フリーアナウンサーの滝川クリステル(35)が2日、都内で行われた映画『ひまわりと子犬の7日間』(監督:平松恵美子/配給:松竹)チャリティ親子試写会に井上信治環境副大臣(43)、平松監督(45)らとともに出席した。
2007年、宮崎県の保健所で起こった犬と人間の奇跡の実話を映画化。20年間、山田洋次監督の共同脚本・助監督を務めてきた平松監督がメガホンをとり、一匹でも多くの犬を助けようとする保健所の職員・神崎彰司を堺雅人が演じている。
滝川は、愛犬のアリスちゃんとともに登場。東日本大震災後、福島県浪江町から滝川が里親として引き取ったラブラドールレトリバー(♀)で、「前々から保健所から里親として犬を連れて行きたいと思っていました。この震災で意を決して引き取ることにして、2年ぐらい一緒にいます」と、アリスちゃんを飼うことになった経緯を語った。
殺処分の問題については、滝川が『ニュースJAPAN』(フジテレビ系)のキャスターを担当していた頃から扱っていたことも明かし、「そのときから多くの反響があり、そういう現実さえ知らない声も多かった。日本は先進国で、いろんな意味で恵まれているけど、動物と人間の共存という意味では、まだまだ未熟」と、警鐘を鳴らす。
そして、「ペットを飼う際も、保健所に行って譲渡してもらう形でもいいですし、里親、ブリーダー、いろんな選択肢がある。この映画を観たお子さんのヒントにもなると思う」とレクチャーし、「いつかこの子を連れて、子供たちがいるような小学校とかに連れて行きたい」と、自身の希望を掲げた。
イベント中、アリスちゃんはお座りや伏せなど言うことを聞き、滝川も「きょうは心配していたのですが、おとなしくしているみたいなので、なんとかなりそうです」と安心していたが、締めの挨拶のところで、「ワン!」と吠えてしまい、「そのタイミングで吠えないでしょ(笑)」と苦笑い。さらに同映画の柴犬・ひまわり役のイチちゃん(♀)が登場すると、アリスちゃんは「ワン! ワン!」と吠えて暴れてしまい、押さえようとした滝川は大苦戦で、しまいには尻餅! 場内に集まった親子も騒然とする中、「写真としてはバッチリでしょ(笑)。いまの転んだのとか載っちゃうんですかね?」と、報道陣を笑わせた。
ドッグトレーナーの宮忠臣さんが、なんとかアリスちゃんをなだめ、フォトセッションも無事(?)終了。
井上環境副大臣は、「現在、全国で年間に22万頭の犬や猫が引き取られ、残念ながら17万頭が殺処分されています。ですが、25年前は100万頭の犬が殺処分されていました」と、保健所での現実について説明し、「この映画の主人公のような自治体の職員さんたちの努力によって、殺処分は減ってきています。やはり大切なのは、飼い主ひとり一人が愛情を持って、ペットを飼うこと」と、メッセージを送る。
平松監督は、07年に宮崎で実際に起きた話を映画の基にしていることについて、「保健所に生まれたばかりの子犬と母犬が収容されて、母犬は子犬を守るために人間に向かって威嚇しましたが、この命を救いたいと思った職員さんに身を寄せるという温かい奇跡が起きました」と、コメントした。
また、会場には、東日本大震災で被災した動物を救済するための募金箱が設置されていた。