NO IMAGE

北野武監督 東スポ映画賞へ「歴史を経たものが残る」と思い…一発屋の風潮に「長い目で見て」

北野武監督 東スポ映画賞へ「歴史を経たものが残る」と思い…一発屋の風潮に「長い目で見て」
自身の思いなどを語った北野武監督

 『第22回東京スポーツ映画大賞』授賞式が24日、都内ホテルで開かれ、ビートたけし(66)がプレゼンター、司会はガダルカナル・タカ(56)、江口ともみ(45)が務めた。

 “東スポ”の愛称で親しまれる東京スポーツ新聞社主催の映画賞。同紙の客員編集長でもあるたけしが審査委員長となり開催され、普通の映画賞と違った発想と柔軟性に富んだ視点から表彰するという同紙らしさ満載のユニークなものとなっている。同時に、その年話題になった著名人に賞を授与する『第13回ビートたけしのエンターテインメント賞』授賞式も開かれることとなった。

 たけしは登場するなり「私の独断と偏見で選んでると思われていますが、ちゃんとみんなで集まってちゃんと選んでいるから、いつも私だけが選んだと思って困ってます」と、場内を沸かせる言い訳から入り、「大体、ブルーリボンとかどうでもいい。いい悪いじゃなくて、(東スポ映画賞は)冷静に判断している。一番ダメなのはアカデミー賞ですね。私の作品がノミネートされない」と、毒舌を吐いた。

 しかし、その直後、現在の映画界を取り巻く環境を北野武監督として、真面目に語り出し、「いまの社会はITとかインターネットで映画を観るようになってしまって、われわれがお金をかけたフィルムがインターネットの小さい画面になっちゃって、映画館にお客さんが来なくなる、全部ネット配信で映画を観られるようになる。去年のベネツィア映画祭で20本コンペティションに入ったんですが、そのうちの18本がDVDだった。もう、フィルムはいらなくなっている時代が目の前に迫ってるというのがあります」と、寂しげで、「歴史を経たものが残るということを、東スポ映画祭ではどうにか残して行きたいと思う今日このごろです」と、胸の内を3分間にわたって語り続けた。

 監督賞は『アウトレイジ ビヨンド』で自身がノミネートされることとなったが、台湾の会社から映画の上映権を、「20万円で売ってくれと言われて、俺はさすがにめまいがしたよ。入場料いくらだと言ったら1円っていうんだよ」と、エピソードを語ることに。

 表彰では、以前も同賞を受賞したことがあるため、壇上に立つのもお手の物かと思われたが、たけしは、「自分が感謝してどうすんだ!?審査委員長に北野武って書いてあるんだぞ。大橋巨泉以下だぞ!」と、照れ隠しながらツッコミを入れつつ、『アウトレイジ』シリーズ3作目にも色気を見せ出し、「(主人公に)双子の兄弟が現れるのはどうか」と、本気とも冗談ともつかないリップサービスをしていた。

 最後にエンターテインメント賞まですべて表彰を終えたたけしは、「演芸に関しては、スギちゃんというのがいて、みんなが一発屋、一発屋と言い方をして、結局キンタロー。が追い越してしまった。世の中の風潮が、そういうふうな方向にみんなが向かうような、そういうのがなんか嫌なんだよ。現状で、一発屋で終わらすことが、新人の風潮で非常に嫌。長い目で見て」と、しみじみと語っていた。

 ■第22回東京スポーツ映画大賞
 作品賞:『アウトレイジ ビヨンド』
 監督賞:北野武(『アウトレイジ ビヨンド』)
 男優賞:西田敏行、三浦友和、加瀬亮、中野英雄、松重豊、小日向文世、高橋克典、桐谷健太、新井浩文、塩見三省、中尾彬、神山繁(『アウトレイジ ビヨンド』)
 主演女優賞:松たか子(『夢売るふたり』)
 助演女優賞:該当なし
 新人賞:マキタスポーツ(『苦役列車』)
 外国作品賞:『ドライヴ』
 特別賞:故・大島渚監督

 ■第13回ビートたけしのエンターテインメント賞
 日本芸能賞:バイきんぐ、ハマカーン、アルコ&ピース、キンタロー。、ももいろクローバーZ、ゴールデンボンバー
 話題賞:壇蜜
 カムバック賞:高田文夫、鉄拳
 特別賞:松井秀喜、高見盛

マキタスポーツ「苦役列車」で東スポ映画賞新人賞に!たけし西村賢太氏代弁で「助かったのは歌のところ」

広告