をかける。48時間のタイムリミットで、1200kmという移送距離を銘苅一基(大沢)、白岩篤子(松嶋)らSPたちが、清丸を殺そうと襲い掛かる日本国民たちから身を挺して守り続けるが…。
氷室京介が歌う主題歌「NORTH OF EDEN」が流れる中、松嶋は同作のために切ったというショートカット姿で、緑のワンピースをまとい登壇。日本テレビの藤井恒久アナウンサー(43)がMCを務め、会見は進行した。
まず、主演の大沢が「昨年の夏に日本、台湾で撮影して、ようやく完成しました。いままで見たことないようなスケール感とスピード感と重厚感で、日本映画でこういうものができるんだなと、心が震えた作品になりました」と、感慨深く挨拶。さらに「これほど手足を縛られた感じで仕事したのは初めて。いままで経験したことのないことばかりだったので、役者冥利に尽きる時間でしたね。全幅の信頼も持てるし、監督の演出が上手いので、微妙なプレッシャーになりました」と、三池監督の作品に初出演した感想を語った。
劇中で大沢とSPとしてタッグを組む松嶋は、「最初に監督から『車がドドーンとなってバーンとなってボーンとなってドカーンってなる』というイメージで熱く語っていただいたけど、まさにその通りになっていて、素晴らしいと思いました」と、報道陣を笑わせる。
松嶋も三池組初参加だが、「三池組はお互いを信頼しあって任せているという感じで、監督も言葉少なに『次はバン！だから』でみんなが動くところが素晴らしい。『明るく楽しく仕事はしようぜ』という感じで、現場の雰囲気を明るくしたくださって、凄く楽しくやらせていただきました。こんなに時間をきちっと守る監督っていないと思う」と、三池監督を称賛。
屈強な男性が並ぶ中、女性SPを演じているが、「男性に見えるように努力しました。動きや見た目もそうですし、しゃべり方とか。アクションは思ったより少なくて、息を合わせるのが大変でした」と役作りについて話し、「仕事は仕事と集中力で分けるというところに共感しました。同じ子持ちとして、自分には守るものがあるというところを表には出さないようにしたけど、気持ちの上ではそういう思いが深くなった」と、子育てしながら仕事もするという自分自身の生活にも置き換えていた。
また、ここで大沢が「衣装が物凄い緑なので、気になってるけど、よくお似合いだなと(笑)」と松嶋の衣装をイジると、松嶋も「さっき『間抜けですよね』って言われた(笑)」と笑顔になり、場内が和やかムードに。凶悪犯役の藤原も、「毎日キレイでした。物凄い暑い時期に山の中で撮影したんですけど、客観的によく耐えたなというか、向き合っている印象でした」と、松嶋を褒めた。
三池作品の出演は02年の『SABU～さぶ～』以来という藤原は、「あの松嶋さんに失礼な数々のセリフを言って、あの大沢さんに失礼な悪態をついてしまった。ぜひ日本の全国民に嫌われたいなと思います」とコメント。清丸の役柄について、「割と幼稚で、何考えてるかわからないところがあって、僕とそう遠くはないキャラです。腹の中で人のことを笑ったり、暴言吐いてみたり。皆さんの中にもあるでしょ？」と、ほこ先を報道陣に向けていた。
三池監督から「炎天下の中、松嶋さんが物凄い熱いアスファルトに寝転がるシーンがあるんですけど、『仕事しながら岩盤浴している感じでお得です』って。凄い方だなと思った」と、プロ根性を讃えられた松嶋は、「暑かったですけど、暑いと言っても涼しくはならないですし。いつも受け入れています」と、クールに返答。
同作にちなみ、「10億円手に入れたら？」という質問には、大沢が「普通に貯金する」、藤原が「貯金して、ちょくちょく使います」と堅実に答える中、松嶋は「ぜひ山中教授の研究にあてていただきたいので、寄付します」と、昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授(50)に寄付したい意向を示したが、「でも、1億ぐらいならちょっと(自分で使いたい)」と、ついつい本音も。三池監督は「俺は逃げるでしょうね。10億なくなるまで、姿を消します」としたが、「ワーナー・ブラザーズに借金返すかもしれない。『赤字分すいませんでした』って(笑)」と、配給会社に過去の負債を清算したいようだ。
「もしハリウッドからリメイクの話がきたら？」という問いかけには、大沢が「銘苅の役は来ないと思うので、清丸あたりを狙っていこうかな。藤原君は日本だけど、僕は世界全員を敵に回す野望があります」と、不敵に笑ってみせた。
なお、公開に先立ち、100万円の極上の接待をゲットできる『100万円で接待します。キヨマルキャンペーン』が、本日13時よりスタート。キヨマルサイト(www.kiyomaru-site.jp)にアクセスして、スゴロクの要領で見事移送に成功した人の中から抽選で1組2名が、100万円の接待を一日で体験できる。これに松嶋も「頑張って応募します。こっちのほうがやった！って感じがします」と、胸を躍らせていた。
4月26日、新宿ピカデリー他全国ロードショー。
