女優・高梨臨(24)が19日、都内・WOWOW赤坂本社で行われた『ネオ・ウルトラQ』第7話『鉄の貝』先行試写&舞台挨拶に入江悠監督とともに出席した。
1966年に放送されたウルトラシリーズの第1弾『ウルトラQ』から47年の時を経て、円谷プロダクション×WOWOWの共同製作によるセカンドシーズンがスタート。2月23日、WOWOWにて放送予定の『ネオ・ウルトラQ』第7話『鉄の貝』試写終了後、トラベルカルチャー誌ライター・渡良瀬絵美子役の高梨と同話でメガホンをとった入江監督によるトークセッションへ。
今回、撮影するにあたり、入江監督は「貝って難しいですよね。置いとくと岩みたいに見えたりして、動物っぽさを出すのは難しかった」と、苦労した部分を振り返った。
そんな入江監督について、高梨は「凄い方だっていろんなところから聞いていたので、一緒にお仕事させてもらえるときは嬉しくて、楽しみだった。現場は長回しもあるし、テイクを重ねる監督なので、けっこう大変だったんですけど、出来上がったのを観てよかったと思いました」とコメント。現場での入江監督を「厳しくも優しくもなくて(笑)。自分が求めている画(え)に集中している感じで、的確に指示をくれた」とぶっちゃけ、報道陣から笑いが起きた。
入江監督は高梨の演技を「いいですよね。毅然としてます。品のある人は見ていて爽やかな気持ちになるというか、なかなか他の人では出せない感じ」と称賛。『ネオ・ウルトラQ』は4人の監督により撮影されており、高梨は入江作品で第3話『宇宙(そら)から来たビジネスマン』について、「部屋のシーンが一番きつかった。相当何回も撮って、やってるうちにだんだんこれでいいのかな？と思い始めて、悩みましたね」と明かしたが、入江監督は「全然気づかずに、ウキウキして撮ってましたね(笑)」とキョトンとしており、2人の間にはかなりの温度差があったようだ。
報道陣から「昔のテイストも残した？」と質問が飛ぶと、入江監督は「『ウルトラQ』って不合理な世界の割り切れなさをダイレクトに描いているので、その不合理さが一番時代を越えて受け継がれていくんだろうなというのはありました。時代はいまですけど、現代的なツールはなるべく使わないようにしました」と返答。
「『ネオ・ウルトラQ』に出ることによって周りの反響は？」と聞かれた高梨は、「私の父や母の世代の人がみんな知っていて、あの『ウルトラQ』がまたやるの？って感じで、自分のことのように喜んでくれた。カネゴンとかガラモンとか出るの？って、怪獣の名前も覚えられているので、歴史のある作品に参加させていただいて、嬉しいです」と、笑顔で語った。
また、怪獣の原体験について、入江監督は「特撮的には『ウルトラセブン』が最初でした。僕らの世代は怪獣不毛だったので、さかのぼって、カネゴンとか好きになりましたね。後は平成ガメラシリーズぐらいですね」と回想。
『侍戦隊シンケンジャー』(テレビ朝日系)に出演していた高梨は、「小さいときに特撮モノを観て育ってなかったので、初めて怪獣を見たときは本当に怖かった」と告白したが、「凄くかわいい怪獣がたくさんいて、悪者でもないし、愛着が湧くというか。今回のガストロポッドも凄く好きで、岩に貼り付いてる感じがタニシみたいでかわいかった」と、怪獣に対する印象が変わったようだ。
第7話以降の見どころについて、入江監督は第11話『アルゴス・デモクラシー』を挙げ、「僕の中では、女優・高梨臨の『ネオ・ウルトラQ』における代表作だと思う。他の監督よりいい表情を出したいというエゴがあるけど、そういう意味では一番作品として残るんじゃないかな」と解説。
これに高梨も「私も思い入れがある作品で好きだし、一番観てほしい」と同調し、「あとは第8話『思い出は惑星(ほし)を越えて』のハタ・ギ・ノールという宇宙人が大好きで、とにかく面白いので観てほしいです」と、オススメしていた。
フォトセッション時には、第7話に登場した巨大な巻貝の怪獣・ガストロポッドも登場し、場内が沸いたところでお開きとなった。
