俳優でタレントの前田健(41)が9日、都内・銀座シネパトスで行われた映画『ばななとグローブとジンベエザメ』(監督:矢城潤一/配給:アイエス・フィールド)舞台挨拶に女優・根岸季衣(59)、園山晴子(50)、ちか、俳優・モロ師岡(53)、仁科貴(42)、大城英司プロデューサー(46)、矢城監督(51)とともに出席した。
毎晩のように女遊びをするダメ親父・園田敦を中原丈雄(61)、弁護士研修期間中の息子・堂本光司を塩谷瞬(30)が演じ、離れて暮らしていても、親子の心のつながりを描いた作品。中原、塩谷ら主要キャストが出席した2日の初日舞台挨拶に続き、この日は脇を固めたキャストが登壇し、一週間前と同じように、観客には同作にちなんでバナナがプレゼントされた。
大城プロデューサーがMCを務めるかたちで、舞台挨拶は進行。同作は昨年10月、肺がんのため死去した馬渕晴子さん(享年75)の遺作であり、初日舞台挨拶と同じように、この日も矢城監督が馬渕さんの遺影を持ち、敦の愛人・宮本夏子役の根岸が「自分で『人たらし』というぐらい、人を家族的に巻き込むのが上手だった」と、在りし日の馬渕さんを懐かしむ。
先週の舞台挨拶でも、中原が馬渕さんの自宅で打ち上げをやっていたところ、あまりの騒がしさに近所に通報されたエピソードを披露していたが、根岸も「打ち上げの第2会場に馬渕さんは自宅を全部開放するほどの力を持ってらっしゃって、『私、ついやっちゃうのよね』とおっしゃっていました」と、馬渕さんの面倒見のよさを明かした。
看護師・名室良治役の前田は、「僕の出演時間は短かったですけど、存在感凄いですね。本当に焼きつくもんだなと思って」と自画自賛し、観客も爆笑。馬渕さん扮する敦の母・園田俊江を介護する役どころで、「楽屋で原発の反対署名運動とかされていて、彼女はいつも闘っていらして、問題意識を常に持って日本の女優、映画人として何をすべきか考えてらっしゃる人でした」と、故人を偲んだ。
焼肉屋のオーナー・川添龍一役のモロは、「一番のカタルシスは、結婚式の“出席”というシーン。僕のカミさんにお父さんが2人いまして、そのために2回結婚式をやったので、そのことを思い出して、ふと涙が出そうになりました」と、感慨深げ。
敦のガールフレンド・清島洋子役の園山は、中原と壮絶なケンカのシーンを演じており、「私も家族とよくケンカしたりするけど、やっぱりお父さんとお母さんがいて、いまの私がいるんだということを、この映画を観て思った」と、しみじみ語った。
刑事の桃原智雄役の仁科は、沖縄の方言指導の人も「ウチナンチュ(沖縄の人)だ」と絶賛するほど沖縄の方言をマスターしたようで、「腕毛を足したり、顔とか腕とか色を付けて黒くした」という気合の入りよう。その甲斐あってか、「タクシーに乗ったら、運転手さんに『お客さん本島の人? 見た目はまるっきり沖縄人!』って言われました」と、役作りは大成功だったようだ。
また、当初登壇予定ではなかったホステス役のちかも急きょ登壇し、「この映画って飲むシーン、食べるシーンがめっちゃ多くて、凄く美味しそうだから飲みたくなるし、食べたくなる。大城さんの趣味・嗜好がかなり盛り込まれています」と、ぶっちゃけていた。